コミック「鋼の錬金術師」荒川弘

2005年12月21日(水) 15時15分
作品link   Grading:イイカンジ!(^_^)b
最新12巻が先月でたので全体の感想をば。この作品で何がすばらしいかといえば、ひとつには作品世界を支配する「錬金術」の法則と、物語自体のテーマが見事にリンクしている点だろう。この世界での錬金術は「等価交換」の法則を持つ。「何かを得るためには、何かを犠牲にしなくてはならない」ということ。力を得るために相応のリスクがともなう、それは人生においても…というのが単純にいってしまえばこの作品のテーマでもあるのだ。これで思い出されるのはSF作家であるル・グウィンが描いたファンタジー文学の金字塔「ゲド戦記」(特に1巻である「影との戦い」にテーマは凝縮されている)である。ゲド〜の世界での魔法の正体は対象の「真の名」を呼ぶ、ということだった。この「魔法の法則」が、結局「人間自身の存在証明」という物語のテーマとも直結していて、そこが見事だったわけだが、「ハガレン」の世界もそういった意味で「異世界」設定と物語性・テーマ性とが結びついていて、この漫画に骨太な読み応えをもたらしてる。と、同時にあくまで「少年漫画」の王道たるケレン味、すなわち主人公の決めゼリフや大見得をきるシーン、手に汗にぎる戦闘シーンなども充実しているというところが、この漫画の離れ業というか、多くの人に支持される理由だろう。あと某ベルセルクとは違って「ちゃんと終わりそう」(イマドキ珍しい)だったり、小技のギャグが効いてたりと、そういう部分でも何かと漫画が達者であったりする。ということで「ボリューム感のある物語が読みたい」「少年漫画が好きだ」というヒトにはいま一番オススメの漫画だ。(ちなみにアニメのほうは…正直イマイチ…オリジナル色出しすぎ)

ゲド戦記ジブリで映画化

2005年12月20日(火) 12時40分
遅いネタですが。うーん素直じゃないワタシは深作健太のバトロワIIのような作品の出来じゃないかと不安ばかりがひろがりますが。宮崎Jrのやたら好青年風な写真もむしろ、ねえ。やっぱクリエイターの顔に宿る「」ってもんがないような(深作健太もそうだけど)顔で判断するのもアレですが。でも「影との戦い」じゃないみたいだしなあ。原作の2作目以降ってあんまし詳細覚えてないんだよなあ…。
といったことはまあどうでもよく、なんでこんなこと書いてるかというと、ニュース発表のかなり前から漫画「鋼の錬金術師」の感想文で「ゲド戦記」のことを交えて書こうと思ってたので、こんなニュースのタイミングだと、なんかとってつけたように思われそうでヤだなあ…みたいな。うん、まあそんな言い訳チックな微妙な気分をつぶやいてみる昼下がり(オチなし)

映画「私の頭の中の消しゴム」

2005年12月16日(金) 14時10分
作品link  Grading:イイカンジ!(^_^)b  Situation:某シネコン
読み間違ってはいけない。この映画はアルツハイマーの実情を描くといった類の「病気モノ」の映画ではない。あくまで文字通りのせつなさ系ラブストーリーなのだ。そう思ってみれば、前半の恋愛から結婚にいたるまでの描写がたっぷりボリュームが多いのも納得できるはず(いや、そこに批判があったりするんだよねーこの映画。全然気にならなかったんだけど俺は)そして恋敵というか前恋人に対しての「彼」のとった行動というのも、ラブストーリー上必要なことだ。まあ、そういう意味では「私の頭の中の消しゴム」ってのは名フレーズで、いいタイトルだとは思うけど、ちょっと誤解をもたらす部分もあるかもしれない。「忘れっぽい彼女」とかにしておけば、最後の展開の衝撃度とあわせて効果的だったかな(でもフレーズとしてはイマイチだよなあ)ここでの若年性アルツハイマーというのはあくまで「死」の変奏曲なのだ。告知や病状の真実を描く気などは初手からないのである(ミョーにマッドサイエンティストっぽい医者の告知とかほとんどコメディーだもんなあ)愛する人を忘れていくことは、すなわち「死」と同等であり、それはゆるやかな天昇ともいえる。だから「彼女」の劇中ラストシーンでのセリフは「ここは天国?」なのだ。主演の2人も熱演。チョン・ウソンはカッコよく、ソン・イェジンはキュートで、ラブストーリーのツボをおさえてます。

