宝塚星組公演「ダンサセレナータ」 感想

June 28 [Thu], 2012, 14:19


 星組に行きました。芝居は良くも悪くもいつもの正塚作品でした。この組の公演にしては珍しく空席が目立ちましたが、私も正直、期待外れでした。物語は分かりやすく脚本も読ませるのですが、やはり演出が大劇場向けでなく、楽屋で暇をしている大半の下級生達のことが気になりました。確か正塚先生は今年還暦だと思いますが、そろそろ大切なことに気づいて欲しいです。

 あと、どう贔屓目に見ても或るダンサーの再生物語より政治的背景である某国の独立問題のほうが骨太なわけで、脚本・構成・演出の力不足を柚希に頼っている感じもして、これも如何なものかなと思いました。ただ、これぐらい大人の雰囲気を持ったオリジナルが書けるのも今の宝塚では他には見当たらないので、多少の軌道修正と過去の名作、例えば同じ独立問題を扱った作品で言えば「二人だけの戦場」ぐらいの健筆の復活を期待したいです。このまま頑固じじいには陥らないよう頑張って欲しいです。

 柚希は愛とダンスの力で幼少時の悲惨な体験から再生していく男性を的確に演じ切ったと思います。ダンサー役なのでダンス場面も多いし、それぞれ見応えもあったのですが、ただ、単にショー場面やその稽古風景が挿入されているだけという感じもして、途中から何か違うなという思いが頭をもたげてきました。皮肉にも、できれば、ダンサー役ではない作品、ダンサー役ではないのにダンス場面が多いという作品、もっとダンスで深層心理や物語を組み立てていくような作品が見たいと思いました。

 十輝はその際立つ長身が独立運動のリーダーにぴったりでしたし、秘密警察の紅には立ち姿に鋭利な恐ろしさが滲みでて驚きました。ただ、設定としてはもう一人、徹底した敵役、紅と同じ体制側の人間でもっと強硬に植民地政策を推し進める人物がいれば、十輝ら若者達が蜂起する心情や、その職務と良心の呵責に苛まれる紅の複雑な苦しみが明確に浮かび上がったのにと思いました。今回はその人員不足を彼らの説明台詞に依存していて、特に紅の「これは仕事だから仕方ない」とかいう説明台詞にはガッカリでした。対する娘役は揃ってかっこ良かったです音波さんの突然の扱いの悪さに、もしかして何かやっちゃったのと心配になりました。

  ショーはまるで柚希ショーでした。中堅スターが先の組変えで抜け、二番手と三番手が予想以上に歌とダンスに必死という状態が露呈、以前にも増して柚希への負担が強まった印象で星組は大丈夫なのかと思いました。でも、まぁ何とかなるとは思いますが。作品的にはエレキ系の楽器の音がずっと流れていて、こういうのは生理的に合わないため、耳を塞いでいる内に疲れて寝てしまいました。ごめんなさい。根本的な疑問として、セレブというのはこんなにギンギンギラギラなのでしょうか。ということで、今ひとつ感心しない二本立てだったと思います。

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8月10日生まれ、A型、獅子座、 松山市出身、池田市在住、 妻と長女の3人家族、 某メーカーの貿易部門勤務、 好きなものは観劇・育児・音楽・走ること・寿司・旅行
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