限定的、『ウェブ人間論』

December 26 [Tue], 2006, 3:22
ウェブ人間論ウェブ人間論
梅田 望夫 平野 啓一郎

新潮社 2006-12-14
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 遅ればせながら『ウェブ人間論』を読了したので、簡単に雑感を。

 これは、一にも二にもキャスティングの妙であって、少なくとも売上という面では、この時点で八割がたは成功が保障されていたと言うべきだろう。
 ネットの「あちら側」の住人のメインストリームをひた走る梅田望夫氏と、芥川賞を受賞することにより若くしてレガシィを体現する側に身を置く平野啓一郎氏が、「あちら側」と「こちら側」が交錯(あるいは錯綜)している状態に対して、それぞれの立ち位置から意見を述べ合い、それぞれの立ち位置を再認識しあった。その過程において、ほんの少し互いの人格に影響されるも、それはむしろ自身の見解の深化へと向けられた−。
 「東京で二度に分けて行われ、それぞれ延々ぶっ続けで八時間にも及んだ」邂逅の印象を要約すると、そんな感じになるかしら。
 著者二人以外にとっての意義としては、たぶん、2006年のウェブを巡る社会の「記録」としての存在価値が重いのではないか。例えば20年後に、2000年代にインターネットが与えた影響を考察するためには、外すことのできない重要な「年代記」になり得るだろう。
 一見、文芸誌の特集の方が相応しいように感じる企画を、新書という媒体で世に出した意味は、そのあたりに帰結するのではないかと思う。ちょっと楽観的かもしれないけれど。

 しかし。「はじめに」で平野氏が『ウェブ進化論』について「読後の興奮に静かに浸っているのではなく、やむにやまれぬ何かに突き動かされて、もう次なる行動に移っていた」と記されたようなことには、この対談では残念ながらそこまで至っていないのではないか?
 個人的には、2月の時点と比して「Web2.0」を巡り懐疑論も出始め限界らしきものも見え出していて、それに対する答えが明快にはならなかったことが原因のように感じられた。

 

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