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」

2005年12月14日(水) 0時37分
作品link  Grading:イイカンジ!(^_^)b  Situation:某シネコン
これは間違いない、秘密結社イエスタデイ・ワンスモアのプロパガンダ映画だ。なんつて。CGでついに実現したリアルオトナ帝国だよ、スゲー。完全にオタクの世界ですが(でも間違いなくこの映画の影響あるでしょコレ)…しかしこの箱庭昭和30年代の完成度はスゴイ。開始のシークエンスでもう、鳥肌。飛行機の模型が飛んでいく。それがまだ作りかけの東京タワーを遠景に、平屋と路面電車を中心とした大通りがひろがっていく…。そう、もはや我々にとって昭和30年代の東京は「誰も見たことがない世界」なのだ。汽車も路面電車も町並みもオソロシイほどのCGの量でつくられている(っぽい)が、いわゆる合成じみた違和感はほぼ感じられない。日本のVFXでここまで見せれば立派だし、このネタは日本でしかつくれないわけで、ある意味いいところに目をつけた感じ。よくできすぎて、完成度高い模型を「ハーッ」と感心して見ちゃうヒトと、単に背景としてスルーするヒトで分かれそうではある(ワタシもそこまで昭和30年代フェチではないんですが)いや、もちろんそれはホントの昭和30年代の世界ではない。むしろそれは確信犯的につくられた懐かしさだったりする。だって私なんかは昭和30年には生まれてないわけで。懐かしいわけはないのだ。でもどうにもこうにも懐かしい。それは新横浜ラーメン博物館などとほぼ同じコンセプトと言っていい。そして、描かれるストーリーは文字通り超ベタ。これ、現代が舞台ではへたするとギャグにでもなりかねない。でもマジに泣けちゃうんだな。それは徹底的につくりこまれた「懐かしき世界」のなかに観客が入りこんでいるからだと思う。逆にいえば今の時代、ベタなドラマで泣かせるにはここまで「昭和30年代」をつくりこまなくてはならないのかもしれない(もしくは時代劇か)うーんそういう意味ではちょっとフクザツ。ラストシーンなんかも考えてみればもはやあんな景色は現代の東京では見ることはできないのだ。

映画「Mr.&Mrs. スミス」

2005年12月13日(火) 10時32分
作品link   Grading:イイカンジ!(^_^)b  Situation:某シネコン
いやー面白かった面白かった。肩に力をいれずにスカッと楽しめます。まあプロットとしては至極単純です。結婚して5、6年の夫婦。幸せラブラブに結婚した二人ですが、最近ちょっと倦怠期。でも二人にはお互い絶対に話せない秘密があったのです…、そうそれは二人ともお互いそれと知らずに超一流プロフェッショナルの殺し屋なのでした…。とまあ、そういうことで、この映画でミソなのは片方だけが暗殺者なのではなくて、夫婦が共に殺し屋ってとこですね。香港映画のヒット作「インファナルアフェア」がダブルで「潜入者」というのと同様、この「ダブル」であることで二人のキャラクターが同等の力でぶつかりあって、そこでドラマが生まれるわけですな。夫婦の物語である本作もそのへんがうまい具合に夫VS妻の構図と暗殺者VS暗殺者の構図が重なってスリリングです。作品テーマもズバリ「夫婦」で、「夫婦はときには本音でぶつかりあわないと」、みたいな。その普遍的な意味での「ぶつかりあい」の象徴がこの映画のアクションシーンなわけですが、まあこれが夫婦ダブルでプロの殺し屋なのでもうとんでもないガチンコバトルになっちゃうとこが笑えます。そんでもって色々あって、ガンアクションからカーチェイスとフルコースの後(このへんの、間とかも面白い。エレベーターのシーンとか)文字通り雨降って地、固まる、と。色々いいましたが基本は単純ドンパチ娯楽作品ですので、そのへんを期待してるかたにも申し分ないかと。それで結論としては、ブラッド・ピッドもがんばってますけど、個人的にはアンジェリーナ・ジョリーの唇と胸と足は最強かな、と。最初はブラピVSニコール・キッドマンの予定だったとか。それはそれで見てみたかったけど、だいぶ印象は変わっただろーなー。もっとみもふたもない感じだっただろーね。二コールだったらいっそのことトム・クルーズを夫役にしたらとか(しゃれにならん)

