アナザァ・ワールド No.2

September 09 [Thu], 2010, 17:37
第二話  謎と秘密と恐怖

赤と青の玉が、強い光を放って消えた。
とたんに、すごい頭痛がした。
「痛いかもしれないが、我慢してくれ」
もう、我慢を超えてしまうかもしれない。
「くっ・・・あ・・・・・・」
痛みは消えることも無くそれどころか痛みはますます強くなるばかりだ。
「・・・・さっと、終わらせるか」
クロルはため息をついて、私に向かって手を突き出した。
「『アドュー』」
「あぁぁっ・・・!!!」
一瞬、頭が割れそうなほどの痛みが走った。
しかし、少しずつ痛みはひいていった。
「自分の目が見えない」
「そんなの当たり前だろう」
すると、クロルが鏡を突き出した。
そこには、ルビーとサファイアの色の瞳が映っていた。
髪の色は柔らかい黄色に変色していた。
「ぜ・・・全然違う・・・・・・」
「それが、本当の姿、『ミウ・カノン』のな」
「ミウ・カノン・・・・私の本当の名前」
全体的に身体が軽く感じた。
「クロルのその姿は本当の姿?」
「あぁ、そうだ。服装は今、着ているのとは違うけどな」
自分の姿がいつもと違うから違和感がある。
こんなにすごい事があっていいのかと思う。
この事をミルカとルウトが知ったら、どう思うのか。
嫌われてしまうかもしれない。見捨てられるかもしれない。
不安が迫ってくる。
「あ!こんな時間!!私帰るから!」
「オイ!カノン、お前・・・・」
「何よ。早く言って」
「・・・・・・その姿で帰るのか・・・?」
「あ・・・・そうか・・・戻して」
「出来ない」
「は!?出来ないって・・・戻れないの!?」
クロルはうなずいた。
戻れなかったらどうしろって言うんだろうか。
学校にも行けない。これからどうすればいいのか。
「・・・家に来たら?」
「えぇ!?ち・・・ちょっと、何言ってるの!?あんたバカ!?」
クロルは変態か。
「いや・・・いやらしい意味で言ってる訳じゃないんだけど・・・」
「いやらしい意味じゃなかったら、何なのよ」
すると、クロルは少し悩んでこう言った。
「アナザァ・ワールドについて話したいから。あっちの世界で、どうやって過ごすのかとか」
私は一瞬、迷ってしまった。
少しずつアナザァ・ワールドついて興味を持ったからだ。
それでも私はこう言った。
「そ・・・そんなこと、言っても絶対に行かないっ!!」
そして、屋上から出た。
最後にクロルが何か言っていた。
少し気になったけど、廊下を走って、急いで学校を出た。
風は屋上にいた時よりも、もやもやしている感じがした。
自分が屋上から出た時、クロルは何を言っていたのか。今になっては凄く気になる。
「やっぱり戻ろうかな・・・」
そう思い、玄関の方を向いた。
悩みながらも、学校に戻る。
上履きに履き替え、廊下に出ようとした。
すると、
コツーン―――――――
何かが床にぶつかるような音が廊下に響いた。
帽子をかぶり、目と髪を隠し廊下に出ると、誰もいなかった。
「あれ・・・?誰もいない・・・」
廊下には誰の姿も気配も無い。
『空耳かな・・・』
そして、屋上に向かおうとしたその時、
ガッ!!
「!?」
急に首をつかまれた。
恐怖で身体が動かない。
息ができなくて苦く、後ろから首をつかまれたため、誰か分からない。
「やめ・・・て・・・はなしてっ・・・」
私の首をつかんだ手を振り解こうとしたが、ピクリとも動かない。
「ふふふ・・・見つけた・・・ミウ一族の生き残り、カノン姫・・・!」
誰なのかわからないが、何者なのだろうか。
何故、私の正体を知っているのか。
微かに目を開いたとき、不気味な色の手が見えた。
青白く、いかにも病人のような色だった。
「これから少し、黙っててもらうぞ」
また、私の首をつかんでいる人とは違う人の声だった。
男の人の声で綺麗な声の人だった。
息が続かなくなってきて、意識ももうろうとしてきた。
その時、一瞬にして、身体が浮く感じがした。
身体が歪む感覚がしたと同時に、床に押し付けられた。
「くっ・・・」
首をつかんでいた手が離れ、呼吸が安定した。
ゆっくり目を開いた。
私の目に映ったのは学校ではなく、何も無い、見たことも無い真っ暗な部屋。
「ココは・・・何処・・・・?」
