エコール

November 09 [Thu], 2006, 22:57
Innocence

「エコール」とは、フランス語で「学校」のこと。原題はinnocence、つまり無垢とか純粋とか。

深い森にひっそりと囲まれた「エコール」に集う少女たちの姿を切り取ったイメージ・フィルム。棺に入れられた少女たちが、この学校へやって来る。
彼女たちは何処から来るのか?

なんて疑問は無意味とばかり、棺、暗い地下道、蝶、色違いのリボン、謎めいた秘密のステージ、そして水。様々なイメージが散りばめられ、フェアリーテイルな世界を形成する。説明は一切ナシ。

女の子だけの学校だなんて、ガーリーな世界といっても、甘さとは無縁だったり。官能的といってもいいほど、少しぞっとする、怖いくらいの感覚が支配する。
彼女たちの描写を見ていると、「イノセンス」が意味するのはもっとずっと野性的で、本能のまま、という感じ。ごく自然の状態なのだ。誰もがそのホントの意味を知らないのでは?とでも言わんばかり。
好奇心、嫉妬、願望。ここでは誰もが自分の感情に正直なのである。

棺で運ばれ、この場所にやって来た少女イリス。
パツキンお人形ちゃんを想像していたら、どっこいアジア系(と思われる)。新しい世界に迎えられた彼女が次第にこの環境に染められていくさまと同時に、やがて学校を出て行く年齢に達した、イリスが慕う年長のビアンカに焦点が当てられていく。ビアンカちゃん、既にして大人っぽい、アンニュイな眼差しの美少女。イリスとビアンカの相違は明確。

少女たちは外に出ることを禁じられ、脱走を試みた者には悲しい結末が待っている。まるで罰を受けるかのように。
学校を「卒業」するのは、変化が訪れる時。蝶の羽根をつけてバレエを踊る彼女たちに、蛹が蝶に孵るとき、というようなイメージが重なるけれど、単純に身体的な変化だけではなく、閉ざされた、守られた世界から踏み出す第一歩。生身の本能から切り離される。

実際、外の世界に踏み出したビアンカは、早くもその世界に順応するかのような姿を見せる。
自然の状態から、少しずつ順応性を身に着けさせる過程(飼育?)がこの森の学校なのかなー。
ところで、学校には大人の女性たちもいる。彼女らは教師であり、既に年老いた老女の姿も。永遠に足止めされて閉じ込められているのか、それともそこから出て行けずにその場に留まっているのか。

深い緑の森に差し込む光、小道に連なる街灯、雪景色が陰影のある美しさ。
全身白でコーディネートされた制服(特に冬のコート&マフラー)が可愛い♪

象徴的なお話なので、色々と解釈は可能なのかもしれないけれど、とりあえず深く考えなくても、その神秘的でおとぎ話のような雰囲気に身をゆだねて浸るのも良いかと。

孤立した世界で守られた少女たちが降りてくる。
そしてまた、自然はサイクルし、新たな棺が運び込まれるのでありました。
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