コミック「魔人探偵脳噛ネウロ」松井優征

2005年12月09日(金) 12時35分
作品link   Grading:イイカンジ!(^_^)b
いやーコレかなり面白いよ。見た目で敬遠するヒトもいるでしょう(ワタクシもそうでした)しかし!これが意外や、抑制の効いた上々のエンターテインメント作品なのだ。なんていうか、漫画は単に画力じゃないんだねーホント。悪い意味でライト・ノベル風の自己満足系マンガかよ、という、絵だけから判断した第1印象だったのだが、これが読んでみると、「展開」の見事さがキワだって素晴らしいマンガなのだった。そして「絵」も読んでいくと、「これしかないな」という印象になっていくから不思議だね。猥雑であったりする部分も含めて正しく少年マンガでもあるし。また漫画のキャラクターというのは単に「陳列」してるだけではダメで、キャラ同士の「関係性」ではじめてたってくる、と思うのだが、この漫画はそういう意味で、非常に「キャラだち」している。超常的な力を持つ魔界の住人で「謎を食べる」という「食欲(これが裏テーマでもある気がする)」に基づいて事件を解決していく超傍若無人(人間じゃないからね)な魔人探偵ネウロ。一見フツーの女子高生だが、ネウロに目をつけられ、服従というか下僕というかとんでもない状況になってもどっこいタフでツッコミ体質で超大食家(こちらはホントの意味での食欲)のヤコというふたりのSともMともいえない関係が、まずはいい。他にもやる気がないけどわけありの刑事とか、凶暴なチンピラだがネウロに雑用係にされてしまう吾代とか、ヤコとの会話からかいまみえるそれぞれのキャラクターに説得力があるのだ。またそれは基本的に読みきりエピソードの連作形式で、推理モノ風なつくりになっている本作だが、実のところ、トリックがどうというより意外性と濃い悪意にみちたとんでもない犯人像が面白さの肝であったりして、それがネウロ&ヤコと対峙したときにたちあわらわれる、この漫画の「キャラクターもの」としての特徴でもあったりする。
と、まとまらないがとりあえず続きが楽しみな漫画のひとつである。それと週刊連載でヤコの毎週変わる好物↓も楽しみのひとつ

