宮崎県延岡市 延岡城跡

June 17 [Mon], 2019, 7:00
延岡城は江戸時代最初期に高橋元種によって築城された平山城。
元種は関ヶ原の戦いの前哨戦である大垣城の戦いで西軍として篭城しますが、
水野勝成に内応した兄秋月種長に従って降伏。所領を安堵されています。

延岡城ははじめ縣城と呼ばれ、縣藩5万石の藩庁となっていましたが、
千姫事件の煽りを受けて元種は改易となり、幕府領を経て有馬直純が入封。
この有馬家の時代に縣から延岡に改名されたようで、
以後は延岡城および延岡藩となっています。

有馬家延岡藩3代藩主有馬清純の時代に、
重税に耐えかねた領民1400余名が逃亡する事件が発生。
清純はこの件の責で転封となり、譜代大名三浦明敬の入封を経て、
三河吉田藩より牧野成央が8万石で入封して2代続き、
磐城平藩より内藤政樹が7万石で入り、以後藩主家が定着しました。


北大手門」。
平成5年に復元された北大手門。
延岡城は城山公園として整備されていますが、
復元された木造建築物はこの北大手門のみです。


内藤家墓所」。
北大手門脇には、延岡藩主内藤家の歴代墓所があります。
内藤家の墓所は城下の三福寺にありましたが、
五ヶ瀬川の河川改修に伴いここに移されました。
城と藩主家墓地の両方を訪問したい僕としては好都合ですが、
残念ながら内部は非公開。
とはいえ、内部を拝見できる方法があるのですが・・・。


千人殺し」。
延岡城といえばこれ。
敵に攻められた際には、ある特定の石をはずすと全て崩れ落ち、
千人を殺す事ができるとされる石垣。
この石垣を崩したからって、千人を殺せはしないと思いますが、
仮にこの石垣を崩せば、大手門の坂を転がり落ちるでしょうから、
その坂に千人以上が押し寄せていれば、不可能ではないかも?
たしかに近世城郭にしては、城門が虎口となっていないので、
石を転がす事を前提にしているのかもしれませんね。

千人殺しの石垣に沿って本丸へ。

二階門櫓跡」。
本丸への城門で、ここに二階櫓門が建てられていたとされます。


本丸跡」。
本丸はそこまで広くは無いようです。
多分御殿は本丸ではなく、二ノ丸にあったのではないでしょうか?。
ちなみに二ノ丸跡の写真は撮り忘れましたが、ただの広場でした。


内藤政挙公」像。
最後の延岡藩主内藤政挙の銅像。
廃藩置県後、諸藩の藩主家は東京に移住して華族となり、
そのまま定住していますが、政挙は延岡に戻ってきて、
西南戦争延岡大火などからの復興に尽力しています。
各学校の設立や電力事業、工場誘致などに貢献し、
延岡市の経済的基礎を築きました。


天守台跡」。
本丸奥の山頂は天守台跡とされていますが、
一般的な天守閣の建てられていたような天守台ではありません。


鐘撞堂」。
天守台には鐘撞堂が設置され、明治11年より市民に時を知らせていたようです。
現在も毎日6時8時10時12時15時17時の計6回鐘が鳴らされており、
訪問時も鐘が撞かれて心地よい響きを聞かせてくれました。
明治初年には太鼓櫓が天守台に建てられていたようで、
以前は鐘ではなく太鼓で時を知らせています。


三階櫓跡」。
天守台跡の裏手(東側)には、天守の役割を持つ三階櫓が建てられていました。
現在は石垣のみが残されており、「後藤勇吉之碑」が建てられています。
後藤は日本の航空黎明期の民間パイロットで、
日本一周飛行などを成し遂げた飛行冒険家でした。
昭和3年、一三式艦上攻撃機で飛行中の事故で墜落して死去。


内藤家墓所内部」。
さきほど藩主墓所内部を拝見できる方法があると云いましたが、
石垣上より見下ろすと、内藤家墓所が見渡せます。
すでに移転した墓所を非公開にしている意味がわかりませんが・・。

延岡藩7代藩主内藤政義彦根藩井伊直弼の異母弟で、
6代藩主内藤政順の正室は直弼の姉と、彦根藩と関わりが深く、
井伊直弼が彦根藩主に就任する以前、
延岡藩主への養子縁組の為に政義と共に江戸に向い、
結果的に政義が選ばれて直弼は彦根に帰っています。
仮に直弼が選ばれていれば、歴史は変わっていたかもしれませんね。

政義は桜田門外の変の2年後に隠居。
家督を当時11歳養嫡子政挙に譲っています。
延岡藩は譜代大名として幕府に従い、東禅寺警護長州征伐への参加、
鳥羽伏見の戦いへの参戦を行っており、朝敵となってしまいますが、
佐賀藩の取り成しを受けて許されました。

西南戦争では、延岡藩出身の旧士族の多くが延岡隊として参加。
士族・農民合わせて1400余名が西郷軍に合流しています。
西郷軍最後の組織的戦闘が延岡で行われ(西郷隆盛が唯一直接指揮を行う)、
これに敗れた西郷軍は軍を解散。延岡隊は新政府軍に降伏しています。


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HP「ぬしと朝寝がしてみたい」のオフィシャルブログです。 下関を拠点に史跡をまわったり、幕末・維新に係る記事を書いたりします。
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