カジャラ#3『働けど働けど』

March 31 [Sat], 2018, 18:04


年度末、3月31日。
働くということについて毎年いろいろ思う日であるし、いろいろ考える3月でもある。
今年は特にそのことに思い切り揺さぶられていて、悩み苦しみ続けている。

そんな中、楽しみにいていた小林賢太郎さん作・演出のカジャラ#3のタイトルが『働けど働けど』。

最初は2公演しか取っていなかったのだけれど、公演前半戦の3月で計5公演観ることになった。
一度目観た時、もう堪らなかったのだ、何もかも。そのことは後半で書くとして。

-
話は飛んで、10年前の春。
その春も、わたしは仕事に関して迷いまくっていて、迷ったまま想像もしていない場所に進むことになった。
ちょうどその3月も賢太郎さんのソロ公演、ポツネン『Drop』を観に行くことになっていて、
しんどい時期だったけれど、観ている間だけは何もかも忘れて心から笑って楽しくて救われた。
だけど、その帰り道にいろいろ考え込んで、全部が水の中みたいにゆらゆらしていて。

今年の3月、同じように小林賢太郎作品を観て、あの10年前の春を思い出した。
ああ、あの感触だと思った。
不甲斐なくて情けない自分が、ものすごいものを観てしまってショックを受けた時の、あの感じだ。

わたし、10年経っても40歳を前にしても、働くことについてやっぱりぐるぐるしているし、いちいち立ち止まっている。
わかったつもりで、決めたつもりで、どこかで言い訳していて。誰かや何かのせいにして。

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(ここからはややネタバレ含みます)





今回のカジャラ#3『働けど働けど』は、文字どおり、働くことが主テーマのコント作品。10本かな。
とにかく、ただただ思いっきり笑えるし、その上、身につまされるというか胸に迫るというか。
賢太郎さん作品らしい美しい余韻も健在。

どのコントも何度観ても面白く気に入っているのだけれど、
中でもちょっと毛色の異なる、今回の賢太郎さんのソロコントが観るたびに良かった。

一握の砂。砂の城。

作るたびに、壊される。壊されるたびに、強くなる。壊されなければ、自分で壊せばいい。

何度も壊される砂の城。
壊されればまた作り、その度に土台が大きくなって強くなっていく。
誰にも壊されなくなれば、自分で壊せばいい。
そしてまた掴む、一握りの砂。


確実に、このコントで背中を押された気がしているし、カジャラ#3という舞台というものにも、もちろんそう。
カジャラシリーズ自体もどんどん進化しているし、この#3だって観る度に進化している。
きっと今日も、今も、どんどんとブラッシュアップされているはず。

「壊されなければ自分で壊せ」というセリフが、とにかく全てを象徴している気がした。
姿勢、そうか、それこそ精神か。(カジャラの冠に、コントマンシップ、って謳っているもんな。)
1度目に観た時に、そのことを思って震えた。何度でも観たいと思った。

面白いのために、まっすぐに真面目で本気で真剣で、何よりに愛が溢れていて。
立ち止まらずに、壊して、どんどんとその面白いを越えていく。
その面白いを更新し続けている。

そんな姿を、そんなプロの仕事を観せてもらっているんだと気がついて、本当に興奮して、感動した。
あんなに笑ったのに、泣くほどに。

わたしも、そんなふうに自分の仕事をしたいと思った。
働くことは、辛いことも多いけれど、それでもより良い場所を目指して、更新し続けたいと思った。

泣き笑いの幸せをもらった2018年3月、この作品に出会ったこと、絶対忘れられないな。



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