「一致」はいずこに?

November 05 [Fri], 2010, 10:13
第37回 日本基督教団総会

戒規関連議案、激論の末「審議せず」


退席する北村氏(撮影・山名敏郎)

 「総会議員として受け入れろ」「責任者を呼べ」――未受洗者への配餐を理由に免職戒規の通告を受けた北村慈郎氏の議員登録をめぐって、受付で説明にあたった内藤留幸総幹事に支援者らが詰め寄った。10月26〜28日、東京・池袋のホテルメトロポリタンを会場に開催された第37回日本基督教団総会(山北宣久議長)開会直前の一幕。「教団の一致はいずこに?――御霊の導きを渇望しつつ」を主題に掲げた本総会だが、議長による説明も怒号でかき消されるなど、冒頭から波乱含みの展開となった。出席議員は約360人。

■京都教区議員ら退席

 議事日程の審議において、北村氏に対する戒規の是非を問う議案や、免職の撤回を求める議案は上程しないとの案をめぐり、議論が交わされた。山北議長は改めて戒規適用に至った経緯を説明し、「規則は時代と共に変わるが、変わるまでは従うのがルール。正直言って、神の前に真面目さが足りない」と発言。無記名投票の結果、賛成199票で、議長提案の通り関連議案を扱わないとする日程が可決された。

 この結果を受けて、北村氏をはじめ、これに抗議する京都教区の議員らが退席し、議場内で総会の無効を訴える横断幕を掲げた。他にも、黄色いリボンで抗議の意思を示す議員や、「怒」と書かれた紙を掲げる傍聴者の姿もあった。

■三役いずれも交代

 選挙の結果、議長に石橋秀雄(越谷教会牧師)、副議長に岡本知之(西宮教会牧師)、書記に雲然俊美氏(秋田桜教会牧師)の各氏が選出され、三役全員が入れ代わるかたちとなった。次点はいずれも後宮敬爾氏(札幌北光教会牧師)で、議長選、副議長選共に約50票差に迫るも当選には及ばなかった。

 新三役はそれぞれ、「目に見える教会は、信仰告白と聖礼典と教会法の三つが正しく確立されることで形成される。この三つを確立するために働きたい」(石橋)、「会議において、議事規則に基づいて公正な議論をしていくのが議長団の使命」(岡本)、「地方の教会、教区は困難な中で伝道に励んでいる。各個教会の伝道力強化はもちろん、それぞれの宣教協力も進めていきたい」(雲然)とあいさつした。

 副議長3期、議長4期の計14年にわたって役員を務めた山北氏は関係者への謝辞を述べ、牧会する聖ヶ丘教会も来年1月で引退すると報告した。

■常議員は全数連記で

 常議員の選挙方法をめぐっては、「全数連記」の場合、過半数を超える人々の申し合わせで議員を占有できることを危惧する声や、回覧される候補者リストの通りに当選者が選ばれる教区の事例を指摘する声も上がった。一方、「少数連記による常議員選挙が教区間格差や対立を作り出してきた」とし、総会全体の意志を反映した「全数連記」を求める意見も出された。

 無記名投票の結果、「少数連記」を求める議案は否決され、「全数連記」の原案に基づいて選挙が行われた。選出された議員は次の通り(得票順)。

 【教 師】高橋和人、藤掛順一、古屋治雄、大村 栄、岡村 恒、小橋孝一、長崎哲夫、長山信夫、北 紀吉、島田勝彦、高橋 潤、森里信生、篠浦千史、深谷春男。以下補充員 後宮敬爾、向井希夫、柴田もゆる、佃 真人、邑原宗男、三浦 修、梅崎浩二。

 【信 徒】望月克仁、大杉 弘、橋 豊、河田直子、鈴木功男、江本義一、松尾 亨、岡田義信、遠藤道雄、小林貞夫、寺岡恭仁子、佐久間文雄、川原正言。以下補充員 東谷 誠、和田献一、難波幸矢、津村正敏、島 敞史、志藤仁一、藤巻朋子。

■少数否決の議案続出

 「教規変更(伝道所関連)に関する件」、「聖餐のあり方について慎重かつ十分に議論する場を教団内に設置する件」、「日本基督教団と沖縄キリスト教団との『「合同のとらえなおしと実質化」特設委員会』を設置する件」、「『合同のとらえなおし』:『戦争責任』とその歴史検証に関する件」はいずれも少数否決。

 「米軍再編に抗議し、全国の軍事基地撤去を求める声明を内外に向かって表明する件」をめぐっては、信徒議員が反対の立場から「日本はいま、平和じゃありませんか」と発言したことを受けて、一時騒然となった。沖縄出身の議員が自らの体験を語り、「本当に日本は平和なのかと問い、教団は教会として平和を形成していく責任を負っていると自覚したい」と訴えた。主旨には反対しないものの、声明を出すことには躊躇があるとの意見も述べられ、採決の結果、否決された。