映画「パッチギ!」

2005年12月06日(火) 11時06分
作品link   Grading:イイカンジ!(^_^)b  Situation:DVD鑑賞
やっぱね。こういうネタだと強いわー井筒監督は。さすが「ガキ帝国」「岸和田少年愚連隊」のヒト、つかお家芸って感じですわケンカがらみの部分とか。役者陣も、イマドキくさいとどうしても無菌室つかパック製品な感じがしちゃうんだけど(某ローレライとか)、演出の妙でもあるのかけっこう雑多なたくましさというか、いい顔した若手、ベテランの姿が画面にうつっている。番長のアンソンとかも説得力あるね。特にバス転倒までのオープニングのくだりは(CMでもやっていたけど)迫力アリ。でもだからこそ、というべきか…。一点気になるのは、ビミョーに説教臭い、ってところかなあ。これがなければスゲエいいんだけどなー。いやね、そこで主張されている部分はむしろ個人的には共感する内容なんですよホント。でもその主張をあまりにセリフで言いすぎてる、って気がするんだよね。うーん。実際、劇中で飲み屋みたいなところでオッサンが話し言葉で言っちゃってたりするのだ。そんな具体的な言葉がなくても、映像で語ることも可能なんじゃないのかなあ、みたいな。いや本当にビミョーに、なんだけど。
関係ないけど監督と「こちトラ自腹じゃ!」で昔共演した楊原京子 もかなり重要な役で、しかも相当イメージの違う役で登場、熱演なんだけど…いやあスゴイことさせちゃうなあ。最初誰かと思ったよ。

萩原流行

2005年12月05日(月) 22時51分
なんか最近ホンモノよりも神奈月の物真似のほうがよく見かけない?とか思ってたら日曜のなんだか夫婦タレントじっぱひとからげ風番組でてた模様(ジャガー横田とか虎舞竜&三船の娘とか)見てませんが。…うーんそんなに安い感じでいいの?…すいません今回どうでもいい感想で。

映画「親切なクムジャさん」

2005年12月01日(木) 0時14分
作品link   Grading:イイカンジ!(^_^)b  Situation:アミューズCQN(渋谷)
パク・チャヌク監督復讐3部作最終作。とにかく映像が凝っていますな。リアルさよりも画面の面白さに注目したいところ。相当つくりこんでいる力作です。堂々主演のイ・ヨンエも熱演。でも前作「オールド・ボーイ」のような衝撃度を求めると(いや、衝撃的なシーンは多いんですけど)…うーん軍配は「オールド・ボーイ」かな。復讐モノはその復讐の動機、実際の復讐方法、でどれだけフリ幅があるか、が勝負なわけですが、「オールド・ボーイ」はその「動機」「方法」が映画自体の仕掛としてとにかくサプライズなんですよ。それこそ「(多分)誰も見たことがない」ところへ観客を連れて行ってくれるというか。ドキドキ感とか、クムジャさんはそこまでではない。その分、ちょっとユルいとこもあって笑えたり物悲しい部分もありますが。まあ、復讐の動機という意味では、映画の最初のほうでは弱いんじゃない?それぐらいでそこまで凝って殺してしまうの?という感じだったのがラスト近くの展開で「なーるほど」ってのはあるんですけどね。ああ、それで親切なクムジャさんなんだな、みたいな(獄中でのあだ名とは違う意味で)。うーん、まあ悪趣味ギリギリではありますが。
あとミョーに英語をフィーチャーしてたり(世界戦略?)、子供に対する扱いがウーンだったりとか「なぜ?」と腑に落ちない部分がなくはない。そこが評価の分かれ目かな。あまりひろくはオススメできないかなあ。
●「オールド・ボーイ」が気に入った●「痛い」描写は平気である●イ・ヨンエのファンだ。●韓国映画に興味がある。
以上の項目が全×のヒトは特に見る必要はなく、スルーでOKかと…。
業務連絡:結論としてこの映画、精神衛生上、妊婦さんには到底よろしくない内容ですのでお気をつけて!?>M子さん
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■プロフィール&決まりゴト■
■じょに倉■
■70年代前半生まれ、男■
以下の評価はあくまで独断と偏見ね。
エクセレント!!(☆0☆)…最高評価。人生変わっちゃうかも?!な作品。
イイカンジ!(^_^)b …高評価。おもしれ〜〜作品。まあ大抵はこのあたりの感想かと。
ビミョー(-_-)…低〜中評価。ビミョーにツマラナイというかなんというかな作品。
ガックシ(x_x;)…最低評価。相当キッツイ作品。限りなく0点に近い。
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