きっと、ここが帰る場所

July 22 [Sun], 2012, 23:24
This Must be the Place

かつてのロックスターが長年疎遠だった父の死をきっかけにアメリカに戻り、小さな町を渡り歩く旅に出る。

雲の上を漂うかのような、アメリカの原風景が印象的な、詩的なムードが漂うロードムービー。

かつてのヴィム・ヴェンダース系とでもいいましょうか、人の心の旅路が詩的な感覚が炙り出される、淡々としてるしそう面白味もないのだけれど(←)何故か心惹かれるロードムービー。
今も昔もロードムービーに魅力があるのは、そこに主人公だけではない、人生が重ねて見えるからだと思う。それも極めてシンプルな、誰もが感じる人生への渇望とでもいうべきもの。非日常的であるからこそ、何気ない光景や出会う人々の言葉が心に残る。

まあそれ以前に、この作品ではショーン・ペンが演じる過去のロックスター像が強烈過ぎてまず目を奪われてしまいますけれども。汗
見た目キュアーのロバート・スミスな、アイルランド在住のシャイアン。かつては陰鬱な詩を書き一世を風靡したが、現在は隠居生活の身。とはいっても優雅な邸宅に妻とふたり、仲睦まじく暮らしている。
ショーン・ペンのなりきり演技はさすがで、メイクもあるとはいえ普段の面影が全くないのに驚き。ふにゃふにゃした話し方に独特のいらっとくる(←)含み笑い、いかにも繊細な文学青年の中年化といった風情。ただ何気に毒っ気というか皮肉屋でもあるのが面白い。
そんで妻役が男顔のフランシス・マクドーマンドなもんだから、この夫婦のまるで男女入れ替えたような佇まいが何とも・・・フランシスは化粧っ気もないし、タフな消防士そのもの。汗
こんな男っぽかったでしたっけ?

・・・ていうか、本筋に入る前の、前置き長くない?と思ったのは私だけ?
アメリカに渡る前にだいぶ時間を使ってたような気がするんですが・・・。まあそれでシャイアンの背景を描く、ということだったのかもしれないけど。でも舞台が変わることもあって良い対比にはなっていましたね。傍目には生活に困ることもなく、若いバンドからアプローチも受けたりして、悠々自適に見える元ロックスターが、疎遠だった父の想いを遂げようと旅に出る、それは一見唐突な行動のようにも思える。

彼は厭世的でいながら、いつも生死の意味に囚われ続けて生きてきたのかもしれない。昔のままの姿で居続けるのも、ある時点から先に進めないものを抱えていたからかもしれない。
預かった高級車に乗り、でもその高級車は燃え尽きる。手がかりを追ってアメリカのごく小さな町を巡り続ける。いつかは終わりが来るはずの、でも終わりのないような旅。
ロードムービーの基本は心の浄化の過程であるからして、数々の美しい、でもどこかに取り残されたような寂寥感漂う光景を強烈に観る者の心に焼き付ける。
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