【劇場レポ】TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 〜後編〜

March 16 [Mon], 2015, 19:30
引き続きTOHOシネマズ六本木ヒルズの劇場レポです。
前半の座席レポが思いのほか長くなってしまったのでちょっと巻きめで、後半はTCXスクリーンや音響周りの事をレポしたいと思います。

まずはスクリーンからですかねぇ…
と、少しテンション低めなのにはワケがありまして、実は僕が最も期待していたのはスクリーン7のTCX化なのですが、そもそもTCXってなんぞや?といいますと、TOHO CINEMAS EXTRA LARGE SCREENの略称で、まあTOHOシネマズが自信を持ってお届けする超大型スクリーンの総称なのです。

六本木のスクリーン7は元々が横20.2m/縦8.4mという、都内という条件ではユナイテッド・シネマ豊洲のスクリーン10(横22.6m/縦9.3m)に次ぐ大きさ自慢のスクリーンでした。それが今回のリニューアルでTCX化されるよ!と言われたらそりゃあもっと大きくなって帰ってくるんじゃないかと誰もが思ったはずなのですが、前半のレポの写真でもちっさく写っているシアター入口の座席表の写真をもう少し寄りで撮ったこちらをご覧頂いて、



下の方、そう下の方に、SCREEN SIZE: W20.2 x H8.5と書かれていますよね…?確かですよね…!?!?

そう、実は改装前とほぼ同じサイズなんです!!!!

シアター入口のプレートを見た時、あれ?まさかこれ変わってないの!?!?とスクリーンを目にする前から違った意味で驚かされました。そしてシアター内に入り、最後列から撮ったのがこちら↓



六本木はそれでもやはり十分すぎる大きさです。そもそもTCXを冠する定義が“同規模の座席数シアターよりも約120%拡大”というあやふやなもので、厳密に横幅や縦幅が何m以上という定義はなく、10年以上前から稼働していた六本木のスクリーンが前述の通り都内では1、2位を争う巨大サイズだった為、後から立ち上がった他のTOHOサイトがこれを下回るサイズであっても“TCX”と冠されている矛盾があったわけで、映画館好きの間では新しいTCXが出来る度にここ六本木のスクリーン7が比較の対象になっていたほどなのです。

では、六本木のTCX化はサイズを変更せず、単にTCXと冠しただけの手抜きなのか?というと実はそうでもなく、以前は644席あった座席がリニューアル後は531席に減っています。ここで資料を一つ。スクリーンのリニューアル前後の座席表の比較です↓



見て頂くと印象的にはプレミアなんちゃらが設置された影響も大きいのですが、一般席も全面的な張替えと同時に前方1列分と後方サイド付近などが削られた結果、実に113席(小さめのシアターであれば1つ分!!)もの座席が減っているとなると、“同規模の座席数シアターよりも約120%拡大”という定義をスクリーンの大きさは変えずに座席を減らすという逆転の発想で実現したとも言えなくもないので、僕のようにスクリーンの巨大化を期待していた人にとっては多少残念な気持ちが残るかもしれませんが、元々が申し分ない大きさのスクリーンですので、むしろ前は客席が多すぎたんだな、と思う他ありませんね。



また細かい事なのですが、僕がこれまで見てきた他サイトのTCXでの分かりやすい特徴がスクリーンが湾曲している点です。これは明らかにIMAXのパクリ影響を受けているところですが、↑の写真の通り、六本木も湾曲型だったので、リニューアル前と全く同じではなく、同等サイズの湾曲型スクリーンに張り替えられたと考えられます(六本木にはあまり行かないので断言は出来ませんが)。

そして公式が謳うTCXのもう1つの定義に“Wall-to-Wall(左右の壁から壁まで)の壁一面に広がったスクリーン”というものがあるのですが、



↑は船橋のTCXシアターの写真です。ご覧の通りシアターの端から端までスクリーンになっているので仮に一番端の席に座ったとしても正面はスクリーンの枠内に収まるということになるのですが、残念ながら六本木は新規立ち上げの劇場ではなく改装のため、先ほどの劇場後方から撮影した写真で僕の立ち位置がスクリーンの枠外に大きく飛び出しているように、後ろがワイドに広がっている劇場構造上、少し意味合いが薄れてしまったかな?と思わざるをえません。


そして最後になりますが、次は音響周りのレポを。



写真は使い回しで恐縮ですがレポの前半で触れた緑色に光っているスピーカーの件、これがまた大きな特徴でして、ドルビーアトモスという最新の音響効果に対応したシアターのスピーカーはこの様に上映前は緑に光って存在感をアピりまくっています。アトモスとは何なのか簡単にいいますと、天井にもスピーカーがあって上から音が降ってくる!という事に尽きると思います。



