第3回《Session The Pure Dazai》開催のご案内 

2013年11月02日(土) 11時02分
■日時 2013年11月30日(土)13時〜17時30分
■会場 北海道大学人文社会科学総合教育研究棟 W409会議室

(クラーク像からメインストリートを北へ200m右側の灰色の建物)
※一般来聴歓迎

Session The Pure DAZAI 第3回
司会・北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程
山路 敦史・平野  葵

□特集 DAZAI Osamu 1940

「古典風」のアヴァンギャルド性―旧稿「貴族風」を補助線として―
北海道大学大学院博士後期課程
唐   雪


太宰治「女の決闘」論―「女の決闘」の反権威性―
國學院大學文学部非常勤講師
吉岡 真緒


〈鳥の声〉と銀貨
福岡女学院大学教授
大國 眞希


『新ハムレット』の「愛は言葉だ」―パラドクシカル・デカダンス2―
北海道大学大学院教授
中村 三春


(発表要旨は「続きを読む」をクリック)

ムラカミアン宣言 

2013年05月25日(土) 17時50分
 別にことあたらしく言う必要はないのかも知れませんが、やはり、いろいろな意味で、敬愛できる作家というのは、そうざらにあるものではありません。それも、同じ時間を生きている、存命中の作家ということになれば、なおさらのことです。

 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を、第1刷で買わなかったのも、買ってから(第1刷の10日後の第5刷!)一月も読まなかったのも、忙しかったせいもありますが、要するに私は「ハルキスト」と俗に呼ばれるようなマニアではないからです。どちらかというと、ほとんど騒がれていず、多数の若手作家の中の一人だった時代に、(あの小説、読んだことある?)と、仲間うちで純粋に感想を交わしていたのがなつかしいのです。もう、そういう時代が来ないというのは、とても寂しい気がします。でもそれはしようがありませんね。

 この小説は、とにかく五月蠅いメディア(ネットメディアを含む)、派手な販売攻勢、そして出た途端の毀誉褒貶、と、話題性には事欠かなかったのですが、内容は、しっとりした、静かな、素敵な作品だと思います。たぶんそれなりの年齢の人なら、多かれ少なかれ(強かれ弱かれ、と言うべきでしょうか。量の問題ではないので)、似たような思いを抱いたことのある事柄が、例によって、誰にも真似のできない繊細な文体と筆致で書かれているのです。もちろん、絶対的に最高の地位に置くべき傑作だなどと言うのではありません。しかしそもそも、現代においてそのようなものがあるでしょうか。またそれ以前に、そんなものが必要なのでしょうか。

 思い出して、送ってもらった『朝日新聞』の記事(2012.9.28付)を机の中から探し出して読み直しました。そこで彼は、文化交流は国境を越えて魂が往来する道筋であると言っています。また、安酒は人を悪酔いさせて前後不覚にさせる、安酒を提供して騒ぎを煽るような政治家らには注意すべきであると書いています。このように、落ち着いた、白面(しらふ)の、整った言葉で提言をしてくれる人を、私たちは他に知っているでしょうか。

 この文章は、イェルサレム賞受賞スピーチの「卵と壁」の話や、バルセローナ賞の際の「無常と効率」の説と同じように、当該の事件や事態を超えて、あらゆる場合にもあてはまる普遍性を帯びているように感じられます。むろんそれは哲学的な普遍性ではありません。むしろ文学的な普遍性、つまり、比喩や喩えが柔軟な意味の拡張性を備えていて、幅広く事象をとらえる際の普遍性にほかなりません。いや、一言でいえば、要するに彼は、まっとうな小説家なのだ、というだけのことです。

 私は好きな作家、好きな作品がたくさんありますし、一つのテクストに対して正しい解釈は複数あると信じています。また、既にいろいろに宣言をしていますから、そのような資格で、ですが、もう一つの宣言をしておくことにします。そして、再び、静かに、しみじみと、(この小説、もう読んだ?)と、語り合うことにしましょう。残念ながら、いつでも安い酒しか飲んでいないのですけど。……

第1回 現代日本〈映画―文学〉相関研究会のご案内 

2013年05月17日(金) 17時46分
■日時 2013年6月22日(土)13時〜17時30分
■会場 北海道大学東京オフィス
※参加は事前登録が必要・人数制限あり
(6月13日(木)まで申込みのこと)

□研究発表

1 コメディエンヌ・高峰秀子と『グッドバイ』
二松學舍大學非常勤講師 志村三代子
2 映画『他人の顔』関連の未公開資料について
信州大学助教 友田 義行

□ラウンドテーブル

1 豊田四郎監督の『或る女』
北海道大学大学院教授 中村 三春
2 女優と監督―50年代女性映画の構造―
立命館大学教授 中川 成美
3 〈翻案〉の方法―小説から映画へ―
早稲田大学助手 宮本 明子
4 変転する『本陣殺人事件』
甲南女子大学講師 横濱 雄二
5 「脚色」の方法論―宮崎駿の評価基準―
専修大学准教授 米村みゆき

