宝塚花組公演「復活」 感想

January 26 [Thu], 2012, 18:05


 もしかして名作かも知れないのですが、私は傍観してしまいました。石田作品はどうも要領がよすぎるというか、安いメロドラマ的な感じ、既存のアイデアを継ぎ合わせたみたいな感じがして、私はどうも素直に好きにはなれないです。

 例えばカチューシャが連行される最初の場面も一見ドラマチックなのですが、いきなりこういう劇的な場面から始めるのは、長編小説を要約し舞台化する際の常套手段に過ぎませんし(正月公演にしては暗すぎるし)、全体的に台詞の原作からの引用部分はいいのですが、歌詞になると「私は純真な女の子」とか「恋はデザートでなくメインディッシュ」というレベルになってるし。でも限られた時間と予算の中で上手くダイジェストできているのは事実で、今回のように悪ふざけやセクハラがなければ初心者にはもってこいともいえるので、石田先生にはもしかしてこのままわが路線を極めてもらうのもいいかも知れないなと思いました。

ネフリード(蘭寿):原作ではもっと悪者で、カチューシャの悲劇の始まりだった二人の一夜も、元々は完全に遊び心で誘惑したに過ぎないのですが、本作は身分を超えた恋人同士に改変、最初から最後までいい人に脚色されていて、嫌悪感は薄れたものの、これが意外に平坦な人物像にも見えて、吉と出たか凶かは微妙な感じがしました。後半のカチューシャ救出劇も、結果的には親が残した財産や知人の力によるところが大きくて、余りカタルシスも感じませんでした。ただ、この設定の弱さ自体を補うほどの力も今の蘭寿にも乏しい感じもあって、荷が重いというか、特に彼女の歌はちょっと課題ですね、物語が盛り上がったところで彼女が歌うと、急速にこちらの気持ちが萎えて困りました。ご本人は頑張っていたんですが、ごめんなさい。

 シェンボック(壮):逆に歌が歌くて色んな意味で相当深刻な舞台に光明を差してくれたのがこの人。何より歌がガンガン響いて圧巻でした。驚きましたた。主人公を助ける友達役をやってたのですが、本当は愛音がやったシモンソンという、ラストでカチューシャと結ばれる革命家をやるのが二番手としては正当だとも思うのですが、これはおそらく、トップへの配慮からこうなったのではと思いました。が、実に勿体無い。恋人役・月野さんとのやりとりも面白くて、本当、見惚れるほど上手かったと思います。

 シモンソン(愛音):その革命家役の彼女には殆ど台詞もなくて、気がつけばカチューシャの近くにいるという感じ。でも二人の場面はないので、カチューシャと互いに惹かれ合う過程もわからず、結ばれるのも唐突に見えて描写不足。本当は彼をしっかり描くことで貴族階級の腐敗(ネフリードも貴族)、労働者階級の疲弊と貧困、犯罪の横行など当時の社会情勢も汲み入れられるハズなので残念でした。出番自体が少ないので、革命家がもつ情熱などを表現する場が乏しく大変だったと思いますが、愛音さん自身のやさしさは良くでていたと思います。

  蘭乃(カチューシャ):上手いヘタを別にしてこの役は或る意味、スカーレットオハラを超える面白さですね。最初は純情な娘で、ネフリードに騙されて悲しみ、娼婦に落ちぶれてやけばちになり、改めて愛を得てからは立ち直り、最後は達観して彼より大人になる。彼女にとってはかなりのエポックメークになる役柄だと思います。中々の力演でした。油断をするとちょっと声色を変えただけ?みたいなところもあって、それを身上としているのかも知れませんが、まぁ、今後の可能性はかなり広がったと思います。

 あと、桜一花さん辺りの出番も少なく、花組の娘役の布陣がちょっと変ったなと感じました。また、幕開きの独唱の望海風斗さん、蘭寿の婚約者役(実質娘役の二番手確定?)だった実咲凛音さんの二人も非常に歌が上手くてハッとさせられました。

