死の都 千秋楽

December 30 [Thu], 2004, 10:28
主役のグールドが不調のため演技のみ、代理歌手がポータル前に譜面台を置いて歌う、という異例の公演。グールドは大変だったと思いますが、迫真の演技を見事果たしました。poohさんありがとうございました。

バイロイトのオランダ人

December 29 [Wed], 2004, 2:37
トリッキーな装置。装置は全編を通して一杯(ひとつ)だけです。ホテルの一室みたいなところですね。よく観ると、センターで分けて鏡対称になっている部屋だとわかります。この写真でわかるかな?上部はさかさまの世界なのです。椅子がひとつ。

これは冒頭の船乗りたちの場面。まるで妄想の中のドラマ仕立てです。たとえば、ゼンタは3人も出てきます。子供ゼンタ、大人ゼンタ、おばあさんゼンタ(ばあや役のマリーがゼンタとなる)と。

そしてダーラントは2人出てきます。ダーラントと、オランダ人。3つ目の写真は、ダーラントとオランダ人が出会った場面。まるで双子。ダーラントは夢なのか現実なのかわからなくなり、混乱してしまいます。
これは幽霊の合唱の場面。女声合唱はメイドさんの格好でダンスも踊ります。男性のダンスもよく稽古されていて、見ていてとても楽しい。

決定的なのは、最近よくある演出だそうですが、ラストでゼンタは救済できない(!)こと。これは観ていてやはりかなりショックです。ゼンタは救済しようと、この上部のドアに飛び込むのですが、ドアは「開かない(!)」。救済モチーフが鳴り響く場面で、ゼンタは絶望し崩れ落ちます。なかなか異化効果としては絶妙。

この演出は、意見が分かれるところでしょうね。やっぱり意味不明だし。私は、楽しめました。

バイロイトのタンホイザー(8月)

December 29 [Wed], 2004, 2:08
フィリップ・アルローの装置・照明・演出を簡単にご説明。
アルローは照明の使い方が非常ーーーーにうまかったです。ここまで気合入れた照明は私ははじめて見たかも。この照明なしにこの演出はありえない、といった感じ。演技は歌手に任せている部分が多い印象です。昨年がプレミエで、今年は2年目でした。

 一幕のヴェーヌスの場面。小さいアクティングエリア、そして氷のようなヴェーヌスの世界で、幾何学的な装置?とちょっと意味不明な肉体の彫像がおいてあります。この彫刻は今年かららしい。舞台がこじんまりとしてしまい、この場面は結構辛辣に批判されていたそうです。非常に明確な装置ですが、わかりやすすぎるのかもしれなかったですね。妖艶な女性の助演が美しかった。

そして見事な場面転換が。このヴェーヌスは舞台ごとひょいーっと飛んでいって(!みんなびっくりしてました)、そしてタンホイザーが目を覚ますと、この不思議な花畑にいるのです。それはそれは綺麗な花畑で、野田秀樹のマクベスや、ウーゴ・デ・アナの愛の妙薬みたいな、息をのむような美しさ。色あいはこの写真ではわかりにくいですが、黄緑色と赤い花、そして青い衣装の登場人物、奇怪な通行人、このあたりが不思議の国のアリスっぽかったです。

2幕。合唱の衣装はかなり凝っていて、うーんと、ガンダムみたい!と私は思いました。戦闘服っぽい固い衣装で、かーなーりー予算がかかっているそうです。演出、動きはいたって普通。途中で合唱が奇妙な動きを見せるのが少し気になる。この幕も、衣装と照明で楽しむようにできています。

3幕。エリザベートとそれを追うヴォルフラム。1幕後半と全く同じ装置ですが、照明で違いを出しています。その後ローマ語りの後、ヴェーヌスが出てくると、すべてが紅に染まります。鮮やかで綺麗。ヴィーラント・ワーグナーもこうだったのかしら・・などと思いました。ヴェーヌスがせりで出てくるのがちょっとむなしい。

ラストの巡礼場面。


ここだけの話ですが、スタッフがおみやげにこの花畑の花を一本くださいました!花泥棒は罪にならないのかな?私の宝物で今も飾ってあります。

ヘンゼルとグレーテル 

December 23 [Thu], 2004, 4:23
フォルクスオパーの20年前のプロダクション(演出)だそうです。
オーソドックスで地味といえば地味ですが、味があって本当に素敵でした。

グレーテル 中嶋彰子
魔女 ハインツ・ツェドニク
がさすがよかったです!

