「勝手にふるえてろ」-空耳アワーは実はそんな詳しくない。-

September 06 [Fri], 2019, 20:10
2月、SHOJOの僕とデートをしに、
福岡県からはるばる来た後輩を思い出した。


「勝手にふるえてろ」(監督:大九明子 制作:ホリプロ 配給:ファントム・フィルム 主演:松岡茉優)の話をさせて下さい。
※ネタバレ含みます



【あらすじ】

24歳のOLヨシカは中学の同級生”イチ”へ10年間片想い中!
過去のイチとの思い出を召喚したり、
趣味である絶滅した動物について夜通し調べたり、
博物館からアンモナイトを払い下げてもらったりと、
1人忙しい毎日。
そんなヨシカの前へ会社の同期で熱烈に愛してくれる”リアル恋愛”の彼氏”二”が突如現れた!!
「人生初告られた!」とテンションがあがるも、
いまいち二との関係に乗り切れないヨシカ。
まったくタイプではない二への態度は冷たい。
ある出来事をきっかけに

「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこうと思ったんです」

と思い立ち、
同級生の名を騙り同窓会を計画。
ついに再会の日が訪れるのだが・・・。

公式サイトより

【見るべき人】
処女
・いい年をした処女
・言い寄ってくる、気を持ってくれている男がいるが乗り気になれない人

【感想】
ずっと見たい映画だった。
原作は読破していて、公開する半年以上前から楽しみにしていて、
ああ絶対に見に行くぞと思っていた。
思っていたら、
いつの間にか終わっていた。
この度、ふと思い立ち、TSUTAYAで一枚借りて見た。

めっちゃよかった。

ストーリー:★★★★★★

うっかり6つ星である。

改変はかなりなされている。

どこか僕ら処女と地続き感のある松岡さんを主演に据えるための、
26歳→24歳、年齢変更。
過多な登場人物は
作品に彩りを添えるだけかと思いきや、
ヨシカのコミュ障を際立たせるための配置。
脳内会話一人完結癖はコミュ障全員に思い当たりがあると思う。
あと原作では若干分かりづらい主題・「名前」を分かりやすく伝えるにも、
彼らは必要だった。

でも根幹は忠実に。
ラストシーン。

「霧島君」

最後の最後でやっと名前を呼ぶところ。
とか。

変更されているところは原作尊重ゆえの変更、
変更されていないところは原作でもとても大切なところ。

そのバランスがすごくいいなと思った。

まさしく「正しい実写化」。

演出:★★★★★★★
うっかり7つ星である。

原作は、文章ありきの作品だ。
原作に限らずこの作者の作品は、
独特の地の文が最大の魅力であったりする。
芥川賞作家よろしく、展開ではなく文章を楽しむ作品が多い。

ただ、文章自体が魅力の作品は、
実写化しづらい。

いくらその文が魅力的だからとはいえ、
主人公に延々語らせればそれは朗読。
演出だけで表せばそれは監督オリジナルの映画。

それをこの作品は、
コンビニ店員、つりのおじさん、和菓子屋のおばさん、
あみもののおばさん、駅員さん、オカリナ・・・。
周囲の人物との対話で、
地の文再現
しているのが
とても良かった。

彼らとやりとりするヨシカ自身の言葉回しは原作のイメージそのまま。
でも2人だから朗読にならず会話になる。
ああこの監督はこの作品のことを本当に好きなんだ。
本当に読んでくれているんだ。
多分、実写化するにあたって本作を「選んだ」のだと思う。
だからこんないい映画が・・・・・・。

あと終盤、歌いだしたのは驚いた。
ここで歌うか!?みたいな。
でも歌詞が良かった。

この距離が私と世の中の限界
おじさんと私も透明だ

ヨシカの孤独がひしひしと伝わって、
気づいたらちょっと涙ぐんでた。
そこからの悪阻騒動のラストシーンまで駆けてくれるものだから、
ずっと、ひりひり、ひりひりして、
ラストの台詞。
「勝手にふるえてろ」
染みたね。

あと、最後の最後、オカリナのカップル。
そこもキスするんか〜い!!!!

あー、あとヨシカの服かわいかった。
いけてない感じをだしつつなんであんなかわいいコーデを・・・。
コートは結構高いやつだったけど、
マフラーはなんかそんなでもだったなぁ・・・。
でも刺繍のついたやつは、まさしく
「イチに会いにきたの」
感が出ててかわいかった。
結構勉強になった。

ただ原作のウォシュレットのシーンがカットされてたのは残念だったな。
やっぱ下品すぎたか。
うまくアンモナイトで代替出来ていたからいいけど。

登場人物:★★★★★

5つ星。

・江藤良香:松岡茉優
めちゃくちゃ良かった。
なんというか、オタク女・コミュ障女感めちゃくちゃ出ていて最高だった。
特にアンモナイトをぐるぐるなぞるシーンとか、
ヘッドホン付けてひとり体揺らすところとか、
終盤、お風呂で
「人気だなー・・・紫谷」
と呟くところとか。

そして、眼差。
パッケージにも使われている彼女のまっすぐな眼差。
生きづらさとか不器用さとか、
なんかそういうの全てひっくるめた、
泣いたり笑ったり怒ったり感情によって引っ張られる、眼。
そこを今作はフォーカスしていたように思う。
そしてその眼差しが、
ヨシカのひりひりを観客に訴えるんだ。

