トラウマ

2005年04月27日(水) 22時47分
朝、目が覚めると伊織が仕事に行く準備でバタバタしていた。

永と眠る部屋ではなく、伊織と克也の部屋の隣で、ひとりで寝ていた分
レースのみのカーテンから朝の眩しすぎる陽射しがあたしを照らす。


『いたた…』

夢じゃない。
確かにあたしの顔は腫れあがっている。


もそもそと動くあたしに克也が声をかけてきた。

『病院いく?連れてくよ』
ややあって
『うん、口が開かないから、うまくしゃべれないんだ』
克也は、ひどい腫れだなと歪めた表情であたしを見た。
哀れみは含んでいない、単純に痛々しい眼で−。


大きな病院に車で乗りつけたものの
お見舞いだけで、診察はしていなかったが
以前、行ったことのある外科に行って見てもらった。
克也がお茶を買ってきてくれたが、うまく飲めない−


『俺がやったと思われてんかな』

克也がおろおろしていたので

『いや、そんなことないでしょ』

と、内心−そうかもしれないな−と思いつつ言葉を返した。



レントゲンと先生の診察と長い時間そこにいた。
酔っ払いに店で殴られたと理由をむりやり持ってきて
診察は終わり、なぜか診断書を出された。

親にも同じ説明をして、とりあえず事は波が立たぬようもみ消した。



そしてメールが入る−

レスはしなかった。


殴られるということは初めてじゃない。
むしろ慣れているというのもおかしいが
あたしの心はもう麻痺してしまっていて、閉ざすというよりも眠ってしまった。
拒絶の裏返しなんだろう。
夕暮れ時まで『それなり』に過ごした。


煙草と携帯とひとりの時間−
他人から見れば刺激のない生活でも
あたしにはそれが最もしあわせなことだと自負していた。


−自分の不安を他人に押しつけている−


そう言われたことがあったのを、ふと思い出し

あたしはいつもの喫茶店に向かった。
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