大分県大分市 大分懸護圀神社

August 04 [Sun], 2019, 7:00
大分市街中央部の丘陵に、大分縣護國神社があります。
このブログで何度も記しているように全国にある護國神社は、
明治政府が創建したものではありません。
幕末明治初期に戦死者や殉難者を招魂する目的で私設され、
その創設者もであったり、その土地の名主であったり、
祀られている祭神も隊士であったり、その土地の出身者であったりと、
いろいろなパターンがありました。

今回訪問した大分縣護國神社の場合は、
大分県初代県令森下景端によって、
佐賀の乱台湾出兵、幕末の大分出身の志士などを祀る為、
松栄山山頂に招魂社を創建したことに始まります。


大分縣護國神社拝殿」。
明治8年に創建された招魂社は、内務省令により護國神社に改正され、
内務大臣指定の護國神社となりました。
元々この大分縣護國神社のある松栄山は、
府内藩主松平近儔が、祖先である松平近正の祠を建てた場所で、
近正大明神として祀っていた場所。
明治2年に遷座して跡地となっていた場所に、
招魂社が建てられたという経緯があります。
山の名前の松栄山は、「松平家が栄える」という意味だったらしい。

指定護國神社は、幕末、明治期の神霊だけではなく、
以後の戦役の英霊が合祀されていますので、
特攻隊歩兵第47聯隊関係の展示などもあり、
神社ながらミリタリー色がありますね。
そのあたりはこのブログのテーマから外れますので、
参拝を済ませてすぐに退散し、北側にある招魂場へ。

駐車場より北側に招魂場や展望台などがあります。
南側の護國神社の社殿は、後から造営されたもの。


西南の役軍人墓地」。
西南戦争に従軍して戦死した政府軍214柱の墓地。
青森秋田福島など、他県の出身者が多く、
彼らも大分縣護國神社に合祀されています。


招魂社跡」。
創建当時の社殿があった場所。
現在でも合祀祭はここで行われているとのこと。


西南の役警察官墓地」。
参道の階段の中腹あたりから枝分かれする階段の先に、
西南戦争で戦死した警察官の墓地があります。


木々に囲まれた招魂場に、日の光が差して神々しい雰囲気。


103柱の警視隊の招魂墓が並んでいます。
警視隊は西南戦争の際に、東京警視本署が編成した部隊で、
本来は占領地の治安維持や、軍隊内犯罪の取り締まりなどを行い、
陸軍の後方支援を目的とした部隊でしたが、
隊の大多数が士族出身であった為、徴兵陸軍兵より勇猛であり、
しかも装備が後方支援である為に旧式銃が渡されていた為、
率先して抜刀して戦ったとされます。


一等大警部佐川官兵衛墓(左)」他、警部クラスの招魂墓。
佐川官兵衛元会津藩家老で、「鬼佐川」と官軍に恐れられた人物。
特筆するべきは、賊軍の将であった佐川が、
薩摩長州出身者と同等に並んでいる事です。

佐川は廃藩置県によって斗南藩が消滅した後に警視庁に出仕し、
西南戦争に豊後口第二号警視隊副指揮長兼一番小隊長として出征。
巡査200名を率い、豊後竹田から坂梨へ向かいます。
佐川隊は南阿蘇二重峠の西郷軍陣地を攻撃し、壮絶な白兵戦を展開。
混戦の中、西郷軍の小隊長鎌田雄一郎と切り結び、
一騎打ちの最中に横合いから銃撃を受けて絶命しました。


大分縣十等警部藤丸宗造之墓」。
他の警察官の墓と少し離れて建っている墓。
藤丸宗造は西南戦争の最中に、重岡分署に分署長として赴任し、
西郷軍の延岡侵入を察知して、熊本の政府軍本営へ報告。
その帰路に西郷軍に捕らえられて斬首され殉職しました。

大分縣護國神社は、地元出身の戦死者、殉死者を祀る神社ですが、
西南戦争で全国から兵や警察官が出征してきたことにより、
その神霊は東北など他の地域の出身者が多く含まれています。
とはいえ豊後の防備を目的として派遣され戦死したわけですから、
大分を守って戦死した事になり、その本質から外れたものではありませんね。


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