「ここは、僕の秘密の場所だよ。カノン姫」
「誰!?何処にいるの!?」
暗くて何も見えないため、何処にいるか分からない。
「何を言ってるの?君のすぐ後ろだよ」
振り向くと、微かに人の形があった。
「僕は君の全てを知るものさ」
そう言って、私の肩に手を触れた。
怖くなって、すぐにその手を叩いて、私はこう言った。
「私のこと、何で知ってるのよ!!」
すると、クスクスと笑った。
「僕が君の事を何で知っているかって?冗談は止めてくれよ、カノン」
『冗談?』
私は冗談なんて言ってない。
むしろ、冗談を言ってるのはそっちじゃないのか。
目の前に立っている人も知らない。
今、どうしてこんなところにいるのか。
全てが分からない。
怖い、怖い、怖い――――――――
「いやだ・・・・」
「え?」
「いやだ・・・・!やめて!こないでっ・・・!!」
「何で?僕たちは・・・」
パンッ!!!
いきなり風船が割れたような音が響いた。
「カノンっ!!」
「カノンさん!!」
私を呼んだその声は、クロルとルウトのものだった。
「えっ・・・何で?何でルウトが・・・」
状況が読めない。
どこかも分からないところにルウトがクロルと一緒に現れるなんて夢だと思った。
でも、夢じゃなかった。ルウトに腕をつかまれたときの感覚がしっかりと残っている。
「カノンさん!ココは危険です!早くあっちの世界へ戻りましょう!!」
「え!?まって、ルウト!ココは何処なの!?」
「それは後で話します!」
ルウトは私の手をしっかりと握り、走った。
しかし、急に足が止まった。いや、身体全体が止まった。
ピタリと止まった身体は動くことも無く、ズルズルと引き寄せられていく。
「カノンは行かせない・・・」
「お前にカノンはわたさねぇよ」
クロルが手を前に出した。その、手のひらには、藍色の水晶があった。
「ちょっ・・・待ってください!クロル様!それは、あなたの・・・」
「黙ってろ。ルウト」
謎の男が言った。
「そうか・・・お前がアナザァ・ワールドの王子、アルナ・クロルか」
「・・・・・・『システ』」
クロルが何か、呪文のようなセリフを言ったとたんに藍色の水晶が割れ、身体が軽くなった。
「流石、アルナ一族なだけあるな。僕の念力を消せるとは・・・」
「そのぐらい、お前だって出来るだろう?」
すると、クロルはくるっと振り向いた。
そして、ポカーンとしていた私にこう言った。
「何やってんだよ。早くこっち来い。それじゃないと・・・」
バチッ―――
電気のような光がクロルに向かって放たれた。
それは、一瞬のことだった。
「クロル!!」
クロルの足からは血が流れていた。
「油断してちゃ危ないよ?」
謎の男はクスクス笑いながらこっちを向いた。
「誰!?貴方は誰なの!?」
謎の男はこう答えた。
「さぁ?僕も知らない」
「・・・え?」
「なんて・・・ね」
冗談だった。
「そいつを止めるには怪我でもさせなきゃね、カノンを連れていけないから」
「私を連れて行く・・・?」
身体が動かない。
「うん、そうだよ。カノンは僕の・・・・なんだから」
今、少し聞こえないところがあった。何て言ってたのだろうか。
「カノ・・・ン・・・『ライン・クイーン』だ・・・」
「ライン・クイーン・・・?」
「言うんだ・・・セリフ・・・を・・・」
とたんにクロルが倒れた。
「クロルっ!!!」
「カノンさん!早くセリフを!!」
ルウトがそう言ってくれた。
「・・・・・・『ライン・クイーン』!!」
すると、身体が軽くなり、辺りが明るくなった。
その時、目に入ってきたのは、不気味な仮面に自分と同じ髪の色をした男の姿だった。
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2話キタ――(゜∀゜)−−−!!

ルウト君の口調が戻った…だと…
とりあえず台詞と文章が交互すると読みにくい、とかどこかに書いてあったのでよかったら参考にしてくださいな。

なんか元気に小説をupしているユッキーに刺激を受けて(?)こっちも小説あげてみました。
よかったらみてね^p^
September 12 [Sun], 2010, 22:07
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