『「電波」の処方箋は読み手のリテラシー』あとがき

August 03 [Fri], 2007, 16:20
 そんなわけで、『メディア・イノベーションの衝撃』に寄稿させて頂いた感想なんかを、つらつらと記そうと思う。もしかして、コラムの分量よりも長くなっちゃうかも(笑)。

 まず。事実としてこのブログは泡沫で影響力も極小で、なおかつこのブログをやっているという以外に私の素性は何も担保されていないわけですよ。だから、この場で展開されている600近いエントリーを除けば、ほんとのほんとに何にもない。DJ研が開催されていた2006年初夏から2007年1月にかけて行われたディスカッション時はアダルト系出版社にいたし今は自宅警備員なわけだし。他の皆様と違って、木っ端な存在。
 唯一の担保であるこのブログも、どっかからの圧力うんぬん以前に、ヤプログのサーバーがクラッシュしたり私自身のミスなんかであっさりと全部消えてしまうぐらい脆弱なものだ。
 そういった存在でも、ほんのちょっとの行動力と積み重ねた言説があれば拾われる可能性がある、ということに意味を感じつつ、同時に「添え物は添え物らしく」という名前が印刷物に残る、ということを、素直に嬉しく思っています。

 私にとっての「ちょっとの行動力」のうちには、闖入者と思われることを承知でDJ研に参加させて頂いたことも含まれる。まぁ、未だにそういう感覚が抜けないところはあるけれど(笑)。
 このブログで、私はしばしばメディアに批判的な立ち位置からエントリーを書いていたし、その当事者と顔を合わせることは控え目に言ってもチャレンジングだったけれど、実際にどういう人なのか見てみたいという好奇心のほうが先に立ったわけだ。
 自分では、DJ研に参加する前と後で、当事者に対する舌鋒が鈍っているつもりはないのだけど。こればっかりは読んで頂いている方々に判断して貰うしかない。

 DJ研は特設ページの「発言者一覧」をご覧になれば分かるように、現役・元新聞記者から、研究者、フリージャーナリスト、市民メディア運営関係者、ブロガーまで、さまざまな立場のひとが入り乱れている。「ネット時代のメディアのありかた」を研究する場に集ったのはいいけれど、結局は同床異夢なところが浮き彫りになった、とも言えそう。その点は、橋場義之先生の序文でも、「結論は何か、と問われれば、確たるものを提示できていないといわざるを得ない」とある通りだ。
 では、この本にどういう意味があるのか、といえば、この連続討論のログ、という以上でも以下でもないのだと思う。「ここ、オフレコじゃなくていいの?」と思った箇所まで、忠実に公開しているし。確かに書籍という形態を取ってはいるけれど、何気にこの本のフレームの部分はブログっぽい文脈で構成されている。多少身びいきな感想かもしれませんが。
 要するに。この本は何らかの変化のはじまりなりきっかけなりになって、はじめて意味のあるものになるんじゃないかな、と個人的には考えています。

 会議に参加していての感想は‥といえば、新聞業界のひと(OBも含めて)はほんとうに新聞のことが好きなんだなぁ、と(笑)。
 一番印象に残っているのは、オーマイニュースを取り上げた第三部のディスカッションの前に、「(オマニの)市民記者は、既存の新聞と比較すると投書欄に近いと思うのですが、投書欄もジャーナリズムといえるのですか」という質問を投げかけたのだけど、関係者の方々が皆「そんなこと考えもしなかった」といったお顔をなさっていたことかしら。
 それを見て、失礼だけど既存メディア側の存在意義を規定するための「ジャーナリズム論」にあまり意味を見出せなくなった。それよりも、読み手の側が「ジャーナリズム」だと感じる記事がいかに伝播していくか、そのスキームが今後作りだせるのかどうか、というほうがずっと重要なんじゃないか、と感じた。
 あとは、仕方がなかったとはいえ、運営を非公開にしていたのは、後々禍根をもたらすかもなぁとは思っていた(コラムで「アカウンタビリティー」に触れたのもそのため)。秋より再開される研究会では公開も検討しているそうなので、徐々にでも垣根が下がる方向になるだろうし、より専門的な展開も考えられるのではないかと期待したい。
 とにかく、新聞業界を守りたい、とお考えの方は頑張って守って頂ければいいと思うし、検索エンジンの問題を追及したいひとは、とことん追及すればいい。問題意識のあるひとが、その問題に取り組むことによって、社会は回っていくんだよ。‥なんて当たり前過ぎるけれど思いました。

