J・エドガー

April 02 [Mon], 2012, 21:18
J Edgar

米国のFBI(連邦捜査局)初代長官として8人の大統領に仕えたJ・エドガー・フーバーの人生を斬新なアプローチで描いた伝記映画。

老いてなお長官を務めるフーバー自身が手記のために語る、自らの生きざまとは?

数多くの映画やドラマでも登場する、FBIの初代長官であり、「機密ファイル」により歴代の大統領たちさえも掌握していたというJ・エドガー・フーバー。政治家も君主でもなく、それでも一種の権力者であり続けた人物・・・といっても、日本人にとっては馴染みの薄い人物。私もお名前を聞いたことがあるようなないような・・・?(←たぶんないと思われ)
クリント・イーストウッド監督作だけに、単なる硬派な伝記映画に収まらない、重厚かつミステリアスな作品でした。ただフーバーの姿を通して人間の暗部を赤裸々に描いているので、気分の良い作品とは言えないですね。汗

それにしても・・・年々ディカプリオが苦手になってゆく私は、そこをクリアするのにまず必死です。笑
今作品では非常にリアルな驚きの老けメイク姿を披露。既に老人の域に達しつつも、なお長官の位置につくフーバーが人生を振り返りながら語り、それをライターが記録に残している・・・という構成。つまり当時の現代と過去が交互に登場するわけです。
それが単なる過去語り、ではないのが次第に明らかになる、この作品の中核なんですね。彼が語るのは、「そうあるべきだった」過去なのだ。ただどこまでが彼の作り上げた話なのかは、なかなか判別がつかない。

映画で描かれるJ・エドガーは決して大きな人物ではない。ただ人間のずるさや弱さを身を持って知っていて、そこにつけこんで力を得てゆく。
プライドだけは高くて、実は小心者の自分をごまかすために厳格であり、人を攻撃する。何だか常にバリアを張り巡らしつつ、必死にあがいている、そんなイメージ。なんかマジで憎たらしくみえるのはディカプリオの演技の賜物なんですか?(誰に聞いている)
そんな彼の心の中には息子を溺愛する母親の強大な影があった・・・というわけで、ジュディ・デンチ母さんがさすがの迫力で怖いっす。
生涯独身で母とずっと暮らしていたというフーバー。
「女々しい息子ならいらない」と言い放つ、暗く重い母性。母親なら皆息子に理想を求めるはずだけれど、その理想に適うことがないと、もし自分だけが気づいていたら・・・。

ベーシックなテーマでもある権力者の孤独、ではなく、逆に孤独を埋めるために権力を求める、形の違いはあっても、それもまた人間のひとつの真実だと思う。だからこそ徹底的に人の弱みを握る姿。
そんなフーバーが唯一心を許していた副官のクライド・トルソンとの関係を、面接のとき「自分にとってかけがえのない人間だということがすぐに分かった」(ニュアンスです)から汗をかいていた、と本音を語るシーンは素朴な感情を吐露した数少ないシーンとして印象に残る。
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