詳しくはまたアップします。

映画 誰も知らない 

December 22 [Wed], 2004, 23:06
やっと観れました。日本語上映・ドイツ語字幕だったのでよかった。

とてもいい映画でした。期待してた通り。また観ます、きっとなんども。
まぁかなしい内容ではありますが、彼の映画って観ていて悲しくなったりならないのが不思議。こころの奥底では疼くような混乱したいろんな感情がこみ上げてくるし、そういうことを感動というのだと思いますが、それはとても静かなもので、感動ということばはしっくりこないなぁ、しかしこういうものがそもそも一番大きな感動なんだろうなぁ、と思うのです。涙をぶわっとださせるような映画は、やっぱりうそっこで、作りものなんじゃないかな、と。(映画「愛を乞うひと」とか。私が不覚にも唯一泣いてしまった映画。でも実はこれは照明とか音楽とかよくできすぎ、くやしいー!)

是枝監督の作品はまだ全部は見ていませんがどれも私はとても好きで、彼の映画の空気は自分を自然と目覚めさせてくれる、そういう時間を作ってくれる、という感じがします。
今回の「誰も知らない」も、とたんに自分をこどもに戻してくれて、こどもの時に感じたいろんなことを思い出させて、映画の間、ずっと主人公に感情移入してしまいました。高円寺の風景も懐かしいなぁ。

中学生役の韓英恵が抜群の存在感を持っていましたが、彼女は鈴木清純の「ピストルオペラ」の美少女だったのですね!女の子ってあっという間に大きくなるのだなぁ。彼女はめちゃくちゃいい女優になるだろう、と将来が楽しみです。

是枝監督作品の「ワンダフルライフ」は、私のもっとも好きな映画のひとつです。とってもおすすめ。小田エリカかわいいです。是枝さんは、キャスティングだけでなく、いつもスタッフ選びがすごくうまくて(私の大好きな方々が使われていたりして時々びっくりする、衣装の北村道子さんとか・・)、コーディネーターとしての監督としても学ぶことが沢山あります。

2004年 私のお気に入り演出

December 22 [Wed], 2004, 6:11
1 「キダム」 シルク・ド・ソレイユ東京公演 3月
2 「イレローエ」ウィーンフォルクスオパー 12月 オリヴィエ・タンボージ演出
3 「オセロー」 ロイヤルシェイクスピアカンパニー G・ドーラン演出 5月
4 「椿姫」ウィーンフォルクスオパー ハンス・グラッチャー演出 9月
5 「ファルスタッフ」ウィーンシュターツオパー Marco Arturo Marelli演出 9月
6 「死の都」ウィーンシュターツオパー ウィリー・デッカー演出 12月

7 「ラ・ボエーム」小澤音楽塾 ロバート・カーセン演出 4月 
8 「ドン・カルロス」 ウィーンシュターツオパー P.コンビチュニー演出 10月
9 「さまよえるオランダ人」 バイロイト音楽祭 クラウス・グート演出 8月
10 「タンホイザー」 バイロイト音楽祭 フィリップ・アルロー演出 8月
 

 どれもいい演出でした。ここの順序はあまり意味がありません。それでも演出という意味ではシルクドソレイユがダントツに素敵でした。写真はキダムより。
 

ミュージカル エリザベート

December 20 [Mon], 2004, 4:18
 はじめてTheater an der Wienへ行く。純子ちゃん、やっと行けたよー!久しぶりのミュージカルだったが、このミュージカル独特の雰囲気がまったく日本のミュージカル集団、宝塚、四季、東宝などのものと同じだったのに驚く。この音楽も、私は「日本的な旋律・ノリ」と思い込んでいたが、そうではないのだな、とわかった。お客さんのノリがすごい。アイドルを追っているよう。演出、音楽のテイストも、私が普段接しているオペラの美意識とは違う美意識で、それがまたお客さんのハートをぐっとつかんでいるのだから、おもしろい。