『メディア・イノベーションの衝撃』シンポ感想

July 31 [Tue], 2007, 22:00
 7月30日、『メディア・イノベーションの衝撃』発売記念シンポジウム「検証:ポピュリズムか集合知か ネット選挙の行く末」が開催され、なんとか無事に終了致しました。
 「なんとか」、というのは告知期間が短く集客に苦戦していたから!(笑)
 FPNの予約数が全然伸びなくて内心「やべー」という感じだった(某氏は超焦っていた)のだけど、「Yahooみんなの政治」のトップにリンクを張って頂いたおかげでヒット数が一気に伸びました。やっぱりポータルすげー。
 他にも「週刊ビジスタニュース」で紹介して頂いたり、いろいろな方がブログやサイトで取り上げて頂いたりしてじわじわと予約数も増え、最終的には約60名の方々にお集まり頂きました。
 天候が不安定な中、いらっしゃった皆様に心から感謝致します。

 シンポの模様は、ImpressWatchの増田覚記者の記事をご参照頂ければ、と思います。

 「ネット世論に信憑性はあるのか?」インターネット選挙の今後を議論

 と、ここまではポジショントーク。
 私は受付やっていて聞いていたり聞いていなかったりしていたので、感想レベルのメモを以下に記しておきます。

『メディア・イノベーションの衝撃』シンポ開催

July 30 [Mon], 2007, 18:30


 <7/23 15:00記>
 この記事は、7月30日18:30に設定されております。

-----------------------------------------------------------

 拙エントリーでも触れましたが、『メディア・イノベーションの衝撃』の刊行記念シンポジウム「検証:ポピュリズムか集合知か ネット選挙の行く末」が、参院選投票翌日の7月30日18時30分より上智大学四谷キャンパス7号館14階特別会議室にて開催されます。

 デジタルジャーナリズム研究会を主宰なさっている橋場義之上智大学教授を司会に、佐々木俊尚氏や『ガ島通信』様、『H-Yamaguchi.net』の山口浩駒澤大学准教授がパネリストとして登壇され、選挙結果を踏まえつつ、選挙とインターネットの関係について、ネットでの取り組み、ネット世論、新聞・テレビなどの既存メディアとネットの関係について議論する予定になってます。

 参加費は500円。大学生・大学院生の方は無料です
 全員無料になりました。

 お申し込みはFPNのフォームよりお願い致します。

  -----------------------------------------------------------

 <7/31 2:00記>
 悪天候が心配されましたが、イベントは無事に終了致しました。
 ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございました。

 

『メディア・イノベーションの衝撃』参考文献

July 29 [Sun], 2007, 23:18
 (P20)

ブログ 世界を変える個人メディア
ダン・ギルモア 平 和博
朝日新聞社 (2005/08/05)
売り上げランキング: 173486


 (P41)

ウェブログ・ハンドブック―ブログの作成と運営に関する実践的なアドバイス
レベッカ ブラッド Rebecca Blood yomoyomo
毎日コミュニケーションズ (2003/12)
売り上げランキング: 228607


 (P122)

「みんなの意見」は案外正しい
ジェームズ・スロウィッキー 小高 尚子
角川書店 (2006/01/31)
売り上げランキング: 7080


『メディア・イノベーションの衝撃』関連リンク(下)

July 25 [Wed], 2007, 23:30
 前のエントリーに引き続き、『メディア・イノベーションの衝撃』で言及がある事象に関するリンクを淡々と列挙してみます。ちょっと厭きてきたのは秘密だ!
 本文脇の注釈のほかに、parsleyが個人的に踏まえておくべきと考えるものも参考として掲載されてあります。

 ■第5部 ネット上のロボットが、流行を作り、世論を誘導する
 P155:初めて出会ったブログの信頼度を調べる3つのテクニック
 P159:『悪徳商法マニアックス』(参考)
 P161:Spike the Vote: Diggをねらう別種のガン登場
 P168:インターネット上ではびこる浅はかなナショナリズム
 P168:2ちゃんねらーに釣られたオーマイニュース編集部
 P169:通信の秘密を含む個人情報の漏えい事案に関する株式会社エヌ・ティ・ティ・データに対する措置
 P173:荒らしプログラム-Wikipedia-(参考)
 P174:NoranaiNews:ノラナイニュース
 P175:アルファブロガー投票企画 −ベストイレブン発表−(参考)
 P178:「口コミ」マーケティングは悪か?消費者団体、FTCにバズマーケティングの調査を要請 -CNET Japan-(参考)
 P178:企業とブロガーの関係に関する調査結果(pdf)(参考)

