モルッカ諸島産彩色魚類図譜

2008年11月23日(日) 15時03分




"Poissons, ecrevisses et crabes, de diverses couleurs et figures extraordinaires, que l'on trouve autour des isles Moluques et sur les coes des terres australes" (1719) より

Rare Natural History Book by Renard (1719年刊)
Rare Natural History Book by Renard (1754年刊)

ずっとまえにオーストラリア国立図書館のオンラインエキジビジョンから紹介したことがありますが(いちおう過去記事にリンク)、あれは抜粋でちょっと食い足りないところがありました。でも今度のはフルテキスト、全部のプレートを閲覧できますよ!このブログを始めた頃と較べてもデジタルライブラリーはどんどん充実してきてるね。

あらためて説明します。『モルッカ諸島産彩色魚類図譜』(原題はもっと長ったらしい。日本語に直すと「モルッカ諸島と南方の海岸で発見されたさまざまな色彩とおどろくべき形態の魚類、エビ類、カニ類」)はオランダの出版業者ルイ・ルナール(Loius Renard)が編んだ魚類図譜です。

もとは18世紀はじめにオランダ領東インド(現在のインドネシア)のアンボイナに駐在していたサミュエル・ファロアーズ(Samuel Fallours)が描いたもの。素人画家だったファロアーズは東インド会社に雇われて、現地の魚介類を集めて絵を描いたり、食用に適するか否かぱくぱく食べて試したりしてました。で、図に短評を添えてアンボイナ州の商館長に提出していたのですが、それがめぐりめぐってルナールの手に渡ったというわけ。本にはファロアーズの名前も出てきてはいるんだけど、表にでかでかとクレジットされているのがルナールだけなのはちょっと切ないです。


ファロアーズの図がどれだけ正確かってことなんですが、こんなのがあるとこから推して知るべし・・・と言いたいところだけど、がんばれば半分ぐらいは種を同定できるようです。これを「半分も」と感じるか「半分しか」と感じるかは人それぞれでしょう。わたしはダメダメだと思う。ただそれだけ特定できるってことから、大部分が現実に根ざしているからこそ、この突拍子もない図譜は楽しいのだと改めて感じます。・・・ちなみにこの人魚は長さ59インチ(約150センチ、絵の印象よりちっちゃいね)で、桶に入れて四日間生きていたとあります。ネズミみたいにチュウチュウ鳴いてたんだって。
  • URL:https://yaplog.jp/seaeels/archive/721
コメント
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HN未定
シンクロニシティでしょうか。(笑)
どういたしまして、というのもなんかへんな気がするけど、どういたしまして。この図版いいですよね〜。ファロアーズの絵が半端にうまいのが魅力を高めてるかんじ。
2008年11月25日(火) 22時50分
こるじせぷす
つい最近、洋書バーゲンなんてやってて、
この1754年のものの一部が、イラストカット集として売っていたんです。
まさかここでまた出逢えるとはおもってもみませんでした!

この妙な魚介類の色とデザインにぐぐっときてたんです
ちょいと出所がわかってうれしい♪ありがとう。
2008年11月24日(月) 21時12分