ゲキ×シネ「髑髏城の七人」(2011年バージョン/ワカドクロ)

February 02 [Sat], 2013, 19:37

ゲキ×シネで「髑髏城の七人」(2011年バージョン、通称ワカドクロ)を
観てきました。

劇団☆新感線の人気演目の公演映像を映画館で上映する
ゲキ×シネですが、
「髑髏城」がゲキ×シネ化するのは
2004年公演の「アカドクロ(古田新太バージョン)」
同年の「アオドクロ(市川染五郎バージョン)」に続き
これで三回目。

ただ、今回のワカドクロが今まで大きく違う点は
従来作品では主演役者が
捨之介と天魔王という全く異なる役を
演じ分ける一人二役構成だったのを、
それぞれ別々の役者をあてるようにしたところ。

正直、市川染五郎バージョンのアオドクロが素敵すぎだったので
ワカドクロが舞台で上演されていた頃は
劇場までわざわざ行く気になれなかったのですが。
ゲキ×シネならまあいいか、と
上映終了間際になってようやく映画館まで行ってきました。

今回の主なキャストは

捨之介…小栗旬
天魔王…森山未來
無界屋蘭兵衛…早乙女太一
極楽太夫…小池栄子
兵庫…勝池涼
沙霧…仲里依紗
贋鉄斎…高田聖子
三五…河野まさと
磯平…礒野慎吾
狸穴二郎衛門…千葉哲也

となります。

天正十八年、豊臣秀吉が小田原攻めを計画していた頃。
天魔王と名乗る男が関東髑髏党を率いて
天下取りを狙っていたが、
因縁の糸に引きずられるかのように
天魔王に対抗する人々が集まって、というのが
この芝居のざっくりとした筋。

あ、天魔王は悪役ですから。念のため。

アオドクロを観たのは何年も前ですから
話の筋もすっかり忘れたつもりでいたのですが、
結構覚えているものですね。
「無界の里」が出てくる早さにまず驚きました。

で、そんなつもりはなくても
どうしても記憶の中のアオドクロと比べちゃうんだよな〜。

これが「髑髏城」を観るのが初めてならば
満足感はそこそこ得る事が出来たと思うのですけど、
以前の公演を観ちゃっていると
物足りなく思えたのも確か。

どろどろした情念がもう少しあった芝居だと思うのですが、
割とライトな感じがしたんですよね。
役者陣が若いせいか、時代の流れなのか、
一人二役をやめたせいなのか。どれだろう。

まあ、一番物足りなかった点は
捨之介と天魔王の一人二役設定が消えて
同時に「二人はかつて同一人物の影武者だった」という設定まで
消えちゃった事かなあ。

影武者設定を消しても
「天の男、人の男、地の男」って用語は残っているのが
少々違和感がありました。
あれは影武者設定があればこそ心に響いた用語だったと
思うのだよ。

以前の芝居だと
亡き殿と捨之介、天魔王で三人一組という組み合わせでしたが
今回のワカドクロだと
捨之介、天魔王、蘭兵衛で三人一組という
組み合わせに変わっていました。

うーむ、蘭兵衛は嫌いじゃない。
嫌いじゃないがそのポジションチェンジには違和感。

違和感と言えば、仲里依紗の演じる沙霧にも違和感が。

沙霧のイメージって、一見すると少年にも見える
大人になりきってない少女のイメージだったんですが
里依紗だと既に大人じゃん……。
手足も長すぎで、時代劇にはあまりはまってないよなあ。

と首をひねりつつも、
終盤には殺陣シーンが連発することもあって
なんとか世界には入り込めていたのですが。

ラスト近くの狸穴二郎衛門の
「馬引けーい!」のセリフでがっくり来ちゃった。

あのセリフ、アオドクロでは
かっこいい決めぜりふと聞こえたんですが
今回は何でもないセリフのように映像処理されておる……。
あそこ好きだったのに。

そして、更にラストの捨之介の
「柄じゃねーよ!」セリフでがっくりと。
染五郎のあのセリフは好きだったけど、これはなんか違う……。

まあ、そこかしこに違和感を感じ続けた理由は
旧バージョンで演じた役者陣が
別の役を振られて
新バージョンの役者と一緒の舞台に立っていたせいも
あるのですけれどね。

高田さんと小池栄子が並んで立っていると、
どうしても「新旧の極楽太夫がここに!」とか
思っちゃうんですよね……。
思わなきゃいいんだけど、思ってしまうものはしょうがないんだ。

今回の役者に関しての感想は以下に。

小栗旬の捨之介は、
今回「女好き」設定をとっぱらったそうで
単にいい人って感じ。

舞台映えはするけれど、
時代劇の必須項目と言える
和装の男から匂い立つ色気は
残念ながら感じ取れず。
普通に「いい人」止まりだよなー。

森山未來の天魔王は、
常に狂気!狂気!で突っ走るかと思いきや
軽くおどけ口調も入ってきたりして
何を考えているか判らない不安定な人格と見えました。
その不安定さ加減が意外にはまっていたので
これはこれでありかな。

でも一人二役設定ではないから
「捨之介と天魔王は顔が瓜二つ」という
シチュエーションは使えず。
台本は上手いこといじってはありましたけど。

早乙女太一の蘭兵衛は
声を張っている時は迫力があっていいのですけれど
普通の声で話している時はちと迫力不足かなあ。
殺陣は大変美しかったですけどね。

小池栄子の極楽太夫は良かったです。

関八州荒武者隊の兵庫は結構良かったかな。
最初はどうかな、と思ったけど。

高田さんの贋鉄斎は、
思ったよりおばちゃんくさく作ってあって
びっくりしましたわ……。
あそこまでおばちゃんにせんでも。
捨之介に一瞬迫った後で「あたしったら!」と
一人芝居やってるところが面白かった(笑)

まあ、なんだかんだ言いつつも
久々にパンフ買ったりしてしまう位には
いい出来ではありました。

でも、やっぱりアオドクロのが好きなんだよなあ。
もう一度アオのDVDが観たくなってきた。

ところで、かつてアオドクロ主演を務めていた染五郎は
今月から舞台復帰のようです。
良かった良かった。
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