 ■第6部 "無邪気な巨人"グーグル・ジャーナリズムの功罪
 P183:オーバーチュア
 P183:Google AdWords
 P183:日本ビデオニュース社
 P183:検索連動型広告運営会社(ヤフーの子会社オーバーチュア)を提訴〜恣意的な広告掲載拒否を理由に -情報流通促進計画-(参考)
 P184:「Google八分の刑」という難問 -圏外からのひとこと-(参考)
 P197:Google検索 グロービート の検索結果(参考)
 P198:『池田信夫 blog』
 P199:【業務連絡】Google AdSenseのリンクを停止 -たけくまメモ-(参考)
 P206:削除依頼(入口)@2ch掲示板(参考)
 P210:テクノラティジャパン
 P211:イザ!
 P220:Divided We Stand... Still
 P222:10 Ways to Eliminate the Echo Chamber

 ■第7部 ネット世論とサイバーリテラシー
 P228:Flickr: フリッカー
 P228:livedoor Blogの著作権に関わる利用規約改定にユーザーから不満の声が -INTERNET Watch-
 P229:コメント欄について -Grip Blog <Archives>-(参考)
 P237:CyBazzi!(参考)

 

『メディア・イノベーションの衝撃』関連リンク(上)

July 25 [Wed], 2007, 22:30
 『メディア・イノベーションの衝撃』で言及がある事象に関するリンクを淡々と列挙してみます。暇だからな!(うえけん風)
 本文脇の注釈のほかに、parsleyが個人的に踏まえておくべきと考えるものも参考として掲載されてあります。

 ■第1部 ネット時代の"ジャーナリズム"とはなにか
 P9:Wikipedia(日本版)
 P10:はてなキーワード
 P15:『isologue』
 P16:佐々木俊尚の『ITジャーナル』
 P19:『きっこのブログ』
 P24:Google について(参考)
 P33:雑誌「Tarzan」元編集長のブログ騒動(参考)
 P35:2ちゃんねる
 P40:はてなポイント
 P43:オーマイニュース(日本版)

 ■第2部 ブログは報道機関になりうるか
 P50:JanJan
 P52:[R30]:メディアビジネスのバリューチェーン(最終回)
 P53:ITpro ビル・ゲイツ氏引退の舞台裏
 P53:古川 享 ブログ: 日経BP ITPro殿に、苦言(参考)
 P54:『世に倦む日日』
 P55:『絵文禄ことのは』
 P55:GripBlog「民主党 ブロガーと前原代表との懇談会」の参加者(参考)
 P55:旅に出ようか(zoniaのブックマーク) / ことのはを巡る(参考)
 P55:「ことのは」問題を考える:佐々木俊尚 ジャーナリストの視点(参考)
 P55:『404 Blog Not Found』
 P55:絶対的正義は絶対的少数-404 Blog Not Found-(参考)
 P56:Matimulog:市会議員のWeb名誉毀損(参考)
 P62:電波系-Wikipedia-(参考)
 P63::アルファブロガー2005 結果発表(参考)
 P64:「マスコミたらい回し」とは? 医療現場で起きていること -天漢日乗-(参考)

『メディア・イノベーションの衝撃』にコラムを寄稿しました。

July 23 [Mon], 2007, 2:40
 7月23日に日本評論社から発売される『メディア・イノベーションの衝撃』に、『「電波」の処方箋は読み手のリテラシー』というコラムを寄稿しました。
 この本は情報ネットワーク法学会デジタル・ジャーナリズム研究会で2006年春より2007年初頭にかけて開かれた連続討論を書籍化したものです。研究会には、私も末席で参加させて頂いておりました。

 しかし、ディスカッション・パートの自分の発言を読み返すと、レベル的にどうよな明後日で極端なことばかり言っていて赤面もの。巻末の発言者紹介を一見すれば分かるように、自分だけ500枚は格下なので、緊張して舞い上がっていました。何卒ご寛恕頂ければ幸いです。


profile
Name:Parsley
Birthday:1976/4/8
Point:首が長い。つまりエロい
Favorite:エイガにケイバ
タバコ:Davidoff GOLD
ウィスキー:アーリータイムズ
おしごと募集!!
カワサキシティーで布団と同化中
コメントは返したり返さなかったりです。
parsleymood@gmail.com
さらに詳しいことはこちら

2007年08月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
アイコン画像
» 『アゴラ』がマズい3つの理由 (2018年03月21日)
アイコン画像son moi
» さいきんのお仕事 (2018年03月09日)
アイコン画像sns
» どうせなら良い「踏み台」になりたい (2017年04月10日)
アイコン画像ぱよちーんキラー
» 森友学園をネットメディアが取り上げるのは難しいと思う件 (2017年02月27日)
アイコン画像Tomoki Furukawa
» なんとか生き残った・2016 (2016年12月31日)
アイコン画像アオキ
» ブログが読まれるために必要な「突破力」 (2016年08月08日)
アイコン画像ししゃも
» ブログが読まれるために必要な「突破力」 (2016年08月07日)
アイコン画像香菜
» ブログが読まれるために必要な「突破力」 (2016年08月07日)
ランキング