論文−11 

2017年04月14日(金) 3時12分

今井真士「書評論文:『アラブの春』の比較政治学」 日本国際政治学会・編『国際政治』第188号(2017) pp.129-138


[目次]
はじめに:「アラブの春」の夢の跡
1. 中東地域の権威主義体制をめぐる二つの理論的系譜
 (1)社会運動論と政治体制論
 (2)抗議運動への視点
 (3)統治構造への視点
2. 比較歴史分析による理論的総合
おわりに:巨人の肩の上からその後の地平を眺めてみる

…………

 「アラブの春」を論じる玉石混交の書籍群の中から,特に理論的貢献の大きい3つの書籍を厳選し,その意義を論じてみました.

【誤植】 p.135 節番号「四」→「二」


論考−09 

2017年04月01日(土) 3時25分

今井真士「政治経済学の考え方」 私市正年・浜中新吾・横田貴之 編著『中東・イスラーム研究概説:政治学・経済学・社会学・地域研究のテーマと理論』(東京:明石書店,2017年) pp.68-77.


版元情報はここを参照.


[目次]
1. 政治経済学とは何か:仮説反証の積み重ねとしての理論的発展
2. 国家全体への視点:経済状況の盛衰
3. 支配連合と支持基盤への視点:富の再分配
4. 経済アクターへの視点

……………

 「政治経済学の考え方」の章を担当し,政治体制論の観点から,民主主義の再分配モデルなど,政治体制の安定/変動に関する先行研究について執筆しました.

 APSA-CD vol.11/3 (2013)(PDF)において改めて特集が組まれた「民主主義の再分配モデル」(Redistributive models of democracy; RMD)は,個人的には中東地域の事例を活用することによって更なる発展が見込めると考えております.

機会があればよろしくどうぞ.




書評−02 

2016年10月25日(火) 16時45分

今井真士「昭和戦前期・戦時期の日本政治に表れる権威主義体制下の立憲政治:米山忠寛著『昭和立憲制の再建:1932〜1945年』」『レヴァイアサン』第59号(2016) pp.188-191


版元の情報はここを参照.
書評対象の書籍の情報はここを参照.


[目次]
1. はじめに:権威主義体制としての「日本独特の立憲政治」
2. 本書の視点と概要
3. 権威主義体制の制度分析に対する理論的貢献

報告−24 

2016年08月21日(日) 7時15分

今井真士・清水雅子「権威主義体制下の二元二首執政制とその概念的射程:共和政下の半大統領制の制度配置を相対化する」(2016年度日本比較政治学会,京都産業大学,2016年6月26日) pp.1-81


報告ペーパー全文はここ(Docs)を参照.


[目次]
1. はじめに:権威主義体制下の執政制度は「不毛の辺境地」か「肥沃な未
  開拓地」か?
2. 権威主義体制下の執政府・立法府関係に関する既存の理論的地平の限界
  2-1. 政治制度と権威主義体制をめぐる2つの理論的見地のすれ違い
  2-2. 権威主義体制下の執政府・立法府関係をめぐる3つの不備
3. 民主主義体制下の執政府・立法府関係の分類枠組みを再構築する
  3-1.「蚊帳の外」を見ない執政府・立法府関係研究の分類枠組み
  3-2.「井の中の蛙」としての半大統領制研究の分類枠組み
  3-3.「指導者の二元性」と「正統性の二元性」に基づく執政府・立法
     府関係の分類枠組み
4. 権威主義体制下の執政府・立法府関係の分類枠組みを組み立てる
  4-1. 分類枠組みの相対化:権威主義体制の事例群への概念的拡張
  4-2. 分類枠組みの操作化:実効的な執政府・立法府関係への視点
5. 権威主義体制下の二元二首執政制における実践の多様性:憲法的権限と
  党派的権力
6. おわりに:権威主義体制下の二元二首執政制の危険?
参考文献


[報告要旨]

