第一回Blogサイト対抗小説「逃亡者」1 

November 30 [Thu], 2006, 13:13
 俺は気づいた時には出されているごみ袋の上に寝ていて、新聞紙や段ボール箱を抱きしめていた。
 今は立ち食いそば屋でそばを食べている。昨日のことはよく覚えていない。今も昨日の酒が残ってるせいか頭ががんがんする。
 なんか視線を感じると思っていると、いすに座った中年のはげた男が新聞紙越しに、こちらをちらちら見ている。それからテレビを見て、なにかを比べているようだ。
(何なんだあの男は感じの悪い奴だ)と思いながら俺も何気にテレビを見た。
"ぶっ"
 俺は食べてたそばを思いっきり吐き出した。
 テレビには俺の顔写真が映し出されて、写真の下には殺人容疑と書かれ、名前と年齢までご丁寧に書かれている。
「"指名手配された男は、島房茂之(しまふさしげゆき)容疑者30歳。自宅アパートで男性が殺害された模様"」とテレビのアナウンサーのナレーションが、俺の心の中でこだましている。
「やっぱりこいつだよこいつ」と、はげた中年の男は俺を指差して叫んだ。
 叫び終わるか終わらない前に、店員が何事かと顔を上げた瞬間、俺はそば屋を飛び出してダッシュでその場を離れた。中年のはげた男は人殺しだの何だの店から出て叫んでいる。俺はそんなのはどうでもよかった。とにかくこの場から逃げなければと思った。
 俺はどれくらい走ったか分からない。追っ手は来ていないようだ。今頃警察が来て俺のことをいろいろ話しているだろう。
 俺は汗を拭くため着ているコートのポケットに手を突っ込んでハンカチを出そうとしたがハンカチは見つからなかった。よく見ると着ているコートも俺のものではない。ポケットからは上様と書かれたクラブパピヨンの領収証と、ロッカーの鍵が出てきた。

 キーワード:ロッカーの鍵とクラブパピヨンの領収書

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