■「いないような者に」

 総会初日の有志による集会で北村氏は、前回の総会後、山北議長から所属する紅葉坂教会の役員会と会いたいとの申し出があり、実際に会ったことを報告。「彼らから見れば、わたしは『透明人間』だったのだろう。あたかもいないような者として扱われた。沖縄の人たちも同じだったのではないか。教団政治の中で関係性を作っていくのは難しいが、個人とつながっていくことはできると思う」と語った。

(2010年11月13日 キリスト新聞)


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やはり関心の高い記事ですね。
コメントいただいた皆様、ありがとうございます

>てんしちゃん 様
かつて教団にいらしたんですね。
混乱の背景には、そうとう根の深い問題があるのですが、
いずれにしても、何とかなりませんかね。
知れば知るほど、あきれかえるほかありません
仮にも、国内のプロテスタントでは最大教派ですから、
おっしゃる通り「大きなマイナス」だと思います。

>お気楽 様
日本でも、ルーテル、聖公会、カトリック教会の礼拝では、
参加者全員が前に出て、信者は「配餐」を、
未信者は「祝福」を受ける形式が取り入れられています。
他の礼拝では確かに「居心地の悪さ」が否めませんが、
それを「差別」ととるか「区別」ととるかは
議論の分かれるところです。
個人的には、神学的な問題というより、むしろ礼拝における
配慮」の問題かと思います。
教団の場合、すでにそれらを超えて政治的問題として
利用されているに過ぎないのでは?

>minako 様
意外に、教団の会員の方でも知らない人は
まったく知りませんし、関心すらない方もおられます。
もともと「合同教会」ですから、同じ教団といえども
様々な教会があって当然ですが、牧師も信徒も様々です。
仕事柄、「善良な人ばかりがいるのでない」という
現実は、日々の取材を通じて度々痛感させられます。
人生いろいろ…、キリスト者もいろいろ…♪

by 松ちゃん November 10 [Wed], 2010, 0:59

私の現在の母教会も日本基督教団です。topはこんな風になっているんですね。知りませんでした。
日本のプロテスタントの教団の中では、一番大きい所でしょうに情けないです。
教会に善良な人ばかりがいるのでないのと同じですね。勘違いしている人が沢山いますけど。

by minako November 08 [Mon], 2010, 20:27

 私の所属する教会は教団ではありませんが、近所の教団の教会の礼拝に参加したとき、未信者にも配餐していることに違和感を覚えていたので関心を持つようになりました。(でも、以下の文は詳しくは分からないので、あくまでも部外者の感想ですが・・・)

 私は北村牧師側の主張にも一理ある気がしていました。なぜなら、聖餐式のとき、未信者の人がここは自分がいるべき場所ではないという顔をして、居心地が悪そうにしているのを何度も目にしているからです。

 何年か前にアメリカのルーテル派の教会の礼拝に出たとき、感動しました。そこでは、礼拝参加者は前に出て丸いテーブルを囲んで座り、牧師から配餐を受けるのですが、未信者の番になると牧師はその人に触れ、頭を垂れ、お祈りをするのです。配餐はしませんが、その人を大切に思う気持ちは伝わってきました。

 北村牧師もそういう方法は採れなかったのでしょうか?

 今回の一連の騒動はキリスト教界全体へのマイナスで、残念です。

by お気楽 November 05 [Fri], 2010, 21:53

日本キリスト教団の総会の混乱、いい加減にしていほしいです。
何十年同じようなバカ騒ぎをやっているのでしょうか。
「日本基督教団と沖縄キリスト教団との『「合同のとらえなおしと実質化」特設委員会』を設置する件」などは、何十年も前からやっていることです。日本の国会と同じで、本当に審議すべきことを審議できない状態が続いていますね。
私は10年ほど前、何年か日本キリスト教団にいましたが、内部事情を知れば知るほど、あきれかえるほかありませんでした。
日本キリスト教団を離れてから、もう結構経ちますが、未だに進歩がないというのは、プロテスタントの宣教にとって大きなマイナスだと思います。

by てんしちゃん November 05 [Fri], 2010, 21:28
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プロフィール
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  • 誕生日:1976年
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福島県出身。TV局勤務の後、5年間の小学校教員生活を経て、長男の誕生を機に転職。現在、週刊「キリスト新聞」、季刊「Ministry」(キリスト新聞社)編集長。いのり☆フェスティバル実行委員会代表。「松ちゃんの教室」本サイトはこちらから。
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