「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」(2012・米)

February 10 [Sun], 2013, 20:32

アン・リー監督映画
「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」を観てきました。
原作はヤン・マーテル著「パイの物語」です。
とは言っても、原作は未読。

映画館で散々予告編は観たものの
単なる動物と少年の漂流物語と見えて
イマイチ興味が湧かなかったのですが、
ある時この映画のネタバレ感想を見かけて
俄然興味が湧きまして。
どうやら2通りの物語になるらしいんですよね〜。

という事で、IMAX 3Dにて鑑賞してきました。
まあ、私には正直IMAX 3Dと普通の3Dの違いが
よく判らないんですが……。
映像はきれいでした。

ストーリーは以下の通り。

「カナダ。
 とある小説家(レイフ・スポール)が
 カフェで知り合ったインド人老人の紹介を受け、
 インド人男性パイ・パテル(イルファン・カーン)の家を
 訪れていた。
 彼は驚くべき物語を知っているという。

 小説家の求めに応じて、
 パイは自らの物語を語り始めた。

 パイという名の由来。
 動物園を経営する実業家の父の元で育ったこと。
 幼年期の宗教体験。

 そして、16歳のパイ(スラージ・シャルマ)が
 家族と共に動物たちを連れて
 インドからカナダへ船旅で移住する際に
 嵐に遭い、
 獰猛なトラと共に漂流した事を……」


あらかじめネタバレを読んでしまっていると、
映し出される映像の二重の意味を
つい考えてしまいます。
いいんだか悪いんだか。

私は観た人にだけ判るように書こうと思います。
もう一つの物語の衝撃は、事前に知らずに味わった方がいいかと。

というのは、「もう一つの物語」は結構えぐい内容でして。
(原作本のその箇所だけチラ読みしました)

別にえぐい事は映像化されていないので
お子様でも観るには安心な映画なのですが、
私の頭の中では
ドパルデューのコックさんが凄惨な笑みを浮かべています。
そのための「チョイ役でもジェラール・ドパルデュー起用!」だよね。
パイ少年と長時間を共に過ごすトラ、”リチャード・パーカー”も
ネタバレを知っているかどうかで見え方が変わってきます。

無心に見れば、CGとは思えないほど精密に作られたトラちゃん。
可愛い……?と言えなくもない。
さっさとパイに飼い慣らされちゃえばお互い楽になれるのに
懐くどころか襲ってくる辺り、やっぱり猛獣です。

ただ、ネタバレ知っちゃってるとなあ。

序盤では船のテント幕の下が定位置で、
隠れ場所から常に突然姿を現すという動きが
意味深ですよね。
漂流生活で弱ってくるとパイとポーズが似てきたりするし。

終盤で出てくる浮島については
事前にトンデモ解説をいくつか見かけたので
何が現れるかと身構えていましたけど、
さほど捻って考える必要はないんじゃないかな。

島を横から見た形は
パイがインドに住んでいた時の祭りで登場する
神像と同じ形でしたね。
夜になるとイルカや魚をぐるぐると巻き込んで
溶かしていく池は
パイが子供の頃に目にした
ヴィシュヌ神の絵本に登場する
「宇宙が存在するヴィシュヌ神の口内」を連想させます。

つまりは、あれは神の島。

あの島のディテールの解釈よりも
大人のパイが島での体験の出来事を
「漂流が続き諦めかけていた時に
 あの島があったから生きようと思った。
 神が生きろと言った」
と捉えている事自体が重要なのでないかな。

あの島があったからこそ、パイが生き続ける意味がある。

逆にもう一つの物語のように島が無ければ?
パイは自分が生きている理由を判らないまま、
という事になります。
それはひどく生きにくい人生に違いない。

と解釈してみたものの。
うじゃうじゃいたミーアキャットだけは意味不明でした(苦笑)
あれだけいると、いくらミーアキャットでも可愛くないやい。

なお、この映画を観た観客は
二つの物語のうち、どちらかを自分でも選ぶことになります。
映画の構成上、どうしてもそうなりますので。

私の場合は
「もう一つの物語がいわゆる”事実”なんだろうけど、
 人間はリアルだけでは生きられない生き物だから
 事実には目をつぶり、あえて”トラの物語”を選ぶ」派かな。

そう言えば、最近神林長平の”敵は海賊”シリーズ最新刊
「敵は海賊 海賊の敵」が出たんですが、
こちらはこの映画とは逆に
ファンタジーを剥ぎ取ってリアルに持ち込む海賊のお話でした。
リアルだけでは生きられないけど、
ファンタジーも行き過ぎは良くないよなあ、と読んで思った。
ともあれアプロは可愛い。
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世界は無慈悲なまでに人とは関係なく存在する。 圧倒的な世界を前にして、人は自分と
はらやんの映画徒然草  April 29 [Mon], 2013, 7:41
映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日/3D鑑賞」★★★★
スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、
ジェラール・ドパルデュー出演

アン・リー監督、
127分、2013年1月25日より全国公開
2012,アメリカ,20世紀フォックス
(原題/原作:LIFE OF PI )






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「3D映像が苦手で2D上映を選んで見てるが
この映画は3Dの評判がいいのでiMAXで見た、
まさに海に浮かんでいるような映像は美しく
新しい3Dの可能性も見せてくれた、
生きる事は過酷だ
人は何故生きるのか
ギリギリの生の輝きを見ながら
映像の向こうに何かが見える気がした」


インドからカナダへ向かう船に
主人公の家族と
父の経営していた動物園の動物が乗り込むが
途中の嵐で舟は沈没してしまう。
16歳の少年パイは小さな救命ボートで
なんとか生き延びたが
そこには獰猛なトラもいた。


この設定で映画を2時間持たせるには
相当大変だぞ、
そんなことを想ったが
杞憂だった。



生きるためのギリギリの戦いがあるかと思えば
海で出会った生き...
soramove  February 14 [Thu], 2013, 7:25
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