今年の金蛇と来年のこと

October 28 [Tue], 2008, 16:08
さっき現の日記をみたら、来年の公演のこと、今年の『金蛇』について、大きな不評をいただいたことについても書いてあった。
じつは、ここ数日、あたしもそのことを考えながら、気持ちを整理できずにいたのだった。

来年は東京公演をする。これは決定です。
昨日は、吉祥寺の井の頭公園に下見に行ってきました。
東京の公園は、その使用についての考え方が表現者にそっていて驚くばかり。説明やお話のはしばしに、野外劇を応援したいという気持ちが感じられて、本当に嬉しかった。
手続きは、大阪よりも厳しく、経費もかかるけれど、これはぜひやらせていただくべきタイミングに出会ったのだと意を強くしました。

そして、今年の『金蛇』についていただいたご意見で、来年の『金蛇』は、さらに新しく生まれ変わる様相になってきました。
勝手ながら、あたしは、同じ作品を毎年改訂していくのは、これ以上は難しいのではないかと思うし、いっそ原点にかえるつもりで初演を東京にもっていくのはどうだと思ったりもしたけれど、現のブログを読んでいて、そういうテクニカルな問題ではなく、よりリスクの高い方向に向かっていくべきだと思い至りました。

あたしは、ただ、できた本に沿って、演じるのみだ。
そして、芝居を立ち上げていく。
数年前までは、公演が終わるごとに、反省期間を設けていたのだけど。数年前から反省するのをやめた。終わったことをひっくりかえしてみても、なんにも始まらないと思ったから。次に向かって進んでいくことで、反省すべきことは自然に、より明確にわかってくる。立ち止まってあれやこれや考えるはじめると、未来へのパワーをそいでしまう。未来があるからこそ、過去が生きる。

東京の井の頭公園の事務局の方が、野外芝居は大変でしょう。食ってけないもんね。だからできる限り応援しようと思うんですよ、と言われました。
食ってけないでしょうという言葉に、思わず苦笑してしまいましたが。野外芝居に限らず、あたしたちのような立場で芝居をやるということは、腹をくくってやる。ただそれだけ。そういう世界です。
だから、あたしはあたしに言います。やるなら腹をくくれ。そして、できる限り向上しろ。
純なタマシイで芝居を作れ。

制作の話ばかりになってしまうけど。
毎年、公演をうつには、ひとくちでは語れないほどたくさんの仕事がある。
役者をやりながら制作をするのは無理だろうという意見もあるし、やるべきではないという意見もある。けれども、それはあたしの意思とは関係なく、楽市楽座にいるかぎりついてまわることで、働きながら芝居をしているときも、今も、それはずっと同じ。
時には気持ちが萎えそうになったこともあるけれど。
一本の芝居を立ち上げていく大変さを知れば知るほど、逆に熱っぽい思いも生まれてくる。
舞台で演じるだけが芝居じゃない。作っていく過程すべてが芝居。

今年の制作について振り返ってみると、成功したとは言えない部分もあるし、成功したと言いきれるところもある。
実現できなかったこともあり、申し訳ないと思う気持ちも多分にある。
助けてもらったまわりの方々への感謝の気持ちのほうが強かったけれど、制作の立場としては、負の部分にこそ、向き合わなければいけないと、あらためて思う。

来年の東京公演は、また制作の仕事から始まっていく。
至らぬ力で、どれだけのことができるのかと思うけれども、今年くくった腹を、もういっぺんくくりなおして、やれるだけのことをやっていこうと思う。

役者としては、今回は体力的にギリギリだった。
公演二日目の朝に、声の調子もあり、病院にかけこんだときに、どっと疲れが襲ってきて、待合で知らない間に寝てしまった。一時間ほどかけて点滴を打ってもらっている間も夢の中。目が覚めて、ああ、現場に戻りたくないと思った。そんなことを思ったのは、芝居人生の中でも初めてで、そう思ってしまった自分にびっくりした。
午後、小屋入りしてみれば、そんな気持ちは吹き飛んだけど、薬を飲み、本番前にドリンク剤を飲み、幕間にバナナを食べたりして、なんとかかんとかやりきった公演でした。
とにかく毎日が必死で過ぎたもんだから、いまだに、今年の本番はほんとにやったのか、と思うほど。
本番前に忙しくなりすぎたことは、制作の立場から解消していかねば、と思うけど、その反面、忙しさとともにテンションがあがったことも確か。現場の忙しさはつきものだから、これも乗り越えていかねば、楽市の役者だと、胸をはって言えないかもしれない。

なんだか、いまやっと、今年の金蛇が終わったのだという実感が湧いてきて、なにやらいろいろと長く書き連ねてしまいました。
ほとんど個人的なことなので、書くべきではないかもしれない、と思う部分もあったのですが、書いたおかげで整理がつきました。
あとは、来月のライブや、来年のことを進めていきながら、じっくりと味わっていこうと思います。
  • URL:https://yaplog.jp/sanokiri/archive/380
Comment
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー 絵文字 プレビューON/OFF

不正な自動コメント投稿を防ぐため、チェックボックスにチェックをしてください。

利用規約に同意
 X 
禁止事項とご注意
※本名・メールアドレス・住所・電話番号など、個人が特定できる情報の入力は行わないでください。
「ヤプログ!利用規約 第9条 禁止事項」に該当するコメントは禁止します。
「ヤプログ!利用規約」に同意の上、コメントを送信してください。
2008年10月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
アイコン画像仙台織姫
» 2018年11月01日のつぶやき (2018年11月02日)
アイコン画像成一
» 熊本公演楽日! (2017年11月01日)
アイコン画像ちーちゃん
» 広島公演3日目! (2017年10月01日)
アイコン画像☆織姫☆
» 高知新聞に楽市楽座の本の記事が掲載された! (2017年09月08日)
アイコン画像キリコ
» 酒田市に着いた! (2017年06月29日)
アイコン画像☆織姫☆
» 酒田市に着いた! (2017年06月29日)
アイコン画像霧子
» 仙台は今夜まで (2017年06月28日)
アイコン画像☆織姫☆
» 仙台は今夜まで (2017年06月28日)
アイコン画像キリコ
» 仙台公演初日!賑わった! (2017年06月26日)
アイコン画像☆織姫☆
» 仙台公演初日!賑わった! (2017年06月26日)
Yapme!一覧
読者になる
P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:佐野キリコ
  • アイコン画像 誕生日:1967年3月23日
読者になる
野外劇団 楽市楽座 副座長。
2010年より、一家三人、投げ銭の野外劇で全国旅公演を開始。
以来、毎年北は北海道から南は沖縄まで、屋根なし壁なしの野外円形劇場を各地に設置して上演を続けている。

1999年に楽市楽座入団。以降、看板女優として活躍。制作や衣裳も担当。
2005年楽市楽座『肉月』金魚姫役で、飛田演劇賞女優賞を受賞。以降、楽市楽座の定番演目となった『金魚姫と蛇ダンディー』で、金魚姫を演じ続け、パワフルな演技と歌唱力で観客を魅了。
劇団活動のかたわら、個人プロデュースで元惑星ピスタチオの西田シャトナーと組んだり、自作自演で短編芝居の上演等、独自の活動もしてきた。
得意は声楽。飛鳥流にて日本舞踊も修行(約2年)。
旅公演を開始以降、2012年より独学でヴァイオリンを始める。2014年よりアコーディオンも加え、劇中で演奏。
月別アーカイブ
https://yaplog.jp/sanokiri/index1_0.rdf