 まるで遊園地にいて、ぐるぐるアトラクションを体験するように、次々に(ちょっと安っぽいが)いろんな場面が転換し、あっという間にエリザベートの一生が終わる。装置の転換は時々かなりびっくりするような仕掛けで、すごい!どうなっているんだ!と思う。先日の「死の都」のように、オペラは、一杯の装置でいかにいろんな見せ方ができるのか、そういう思考が割と基本だが、ミュージカルはそうではなく、くるくる変わる。

 そして驚いたのが、演出ハリー・クプファー。私はクプファーのオペラ演出はかなり好きなのだが、今回の演出は、クプファーらしさが少ない気がする。再演だからかな。よく思えば、装置の使い方(ちょっとパルジファルの装置ぽい)、コーラスの使い方、照明の色使いなど、クプファーらしい懐かしさが見受けられるが、オペラで見られるクプファーの重たい感情表現や厳密な心理描写に合わせた動きなど、一番大事な部分はここでは随分軽くなってしまっている気がした。ヘンな装置も多い。それにしてもカフェの場面などはコーラスがゴーカートに乗って新聞を読んでおり、非常におもしろかった。売春宿、乗馬の場面なども、皮肉的に安っぽく、このあたりはとってもクプファーらしい、痛快。

チェネレントラ こども版

December 19 [Sun], 2004, 4:01
 Inszenierung: Achim Freyer
Buehnenbild: Maria-Elena Amos
Dramaturgie: Klaus-Peter Kehr
Licht: Klaus-Ruediger Wogatzke
 フォルクスオパーのキンダーオペラ。会場は満員。幼稚園児や小学生がほとんど。知人に、すっごくいいプロダクションだよ!と言われて行ったのだが、期待しすぎてしまった。衣装や色使いなどとても可愛らしいのだが、なんとなく退屈してしまう。このオペラってこども向けにいいのか、私はちょっとギモン。結局飽きてしまうこどもをなんとか引き付けようと、歌の後ろで躍らせたり、まったく違う芝居をしたりして工夫していたけれど、なんかそういうのってこどもだましで、本質的な物語の面白さというものは伝わってこない。王子さまはチェネレントラを愛しているようには全く見えなかったし、チェネレントラの性格もただ美しいだけのお人形さんで、人間的な魅力は感じられなかった。悪役のパパ・義理の姉たちも、本当にただ意地悪でまぬけなばかりで、おもしろくない。バロック風の、型に従うだけのオペラってこういう風だったのかな、王子様もお姫様も感情を表さず進行していったものなのかな、などと考えた。美術センスはかなりよい。イタリア語で上演し、とてもコミカルなロッシーニが語り部として、歌詞をドイツ語に通訳したり、客の機嫌をとりつつ物語を進行させる。彼のおかげでこどもたちはずいぶん楽しめたんじゃないか、と思う。

ウィーンフィル マーラー交響曲10番

December 19 [Sun], 2004, 0:49
楽友協会大ホール
指揮:ダニエル・ハーディング!
ウィーンフィル定期演奏会

 素晴らしかった!間違いなく私にとって2004年のベスト・コンサートとなりました!この演奏会、待ちに待ちに待ちに待ちに待った演奏会だったのですが、期待以上に素晴らしい体験となりました。土曜・日曜と2回行ってしまった。私はハーディングのファンですが、生で聴くのは今回がはじめてでした。マーラーの10番も自分にとって想い入れの深い大好きな作品です。

 演奏会が終わったいま感じるのは、こんなに繊細な作品が存在するんだなぁ、ということ。この世界の現前は強烈でした。このマーラーの世界に少しでも触れられたことに感謝します。

 ハーディングを見ていると、もっと自分も勉強しなくては、本気にならなくては、と思わせられますね。ごろごろしてるだけの私とは全く次元の違う御方でありますが・・。でも、終演後、人気のいない裏通りで偶然にも燕尾服を自分自身で運ぶ私服のハーディングが通りかかり、私はびっくりして声も出なかったのですが、ハーディングは私に気付いてにこっと微笑んでくれました。それを見て、とても幸せなのと同時に、やっぱり彼はちゃんと日常を生きてるんだな・・・と当たり前のことを感じました。

死の都

December 18 [Sat], 2004, 23:42







ザルツブルグ音楽祭のポスター。
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