魔法少女クラゲ1

May 18 [Mon], 2009, 23:08
モチベーションが上がってきたので書きます。イナゴが途中で終わっているのは気のせいです・・・。

EP1
クラゲのケース
 今のご時世、わざわざ外に出かけなくても何でも買える。インターネットや電話があれば、家に居ながらにして何でも買えてしまうのだ。テレビをつければ通販番組が、新聞を開けば通販の折込チラシが入っている。今のご時世、本当に何でも買える。
 しかし、よく考えてみて欲しい。インターネットや電話やハガキを使って買い物をするということは、“取引相手の顔が見えない”ということである。これは、結構怖いことではないかと僕は思う。インターネットや電話のケーブルの向こうに居るのは、果たして本当に善人なのだろうか?もし相手が悪人だったら、不良品や欠陥製品をわざと送りつけられるかもしれない。これは、本当に恐ろしいことだ。

 実際に騙された僕が言うのだ。間違いない。

 これから僕が語るのは、便利な通販生活に潜む危険な罠の物語である。


 僕は、通販で魔法少女を買った。・・・いや、引かないでくれ(汗)。決して、いやらしい気持ちがあったわけではないんだ。
 僕は、昔から人見知りが激しかった。友達が居る訳ではなく、イジメられている訳でもなく、とにかく友達がひとりも居なかったのだ。中学生になってからは親ともあまり会話しなくなった。母親は物心ついた時から居なくて、父親は血眼になって働いていた。小さい時はそれなりに遊んでくれたけれど、出生すればするほど父親の仕事は増えて、家に居る時間はめっきり減ってしまった。何をしている会社なのかは分からないけれど、とにかくかなり忙しいらしい。1日に10時間以上働くのは当たり前。僕が高校生になってから、とうとう単身赴任をするとまで言い出した。僕は反対しなかった。もう高校生なんだし、お金さえあればひとりでも十分生活できる自信があったからだ。実際、僕はひとりで生活できるだけの能力をちゃんと持っていた。洗濯や炊事も自分でできるし、掃除だって定期的にしている。僕はそこそこ生活力のある人間だったのだ。

 しかし、だからといって、僕が孤独であるということには何の変わりもないのであった。

 話し相手など居なく、無言でロボットのように動く灰色の日々。僕は、もしかしたら心の中で泣いていたのかもしれない。自分でも知らないうちに、俗に言う“オタク”という人種になってしまっていた。
 居間にはPS2とそのソフト(主に恋愛シミュレーション系)が散乱し、パソコンの壁紙は『フレッシュ プリキュア!』になっていた。僕は、二次元の人間と友達なったような、そんな気分になりたかったのだ。

ある日、新聞の折り込みチラシに、こんな物が挟んであった。

『今、巷で魔法少女が大人気!友達に、恋人に、そしてセックスフレンドに!魔法少女は、あなたの命令ならば何にでも従います!今ならこの魔法少女、何と、1万9000円でのご提供です。送料はすべて、我が社が負担します。ご予約は、電話かインターネットで!株式会社 WMG』

 僕は我が目を疑った。新聞の織り込みチラシに、なんて過激なことを書きやがるんだ。というか、これって人身売買じゃないのかよ?日本国内でこんなビジネスが許されるのかよ!!!・・・とか思いつつ、僕はいつの間にか、財布の中身を確認していた。
「あれ?何で僕、こんなことを・・・」
 そして、次の瞬間にはパソコンを開いていた。キーボードをカタカタと叩いて、僕は魔法少女について徹底的に調べた。最初は中々見つからなかった。普通に『魔法少女』で検索しても、出てくる情報は、せいぜい美少女アニメやゲームのことばかりである。
「・・・・・そうだ!」
 僕は、チラシに会社の名前が載っていたことを思い出して、すぐに『魔法少女 WMG』というワードで再検索した。すると、WMG社の公式サイトが出てきた。僕は、その公式サイトを開いた。ほんの少し覗いてみるだけのつもりだった。しかし、魔法少女の可愛いデザインや、掲示板での評判の高さを見ているうちに、いつの間にか予約ページを開いてしまっていた。
「・・・・・はっ!?」
 意識が戻った時には、既に住所やら氏名を書き込んだ後だった。

「う、嘘だろ?」

 僕は、自分のやろうとしていることが、とてつもなく恐ろしいことであると気づいた。人身売買、買春、監禁・・・。犯罪めいた言葉たちが脳内で渦を巻いていた。
「そうだよ。こんなこと・・・こんな、こと・・しちゃいけないんだ!」
 カチ。
「え?」
 クリックの音であった。画面には『ご注文ありがとうございました!』というメッセージが・・・・・。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
 その時、僕はどういう心情で叫んでいたのか覚えていない。嬉しくて叫んでいたのかもしれないし、後悔して嘆いていたのかもしれない。

 しかし、数日後には、僕は大いに後悔していた。





































 注文したものとは全く別の、不良品が送られてきたから。

 そいつは、軟体動物のようにフラフラと立ち上がって、僕にこう言った。
「・・・・・ポカリスエットが飲みたい」
 ふざけんな。

続く
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