この様に天井に配置されたスピーカーから雨や雷、飛行機やヘリコプターと言った効果音が頭上で鳴り響くというと想像しやすいかと。ドルビーアトモス対応シアターは全国に続々と登場しており、同じTOHO系列の船橋、日本橋でも緑色に光っていましたが、平和島のシネマサンシャインは青く光っていたので装飾はチェーンにより異なるようです。もちろん通常の5.1ch上映も可能なので、もし映画館を訪れた際にスピーカーが光っていたらアトモス対応の劇場なのかな?くらいに気に留めておいて下さい。

今回鑑賞した「イントゥ・ザ・ウッズ」はアトモス上映ではなかったためその効果は未確認。最近のディズニー配給作品はアトモス制作が多かったのでこれはちょっと意外でした。ちなみにTOHOシネマズ日本橋と同様にアトモス上映に限り鑑賞料プラス200円かかります。


次にヴィヴ・オーディオと呼ばれるものですが、六本木的にはアトモスよりも日本初となるこっちを強く推したいところでしょう。これはリボンドライバー方式と呼ばれる……とまぁ御託は色々あるんでしょうが、とにかくプロも喜ぶ高品位サウンドを出せるスピーカーを採用したよ!と。んでそのスピーカーをラインアレイ(縦に並べる)方式で設置したら音場の指向性めっちゃ上がるからアトモス上映に最適ですよ!との事です。リボンドライバー方式のスピーカーを映画館に採用したのは日本ではここが初めてとのこと。更にサイドスピーカーをよく見てみると…



何やら4連に連なっていています!これがラインアレイ方式で緑色も手伝いえんどう豆の様なスピーカーですね。緩やかにカーブしているので広範囲の角度に音を放出する事で指向性を高めている、と考えられます。

さて、再び船橋TCXの写真ですが↓



同じドルビーアトモス用のスピーカー配列ですが、緑色に光る天井のスピーカーや壁の青い部分に取り付けられたスピーカーの形状が六本木と違っているのは明白ですし、ラインアレイ方式はより高度な音場を創生できそうですね!



えんどう豆にもっと近づいて見ると…サイバーな感じでカッコいい!ちなみに「イントゥ・ザ・ウッズ」は5.1ch(もしかしたら7.1ch?)上映だったので指向性に関する真価はとりあえず棚上げ。但し本体であるリボンドライバー方式スピーカーの音質は、ずっしりとして芯の太い感じで、明瞭感もあり聞こえも良く、音量は大きめで(最前列だったのでフロントスピーカーに近いという事もありますが)そのくせ音割れもしない安定感は素晴らしいと思いました!

どことは言いませんが、たま〜にド派手な効果音の時は誤魔化されてるけど、エンドロールでロック系の曲が流れるとアレ?っと思うくらい薄っぺらい音に感じたりして、もうちょいスピーカーにお金かけてよ…と思うシアターもありますが、ここの音質は非常に良かったと思います。

このヴィヴ・オーディオですが、今後は4月オープンのTOHOシネマズ新宿、109シネマズ二子玉川に相次いで導入されるとの事で、これから体験者もグンと増えていくのではないかと思います。ちなみに109シネマズ二子玉川はIMAXを除く全スクリーンがヴィヴ・オーディオと4Kプロジェクターを採用すると発表していますので、鑑賞環境としては非常に優秀なシネコンになりそうです。



またヴィヴ・オーディオの特徴の1つであるラインアレイ方式は↑の様に東京ディズニーシーのミッキー広場(ショー等をやっている入江)にも採用され、今月2日から稼働が開始されたようです。ショー音楽の指向性や音質などが劇的に向上したとの情報もあるので、多方面でこの方式が今後の潮流になっていくかもしれません。


最後にオマケとして、リニューアル前にあった2FのVIP席(このシートは正真正銘のVIP席で一般的には販売されていません)はどうなったのかというと…



この通り、しっかり残っていました!

しかし見て下さい!VIP席の柵の周りに変則的に配置されたスピーカーを!これではVIP席はおろか、その下の座席に最適な音響効果が提供されているのか甚だ疑問ですし、ここまで最良のシステム導入しているのだからこそ厳し目な意見も出てくるというもの。



非常にシビアな音響厨にとっては基本2Fは害悪という考えが一般的なので、いつ誰がどの程度利用しているのか分かりませんがリニューアルついでに2Fは取っ払った方が良かったのでは…?と思う一般人なのでした。

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というわけで、今回のリニューアルで僕が六本木へ足を運ぶ回数が増えるのか…?と言われれば、これまでと差して変わらないんじゃないかと思います。ヴィヴオーディオに魅力は感じられましたが、来月には新宿、二子玉川が相次いでオープンしますし、そのどちらもがリニューアルではなく新規立ち上げの劇場なので、六本木で少し不足気味に感じられたポイントがカバーされ、より完璧に近い映画館として完成するのではないか思います。

TOHOシネマズ六本木ヒルズのレポは以上です!長々とお読み頂きましてありがとうございました。
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