ペルセポリス

February 03 [Sun], 2008, 23:42
Persepolis

激動のイランに生まれ育ったユニークな少女マルジの成長日記。監督自身の半生をユーモアとロック魂で綴る長編アニメーション。

イランの歴史的背景や生活ぶりを興味深く観る一方で、どんな時も自分らしさを忘れない少女の姿が世代や国を超えた普遍的なドラマとして立ち上がってくる。
ずっと観たいと思ってたんだけど、やっと滑り込みで観てきました。
何でもカンヌ映画祭でアニメーションとして初めて審査員賞を受賞した作品だとか。まあ、そういうのはどうでもいいんだけど・・・。
映画の日とはいえ、意外にも?ほぼ満席の盛況ぶりでちょっとびっくり。

これ、映像の斬新さで見せるアニメでは全くないのだよね。
線くっきりの、のっぺりしたキャラクター造形とあくまで平面的なマンガ感覚(グラフィック・ノベルの映画化らしいけど)。で、基本カラーもなくモノクロ。マンガチックなキャラクターに対して点描画のような背景。
と、技術的云々という意味ではひじょーに地味なのかもしれない。アニメならではの思わず笑ってしまう、デフォルメされた描写は随所に見られるけど。

でも、そんなことは重要な問題じゃないんだなーと、個性的でチャーミングなマルジの物語に引き込まれていくうちに思ってしまう。
そう、この物語はマルジのもの。彼女のキャラクターはとてもユニークで魅力的なのだ。微笑ましくてキュートで頭も良く、シャープでユーモアのセンスもある。アイドルはブルース・リー、そしてロック好きってところに思いきり共感してしまったり(笑)パンクでアイアン・メイデンってのには若干違和感を覚えたけど(笑)
そしてイランという国で日本ではごく当たり前に思えることを口にするだけで身を危険にさらすことになる状況で、恐れずに意見するマルジ。こういうのってロック魂っていうんだろうなあ。たぶんね。
彼女はどんな悲惨な現実も悲惨なままで見ているだけではない。むしろユーモアで自分なりの色に染め上げるのだ。

ちなみに声のキャストもなかなか豪華。
アイ・オブ・ザ・タイガーを危なっかしいリズム感で唄ってしまったキアラ・マストロヤンニ&カトリーヌ・ドヌーヴ親子に、おばあちゃんは往年の美人女優、ダニエル・ダリューだそうで。

それにしても、マルジちゃんの家ってお金持ちなんですかね?
イラン人で10代のうちからウィーンに留学って、そうよくあることにも思えないんだけど・・・。気丈な母に優しい父、そしてマルジにいちばん似てそうな反骨心溢れるおばあちゃん。
大好きな家族に囲まれたお転婆な少女時代、様々な経験に出会い、大人への階段を登るウィーン留学時代。しかしマルジの男運の悪さは相当なものですねー。初恋の彼はゲイに目覚め、次の彼には裏切られ、イランに戻ってから若気の至りで結婚した夫とも上手くいかず。
ここで可笑しかったのは恋しちゃって舞い上がってる時に見えた彼と裏切られた後の彼の見え方の違いを見せてくれたところ。うーん分かるよーって感じで笑ってしまった。恋してる時は何でもバラ色☆に見えちゃうものなんだよねー。

イランでどんなに厳しい風紀的な規制が敷かれているか、想像以上で驚くと同時に、どんなに抑圧された環境でもやっぱり女の子の思うことは世界共通なんだな。もっと言えば人として本能的に望むことというかね。
どんな状況であっても、お洒落も恋もしたいし、音楽も聴きたい。自分らしくありたい。
そんな当たり前のことでも当たり前ではない世界はどれだけあるのだろう。だけどほんの少しだけでも、マルジのようにいつも心に太陽をもっていたいよね。
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