 ショーですが、こちらはちょっと平凡で途中の記憶が飛んでるんですが(ごめんなさい)、ただ目覚めた時には大階段がでていて、その前での蘭寿・蘭乃ペア、壮・実咲ペアの四人が流麗なダンスを踊っていて見応えがありましたし、こういう4名のダンスは久しぶりな感じがして何だかか懐かしい光景だなぁと思いました。

嵐にしやがれ ゲスト 市村正親さん

January 15 [Sun], 2012, 23:02


娘が好きな嵐の番組。一緒に見ているのですが、昨日のゲストは市村正親さん。

東京で上演中の「ラカージュオフォール」の宣伝で来たんだとは思います。
おそらく嵐ファンの子供達には全く興味がない舞台であり、ゲストだろうと思いますが、昔のミュージカルの話がでてきて、ちょっと面白かったです。

先ず、「ウエストサイド物語」。
大昔は劇団四季の十八番でしたが、今では宝塚でもやったし、ジャニーズも2回ほど上演。
少年隊3名での舞台。そして、嵐から3名が出た舞台の2つ。

東山紀之が演じたトニー役を櫻井翔、錦織一清が演じたリフ役を大野智、植草克秀が演じたベルナルド役を松本潤。

2005年12月の舞台で、当時はさほど話題にならなかったようでしたが、もしも、これが今の嵐だったとしたら、もう大変な騒動になっていたでしょうね〜競演は少年隊版で島田歌穂がやったヒロイン・マリア役は当時宙組現役だった和音美桜、香寿たつきのアニータ役は雪組の天勢いづる。番組内で大野さんがウエストサイドのプロローグのダンスを市村さんと一緒に少し披露してたんですが、なかなか形になっていて感心しました。

次は市村さんが真っ裸になった舞台があるということで話になったのが「エクウス」と「Mバタフライ」。

これは見てます。「エクウス」のその場面は舞台全体が真っ暗でよくわからなかったのですが、「Mバタフライ」は非常に明るい照明の中での出来事で、最初は後ろ姿でしたが結局前も丸見えで驚きました。

四季ファン真っ盛りだった頃なので最前列の中央席。こういう展開になることは全く宣伝されてなかったので座席からずれ落ちそうでした。

あの舞台は当時市村さんの奥さんだった八重沢真美さんも出ていて、彼女も別の場面で真っ裸になりました(少なくともそう見えました)

記録を見ると1989年上演なのでもう23年前の出来事。音楽が中国的で好きな作品でした。何年か後にジョンローンの映画版も見ましたが、これはヒドかったですね。あれから全く再演されず、やはり難しい作品なんだと思います。ちなみに、「Mバタフライ」初演の翌年、1990年は市村さんが新橋演舞場公演「オペラ座の怪人」を下ろされ(山口祐一郎ファントム、石丸幹二ラウルのデビュー。大阪から見に行ったのですが、祐一郎ファントムにはガッカリでした…)、市村さんは同時期上演の近鉄劇場公演「エクウス」に廻されて、これが契機になって劇団四季を退団。TVを見ながらちょっと昔を思い出してしまいました。

そして、「コーラスライン」
全員で披露したダンスの振付が本物通りで、これまた驚きました。素晴らしい。
さすが、嵐のメンバーは振付の飲み込みが早いんでしょうね〜。
あと、何気に面白かったのが、即興で決めていったキャスティング。
かなり的を得てました。特に皮肉屋のシーラ役の二宮さんのアドリブの台詞がシーラの性格を的確に捕らえていて市村さんもウケてましたが、見事だったと思います。一番ダンスが上手いキャシー役に大野さんというのも納得だし…。

「コーラスライン」のところは、もっと時間をかけて見せて欲しかったです。

サンセット大通り 配役

January 09 [Mon], 2012, 0:20


今年に入っての最大の驚き、まさか実現すると思ってなかった「サンセット大通り SUNSET BOULEVARD」の日本版上演!