いや冷静になったらめっちゃ美人なんだよ!?
かわいいんだよ!?松岡さん。

ただ、そこはかとなく漂う
僕等観客と地続きの陰キャ感がいいよね。
高校時代友達いなかったとか聞いたことあるけど、
この人はガチなんじゃないかなと思うし、
間違いなくその経験が今活きて
彼女を唯一無二たらしめてるよね。

・月島来留美:石橋杏奈
本当いいやつだった。
この子。
特にラスト、空耳アワーの手ぬぐいは笑っちゃった。
そこ伏線!?しかも回収!?
ちょっとね、いい子過ぎて
そりゃヨシカもコンプレックス抱くわなと。
いい子すぎたので、
彼女との仲直りシーンはエンディングの数秒でもいいからほしかったかな。

石橋さんは本当すごいよね。
なんか「あれこれ誰?」と思って調べると、
石橋率。
何やらせても馴染むんですよね。
あと美人だけどまぁその、顔に特徴ないから、
役としか見れない。
映像に「石橋杏奈」を介在せず「月島来留美」が存在している。
女優・石橋の顔が一切挟まれないのがすごいところ。

ちなみに、今作はホリプロ制作で、
彼女はホリプロ所属である。
「石橋さん主役の予定だったのかな?」
それもそれで見てみたいかも。
うーん。でもなぁ。やっぱなぁ。
違う。石橋さんは「ヨシカ」ではない。

なんか最近結婚したよね。
そういうとこ器用にこなすところが
やっぱ「月島来留美」だよなぁ。

・二:渡辺大和
まじくそうざくてワロタ。
特に序盤はもうね・・・ワロタッタですよ。
相手に強く出られないから酒に頼ってうだんうだんするところ、
そしてラストにはホテルのところで「いいですか?!」を匂わせるところ。
うひゃ〜。
同じ。
あの福岡の後輩と同じ!!!
経験に則していたので爆笑でした。

ちなみにその後輩は、
おでんの飲み屋でぐでんぐでんになり、
次のバーでもぐでんぐでん
「いや、俺まぐろどんさんとならヤれますよ!!」
からの終電改札前、
「お願いします!!!!!ヤらせてください!!!!!!!!」
90度のお辞儀。
たーいむりーぃ・・・・。

それでも二は
話が進んでいくにつ入れて、
エレベーター割り込んだり、
年賀状出したり、
無理矢理釣り堀デートに誘ったり、
卓球誘ったり、
そのまっすぐさが悪くない。って、
僕等観客にも思わせたうえでのラストだからなぁ・・・。
結構バランスとれていたんじゃないでしょうか。

暑苦しい顔のキャスティングもなかなか良かったです。

・イチ:北村匠海
意外と登場シーンは少なかった印象。
多分来留美より少ないんじゃないかな。

それでも人里離れた雰囲気で、存在感は抜群。
「俺」「君」美しい一人称二人称。
寡黙な雰囲気、瞳。
言葉遣い。
なんかこりゃヨシカ好きになっちゃうわなー。
分かるわー。

・オカリナ:片桐はいり
オカリナってあんないい音出るんですね。
あと終盤のデュエットは一番笑った。
誰だよ!?

・コンビニ店員:柳俊太郎
お前かよ!!
てかお前栗原類じゃなかったのか!!!
ずっと栗原類だと思ってたわ!!


・金髪店員:趣里
ダンスも外国語もプロポーションも何気にすべて完璧。
言葉が通じなくなった瞬間、
僕もすごく悲しくなった。

・最寄り駅の駅員:前野朋哉
なんかで見たことあるぞ、思ってたけど、
auの浦島太郎ですね?

・整体師;池田鉄洋
はるか昔、釈由美子主演の
「ひみつの花園」の二男やんけ!!
冒頭テンションぶち上がりました。

・編み物おばさん:稲川実代子
そこで働いてた人なのかよ!?
と、さらっと伏線回収する感じが良かった。

・釣りおじさん:古館寛治
コンコルド人間やんけ!!!!!!!

以上である。
めっちゃいい映画だった。
僕のような原作好きも大満足。
最高でした。

ちなみにちなみに、
その2月デートした福岡の後輩は、
なんとまぁ、
この度、
結婚したんだそうな。
まぁ恐らくサークルの同級生と。

やっぱなー。
「(あのツイッターでやたらと絡み合っている、恐らく学生時代)付き合ってた同級生の子とはどうしたの?」

てさらっと聞いたら、
「うん・・・まぁ」
てそこだけにごしたんだよな。

だから終電、改札前、
「お願いします!!!!!」
お辞儀する君に
「それはまた・・・今度ね(暗黒微笑)」
と苦笑いして、ネカフェに君を送り込んだんだよ。
そこごまかさなかったら、ああ。

いやこれは、
正解だった。

正解だった・・・・けど。

私の二isどこ・・・・。

  • URL:https://yaplog.jp/rotandbook/archive/239
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    ・本屋に行く-本の匂い中毒だよ。
    ・美術館に行く-西洋絵画を見て光合成しているよ。
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