科学研究費  基盤研究(B) 課題番号25284034
「現代日本映画と日本文学との相関研究―戦後から1970年代までを中心に―」
(研究代表者 中村三春)


(発表要旨は「続きを読む」をクリック)

専修大学村上春樹研究会 第4回研究発表会のご案内  

2013年05月13日(月) 18時07分
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』〈1〉
■日時 2013年6月23日(日)13時30分〜17時00分
■会場 専修大学サテライトキャンパス スタジオA
(小田急線向ヶ丘遊園駅北口下車。新宿より急行で約20分)
※お問い合わせは専修大学サテライトキャンパスまで(人数制限あり)

□研究発表

迷走する〈娘〉たち
 ―『1Q84』から『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』へ―
平野葵(北海道大学大学院文学研究科博士後期課程)

□読書会

ナビゲーター徳江剛(専修大学大学院文学研究科博士後期課程)

□特別研究発表

Monsterと「獣」のあいだ
 ―解釈としての英訳による村上春樹短編論―
中村三春(北海道大学大学院文学研究科教授)

横光利一文学会第12回大会・日本近代文学会北海道支部例会 合同研究会のご案内 

2013年03月01日(金) 20時23分
2013年3月21日更新(開始時刻の訂正)

■2013年 3月 23日(土) 14:30
■北海道大学人文・社会科学総合教育研究棟 W409会議室
一般来聴歓迎 聴講無料

特集 〈戦後〉の横光利一 ―「夜の靴」を中心に―

【開会の辞】
日本近代文学会北海道支部長  片 山 晴 夫
【研究発表】
〈故郷〉の行方 ―横光利一『夜の靴』を中心に―
韓   然 善
〈敗戦〉と隔たり ―横光利一「夜の靴」論―
大 川 武 司 
横光利一「夜の靴」の間テクスト性 ─「夜の靴」と「微笑」を中心に─
井 上 明 芳
【閉会の辞】
横光利一文学会代表  神 谷 忠 孝

第1回 高橋たか子談話会のご案内 

2013年01月12日(土) 21時29分
■日時 2013年1月26日(日)15:00〜17:00
■会場 北海道大学人文社会科学総合教育研究棟 W205教室

『ロンリー・ウーマン』
山 崎 眞紀子

「きれいな人」―「亡命者」「君の中の見知らぬ女」の三部作にむけての予備的考察―
種 田 和加子

司会 中 村 三 春

(次回予告……「彼方の水音」中村三春 ほか)

シンポジウム《両大戦間パリの挿絵本文化をめぐって》のご案内 

2012年09月16日(日) 11時30分
■日時 2012年10月14日(日)13:00〜16:50
■会場 北海道立近代美術館講堂
※聴講無料・一般参加自由
「藤田嗣治と愛書都市パリ―花ひらく挿絵本の世紀」展関連事業

《第1部》 13:00〜14:00

基調講演「美術と文学の交響―日本とヨーロッパ」
芳賀徹氏(東京大学名誉教授、静岡県立美術館長)

《第2部》 14:10〜16:50

シンポジウム「両大戦間パリの挿絵本文化をめぐって」

「両大戦間パリの挿絵本に見る日本―藤田嗣治を中心に」
林洋子(京都造形芸術大学)

「『読み手』としての挿絵画家―エルミーヌ・ダヴィッドの場合」
間瀬幸江(早稲田大学)

「両大戦間の挿絵本における古典主義について―『ダフニスとクロエ』を中心に」
佐藤幸宏(北海道立近代美術館)

「変容する都市の肖像―『タブロー・ド・パリ』と『パリ 1937』」
柳沢弥生(北海道立函館美術館)

全体討議
コメンテーター:クリストフ・マルケ(日仏会館)

主催:北海道立近代美術館、北海道新聞社
(文科省平成24年度科研費助成事業)

指導するということ 

2012年07月28日(土) 18時25分
 私は助手時代までは自分の論文を先生に見てもらっていました。その頃は、いつまでもこうして先生に見てもらうのだと思っていたものです。でも、よく考えると、助手になってからは、学生時代のように添削されたり、厳しいコメントを口頭・文面で与えられることもなくなっていました。(そのうちに、原稿を出すこともなくなり、いつしか論文も送らなくなり、今ではもう、本を出したら差し上げるくらいのことしかしなくなりました。)

 私は先生からそのように論文指導をしてもらったので、全然、そのような指導を行わない指導者もけっこういることを聞いて少々驚いたことがあります。そういえば、複数の先輩・先生からの話によれば、さらにもっと上の代の頃は、原稿を持って行くと先生は読むことは読んでくれるが、「ダメ」と言うだけで返される。どこがダメなのかの指摘はない。自分で精査して、ここがダメなのだろうと修正し、次に持って行くとまた同じく返される。さらに同じことを何度か繰り返しているうちに、ようやくOKがもらえる……!

