阿羅漢になれぬ浮塵子を見つめをり

2011年10月26日(水) 1時42分
台北三日目は自由行動の日である。前日から今回の同伴のTと共に検討してきた。私は淡水散策を一希望とし、Tは本格的な茶藝館での作法講習を第一希望として後は成り行き次第とした。朝9時過ぎにホテルを出発して南京東路駅まで歩く。街の雰囲気は日本の昭和30年の味わいの場所がある。なかなかに郷愁を味わう。朝の朝食をもてなしている店がある。「臭豆腐」の強烈な臭いが店から漂ってくる。この臭いだけはどうしても慣れない。20分ほどで駅に到着する。ここで一日票(一日乗車券)を200元で買い求めた。MRT線というのだが乗り方、乗り換えは非常に分かり易い。「忠孝復興駅」で乗換え、再度「台北車駅」で淡水線に乗り換え終点の「淡水駅」まで行く。ここは風光明媚な港町である。私達は昨日の竹里館で持ち帰りにしてもらった食料を携えて河口沿いの道を歩いた。時間はまだ10時半とあって道沿いの観光客相手の食堂は開店していない。環河道路を淡水河のに沿って紅毛城へ行く。かつてはサント・ドミンゴ城と呼ばれた城塞である。初めはスペイン人が治め、次にオランダ人、次いで中国人そしてイギリス人によって領事館にもなっていた。赤煉瓦の建物が美しい。1時間ほどを過ごし再び淡水河沿いのフェリー乗り場近くのベンチに落ち着いて昼食を取ることにした。竹里館の持ち帰り弁当が大いに役に立った。Tは売店で飲み物を買ってきた。私はと言えば淡水駅近くのコンビニで台湾ビールを買い込んでおりそれで喉を潤した。昼食を終えたところで淡水から次の目的地である茶藝館へ行くために西門駅へMRT線で向かった。一日票(一日乗車券)は便利である。またこの線は新しくトイレも清潔である。西門駅から茶藝館への道が良く分からず色々聞いてみたが三人目で、店番をされていた親切なご婦人に教えてもらった。お年を召された方は日本語が流暢で丁寧に教えてくれ、「また、分からなかったらどうぞ来てください。どうぞ楽しんで下さい。」と言ってくれる。素晴らしいお人であった。茶藝館は「淡然有味茶文化會館」と言う名前で、そこで台湾茶についての作法を先生について教えてもらう。先生は陳さんという気品のある女性だった。どう言えば良いか。日本で言えば喫茶店ではなく、裏千家流の師匠の茶室に上がり込んでしまった、という感じである。今回使用する茶は2種類、高山茶と凍頂烏龍茶である。日本茶と違って発酵の度合いで品質が違う。我々は2時から4時半位丁寧に作法を教えてもらった。会話は主に英語、そしてわづかの日本語が行き交い、又陳先生による中国語の漢字筆談で行われた。得難い体験であった。次にTが土産に饅頭を買うというので駅2つ先の善導寺駅に行く。店の名前は失念した。私もそこで牛軋糖(ヌガー)を買う。昨年パリのオペラ座前のお菓子屋「la-cure-gourmande」でヌガーを購入してその甘さに惚れ込んだのだが日本ではヌガーで出会うことが出来なかった。ここ台北でちょっと姿を変えたかつての恋人に再会した気分であった。店員が「ああ、そのヌガー美味しいよ」と日本語で言って来れたときにはそのヌガーの響きに一瞬感涙の面持ちとなってしまった。兎も角一つ土産として持ち帰って結局私一人で全部食べてしまった。何故もっと多く買い込まなかったかと後悔している。次に昨日行った竹里館に向かう。Tが昨日二種類の茶を買ったが外観は違うが中身は同じ茶であったとのことで交換のためクレームがてら行く。事情は本来同種類の茶が2個入っている商品を交渉の上別々の茶にしてもらったという事情だった。お互い問題解決に時間が掛かるのではと覚悟したが、女性店員がにこやかに応対して1分も掛からずに解決した。この国は実に要領を良く心得たシステムを持っているなと感心した。ミスに対する対応が合理的で迅速である。雨降って地固まる。夕食もTが見つけていた「MOMO百貨」3階の「精彩食譜」である。南京東路駅を東に向かう。今日の自由行動を楽しく話しながら主に野菜料理を中心に注文する。ビールも進む。エリンギのアワビ風には参ってしまった。正にアワビだ。小皿でリーズナブルな価格である。日本人の腹と舌に良く合う。料金は全部で700元である。日本円で2000円弱、何かの間違いではと思う安さだ。満足してホテルまで歩いて帰る。最後の夜を足つぼマッサージで締めようと言うことになる。フロントで親しくなった男性係員に聞いて見る。彼は私の質問に「あの店はSimply、この店はYoungLady。」と実に美味く表現する。私の想像と見事に一致した。そして丁寧に地図を交えて紹介してくれた。「函(サンズイ有り)竹」という店である。通りを二つ隔てた所にあった。45分600元である。昨日の全身マッサージも良かったが今日の足裏マッサージはそれ以上であった。おそるべしホテルマン。私はTに起こされるまでしばし寝入ってしまっていた。桃源郷の気持ちでマッサージ店を後にし私はその日は風呂も入らずに寝てしまった。翌日は5時過ぎに起き8時半台北発の便で正午に関西空港に帰ってきた。楽しく充実した三泊四日の台北旅行であった。

  
淡水              紅毛城           精彩食譜
  • URL:https://yaplog.jp/shigeo6150821/archive/1517
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枯秋庵
ほんとに
パック旅行のセットに土産物店で
レシートがないって
その店って暑い国の地下組織みたいでしたよ。
次は
葡萄牙国を訪ねて見ようか。
2011年10月27日(木) 1時19分
吟遊詩人
下記事の 銀行員かプロフェッサーという件が
個人的に ウケました^^* ホントは ひそかに
秘密工作員とか 思われていたのかもしれないですょ^^v
2011年10月26日(水) 21時01分
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