ナベプロによる公演とのこと。本当に仰天しました。

忘れもしない1995年、ブロードウェイに見に行きました。
グレンクローズの前楽!とベティバックレイの初日!。

あの時、実質5日間の滞在で観光する傍らで見たのがオペラ座の怪人、クレイジーフォーユー、ミスサイゴン、レミゼ、美女と野獣、ブルーマン、キャッツ、そして、SUNSET BOULEVARD。

各劇場のクーラーが余りに強くて、旅程の後半は妻が風邪をひいてしまったのですが、その妻をホテルに残してまで(ごめんなさい)、どうしても見たかったのが、この、SUNSET BOULEVARD。

本当に感動でした。圧巻でした。号泣してしまいました。

特に、名曲、As if We Never Said Goodbyeは今でも大好きで通勤時によく聴いています。

過去の栄光にすがって生きる大女優の悲劇。

忘れられない作品です。

今回、ノーマ役が何と安蘭けいさん。

彼女の舞台は初期の代表作「エリザベート」の新公を始め、それこそ初舞台から見ていて、特にプレサヨナラともなった「スカーレットピンパーネル」はその劇的な歌唱に身震いしたほどでした。だから、十二分に彼女の歌唱力は認めるものの…

ノーマ役には20年早い!

若すぎ!キラキラしすぎ!小さすぎ(色々な意味で)!

今なら、麻実れいさんしかあのノーマの悲哀、恐ろしさ、狂気、迫力、錯乱、老醜、孤独、滑稽、可愛さ、愚かさ、刹那さ…をやれる人はいないでしょう。または鳳蘭さんですね(ちょっとツレさんは地のツレさんが表出してしまいますが)。

最初の第一声、「あなたは大スターでした」と言われて

「今でもそうよ、小さくなったのは映画のほう!(I am big! It's the pictures that got small.)」

これは安蘭さんには言えないでしょう。


「クローズアップの用意はできている(I am ready for my close-up!)」

高らかに言い切るノーマのラストの台詞はターコさんのものでしょう。ターコさんで聴きたかった。

ターコさんをキャスティングするだけで、すでに95%は完成なのに…。


あのウェストエンドやブロードウェイのオリジナルの舞台を知っている我々の世代、観客のみならず俳優さんや女優さんを含めた、日本のミュージカル界全体が待望していたと言っても過言でない「本邦初演」なのだから、是非とも期待を裏切らない舞台にして頂きたいです。

安蘭さんは昨年の「MITSUKO」の後半の演技が評価されたのかも知れませんが、本音としては今からでも遅くない、先輩に役を譲るとかしてもらいたいです。


…でも、決まった以上、どうしようもない、戯言に過ぎないわけで。

…トウコさん、ただただ頑張ってください。奇跡をおこしてください。


マックスは鈴木綜馬さん。

四季在団時から鈴木さんの歌唱力には絶大な信頼を寄せているので嬉しい限り。

終景で狂乱したノーマに語りかける神がかった大芝居。

「LIGHT, CAMERA, ACTION!」。

本当、泣いてしまいます!

ただ、この上演があと10年でも早く実現していたら…と悔しい限り。

ジョーをやるには年齢を重ね過ぎたという感じでしょうか。

この作品のタイトル曲は色々な人が歌ってますが、是非とも、鈴木さんの素晴らしい歌唱力で聞きたかったです。

でも、マックスにも歌い上げる曲が沢山あるので楽しみです。

そして、ジョーを誰がやるのかは未発表。

前売が始まったのに…

新人起用はやめて欲しいです。

ノーマ女優が若いのでどうしても選択肢が狭いのですが、城田優さんあたりでしょうか〜又は、実績でいうと浦井健治さんあたりかな〜いずれにせよ、彼らレベルでなければ納得できないですね。

岡幸二郎さんとかでも見たかったのですが、安蘭さん相手では年齢的バランスが取れない感じですしね。


油圧ポンプでノーマの大豪邸がセリ上がったりする、20億円ほどかかったというオリジナルの演出や美術は踏襲されないとは思いますが、本当、楽しみで仕方ないです(大阪公演はあるのかな)。

久しぶりにBW版の実況CDを聞き返すとします〜。
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8月10日生まれ、A型、獅子座、 松山市出身、池田市在住、 妻と長女の3人家族、 某メーカーの貿易部門勤務、 好きなものは観劇・育児・音楽・走ること・寿司・旅行
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