 権威主義体制下の執政制度および執政府・立法府関係の制度配置は、執政代表者の人数や立法関連権限を行使する正統性の源泉の数の違いに伴って多種多様である。しかし、このおよそ20年間に権威主義体制の制度分析(比較権威主義体制論)が大きく発展し、政党、議会、選挙に関する様々な知見が提示された一方、執政府・立法府関係の多様性は概念的・理論的に正確には把握されず、それが政治的帰結に及ぼす影響は実証的にほとんど解明されていない。その理由として、先行研究は、@そもそも議会の開設の有無にかかわらず、支配エリートの組織的基盤(e.g. アントニオ・チェイブブたちのデータセットの場合は軍政・君主政・文民共和政)を執政制度として過度に重視し、A議会を開設していても、国家元首と政府首班の兼任の有無にかかわらず執政府を一枚岩のものとして暗黙的に想定し、B執政府と立法府の協調・対立をあくまで立法府における党派的権力の程度(競争的権威主義体制か否か)から理解しがちであった。つまり、共和政下の半大統領制や君主政下の二元的議院内閣制に代表される二元二首執政制(parallelly-legitimized dual executive)は明示的に扱われず、その制度配置特有の政治力学は考慮されない傾向にあった。半大統領制(大統領と首相の併存)は大統領制や議院内閣制と一緒くたにされ、二元的議院内閣制(君主と首相の併存)は伝統的な王族支配の亜種として論じられがちだったのである。

 実際、二元二首執政制に該当する権威主義体制の事例は地域的・歴史的に様々に存在する。例えば、半大統領制には第一共和政以降のエジプト、ロシア、タンザニアなどが該当し、二元的議院内閣制にはムハンマド・アリー朝時代のエジプト、モロッコ、クウェート(歴史的事例として戦前の日本や19世紀以前のイギリス)などが該当する。他にも、本国から任命された総督と植民地議会から選出された首相が併存する独立直後の国々も二元二首執政制の事例に該当する。しかし、権威主義体制の制度分析は、依然として、執政府・立法府関係の類型の違いや、特に二元二首執政制の枠内における国家元首の憲法的権限と党派的権力の違いが政治的帰結(選挙後危機、内戦、体制変動など)に及ぼす影響を分析するための枠組みを備えていない。

 そこで本稿では、このような権威主義体制下の二元二首執政制という新たな視点を提唱するため、マシュー・シュガートやロバート・エルジーなどが民主主義体制の事例について構築した執政府・立法府関係と半大統領制に関する枠組みを相対化し、その概念的射程を拡張する。第一節では、権威主義体制下の執政制度を論じるにあたって従来の理論的視点の不備、データの不備、実証分析の不備を指摘する。第二節では、二元二首執政制の概念的位置づけを提示する。まずは民主主義体制下の執政府・立法府関係に関する従来の枠組みを一部修正し、自律内閣制・議院内閣制・大統領制・半大統領制の四類型に分類し直す。さらにそれを相対化し、正統性と執政代表者という2つの次元から権威主義体制下の「実効的な執政府・立法府関係」(Effective Executive-Legislative Relations; EELRs)の四類型を構築し直し、そのうちの1つとして二元二首執政制を位置付ける。その制度配置は共和政下(特に民主主義体制下)の半大統領制の想定を一部緩和したものであり、「政府首班が国家元首を兼任せず、国家元首が立法関連権限を行使するための正統性の源泉が立法府の選挙に由来しない制度配置」として定義される。最後に、客観的な操作化基準によって1946年から2015年までの権威主義体制下の四類型のデータセットを構築し、その時代的・地域的な傾向を図示する。第三節では、シュガートたちの知見を踏まえ、憲法的権限と党派的権力の2つの次元から二元二首執政制の枠内における実践の多様性を把握する。特に分割政府の場合に二元二首執政制特有のメカニズムが顕在化する。そして、第四節では結論として実証分析への応用の仕方を提示し、議論全体を締めくくる。



報告−23 

2016年05月16日(月) 0時03分

今井真士「権威主義体制下の二元二首執政制とエジプト第三共和政の政党政治:大統領職の憲法的権限の変遷と2015年代議院選挙前後の党派的権力の展開」(日本中東学会第32回年次大会,慶應義塾大学三田キャンパス,2016年5月15日)


報告レジュメはここ(Docs)を参照.

[目次]
1.問題設定:第一共和政以降のエジプトを「半大統領制」(二元二首執政
 制)に適切に位置付ける
2.執政府・立法府関係の理論的枠組み:分類枠組みの再構築と実践の多様
 性
3.大統領職と立法府の憲法的権限の変遷:大統領・議院内閣制から首相・
 大統領制へ
4.大統領の党派的権力の展開:統一名簿(選挙前連合)から院内会派(選
 挙後連合)へ



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