ローマ法王の休日

September 15 [Sat], 2012, 20:24
Habemus Papam

ローマが舞台の「休日」の主人公は、某国王女ではなくローマ法皇でした。

ローマ法皇を選出するコンクラーベを背景に、逃走する新法皇の迷走をコミカルに描いた私小説的寓話。
誰もが知るカトリックの総本山、バチカン市国のサンピエトロ大聖堂。
全世界の信者が敬うローマ教皇は「コンクラーベ」と呼ばれる選挙で行われる。そして選出された新教皇は何よりの名誉・・・のはずが、候補者の心の声は皆揃って真逆、という光景で始まる、(もし実際に起こったら)世紀の脱走劇。
ナンニ・モレッティの作品を観るのは、思えば初でした。(たぶん)
淡々とした(なのか?)ユーモラスさで誰でも平凡なひとりの人間、な姿を描写する。
この邦題からするとやっぱり『ローマの休日』みたいなものを期待してしまうと思うので、そういう意味ではちょっと違うかな…。

映画は新法皇に選ばれてナーヴァスなメルヴィルの混乱ぶりと逃走劇と同時に、終了するまで関係者は一切外に出ることも許されず、完全秘密主義のコンクラーベの裏側を並行して描いていく。
いつもは観光客で溢れかえるバチカン内のシスティーナ礼拝堂を贅沢にロケに使い、新しい法皇を選出するコンクラーベの映画内再現は意外にもコミカル、かつ興味深い。なんせ皆「自分が選ばれませんように…」と祈っているわけですから。
そんな中、当初は全く名前のあがらなかったメルヴィルが急に登場したのは、なにか政治的な力が働いたのですか?
ミシェル・ピコリは疑うことなき名優だけれど、法皇に選ばれるのには荷が重そうな平凡さが滲み出ているのがさすが。

かくして選ばれたダークホースのメルヴィル氏、全く心の準備が出来ておりません。
その挙動不審振りからカウンセラーを急遽バチカンに招聘。でも明確なカウンセリングなどできるはずもなく、ついにメルヴィルはローマの町にふらふらと彷徨い出てしまう。
コンクラーベは新法皇不在で凍結状態、関係者はバチカンから出ることができない。そんな中、意外にものほほんと過ごす枢機卿たち。抑揚のない描写はコメディタッチではあるものの、心なしかリアルな意味での休日の休息感にも似ている。

「休日」はバチカン内にも訪れていた?しかしメルヴィルが束の間の休息(現実逃避)の日々を過ごす、そのタイムリミットも近づいている。
若いころは役者になりたかったというメルヴィルが、初めて迎えるお芝居ではない、台本の台詞でもない、自分自身の人生の大舞台は、どんな幕切れを迎えるのか?
  • URL:https://yaplog.jp/sally-c/archive/516
☆Message☆
イギリス旅行記、更新中♪
♪Profile♪
name:sally
映画とロックを愛する年中モラトリアム人間のつぶやき。
好きなもの:映画のジャンルは青春もの。UK、NY、旅行、海外ドラマ、演劇、ファッションetc
気まぐれに綴る映画日記&えとせとらです。
2012年09月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
メールフォーム

TITLE


MESSAGE

P R
https://yaplog.jp/sally-c/index1_0.rdf
★えいがにっき(2013)★
☆えいがにっき(2012)☆