 今でもそんなことがあるのかも知れません。ただし、私は今、そうではなく懇切丁寧に指導をするのがよいと思ってこれを書いているのではありません。どのようにするのがよい指導なのか、まだ明確につかめていないのです。

 もちろん、私は多くの場合、自分が受けたのとだいたい同じように指導を行っています。しかしそれで格段に相手が伸びるかというとそんなことはまずありません。これは、5年、10年、20年とかかる過程なので、要するにそれほど長くフォローする機会がこれまでなかったというだけかも知れません。逆に、あまりにも徹底的に指導して相手があまりにも従順に受け入れた場合、いったい誰の所産なのか分からなくなってしまうこともないわけではありません。

 私はもっと若い頃に吹奏楽をやっていました。吹奏楽部の先輩に言わせると、「指導して伸ばすと言っても、厳しく批判して伸びるのが半数、褒めておだてて伸びるのが残りの半数」。私はと言えば、そもそも学生がユニークな発表をすること(というか、若い人が産出した美しい言葉=テクストに出会うこと)がとても嬉しいので、そのような場合はかなり大げさに褒め、逆に、基本的なセオリーにさえ則っていない場合には辛辣に(とはいえ、顔は笑顔で、言葉の方は残酷に)批評することが多いのです。だから、両刀遣いということになりますね。

 しかし、多少なりとも意外なことには(それとも、これは意外ではないのでしょうか)、多くの学生、ことに留学生(さらにはその留学生の先生=かつての留学生)は、「とにかく厳しく指導をお願いします」ということが多いのです。まあ、最近の先生は元々そう怖くはないですから(私がその典型ですが)、厳しく叱られるくらいがちょうどいいのかも知れません。昔はとにかく先生というものは非常に怖かったので、激しく怒られたらもうお終(しま)いだ、といわんばかりに戦々恐々としていたものです(もちろん、今でもそういう先生はいないこともないでしょう)。

 厳しく指導をする。けれども、言葉で言うのは簡単ですが、これはけっこう、難しいことなのです。一番厳しい指導は、たぶん、上に述べた無言の返却でしょう。指導を受ける者にとって、これほど大変なことはありません。しかし、考えようによっては、高い能力を持つ者に対しては、実はこれこそが一番、身につくやり方なのかも知れません。でも、現在の通常の学生に対しては、硬軟織り交ぜて、その都度の状況に即して対応するということしか言えません。よい指導とは何なのかは、指導しながら、その指導を修正していくほかにないのです。これもまた、一種の「ノイラートの舟」であると言えます。

 というわけで、例によって何も言っていないような記事です。しかし、取りあえず、何ごともまずは基本から、ということは言えます。私のゼミでは、最初に、資料の作り方、紙の綴じ方、資料番号の振り方、引用の仕方、出典の書き方についてやります。それから、口頭発表の仕方(時間厳守)、起承転結、結論は短めに……

【参考】
→初学者へのアドヴァイス集
Project Mのメニューとしてあったリンク集を、こちらのブログにコピーしました。

初学者へのアドヴァイス集 

2012年07月28日(土) 18時09分

(再変更)【会場再変更】第5回 1950年代日本〈映画-文学〉相関研究会案内 

2012年05月23日(水) 13時59分
2012年6月19日更新
■日時 2012年6月23日(土)13時〜17時30分
■会場 北海道大学 経済学研究科棟3階301会議室

《来聴歓迎》

□特別研究発表
『浮雲』における2つの戦後
山形大学専任講師 大久保清朗
   〈コメンテーター〉
北海道大学大学院准教授 阿部 嘉昭

□研究発表
特集 映画において〈原作〉とは何か
〈原作〉には刺がある ―1950年代日本映画における日本文学―
北海道大学大学院教授 中村 三春
野間宏他著『文学的映画論』の位置
立教大学特別研究員(PD) 友田 義行
アニメーション映画における「原作」の効用 ―1950年代テクストを探るために―
専修大学准教授 米村みゆき

科学研究費  基盤研究(C) 課題番号22520120
「1950 年代日本映画と日本文学との相関研究」(研究代表者 中村三春)


(発表要旨は「続きを読む」をクリック)
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