第12回岡山CSメタゲームブレイクダウン

September 07 [Fri], 2018, 2:41
この記事では第12回岡山CSで使用されたデッキについて分析します。

2018年9月の環境はバスター、ジョーカーズの2大ミッドレンジが多数を占め、それをいかに受けるか・いかに攻め切るかという軸で語ることが出来ます。

まずは全体分布と上位分布を見てみましょう。

全体分布 参加者205名
バスター40(トリコ24赤青6多色4赤黒4クローシス1デアリ1)
ジョーカーズ33
デスザーク26
ブライゼシュート15
ダンテ15(チェンジザ11カウンター2シリンダ1成長1)
ゴゴゴ14(赤白8赤単6)
ハンデス7(ドロマー6青黒1)
赤黒デッゾ6
ゲイルヴェスパー6
ロージア5(青白3ドロマー2)
チェイングラスパー4
ルネッサンス4(白単3青白1)
ドラゴンビッグマナ4
デュエにゃん3
デリート3(ダーツ1ネオンクス1星龍ブライゼニス1)
バイク3(赤白2赤青1)
赤ジョーカーズ2
墓地ソース2
バキ2
チェンジザ覇道2
アカシックサード1
モルトNEXT1
5cランデス1
不死鳥NEXT1
チェンジザランデス1
ジャバランガループ1
ドロマーコントロール1
緑単ナゾマル1
アナインテリエイル1



予選成績優秀者40名(4-1以上)
ジョーカーズ8
デスザーク7
バスター6(トリコ4赤黒2)
ゴゴゴ5(赤白4赤単1)
チェンジザダンテ4
ロージア2(ドロマー1青白1)
ブライゼシュート2
ルネッサンス2(白単1青白1)
チェイングラスパー1
デュエにゃん1
赤白バイク1
ドロマーハンデス1



バスターとジョーカーズを合わせると73人と、実に3人に一人がこのトップメタを選択しています。
次いでコントロールデッキのデスザーク、カウンターデッキのブライゼシュートやダンテ系が続くような形となりました。

全参加者のうち最大派閥はドギラゴン剣を扱うデッキ。
様々なカラーの派生があるデッキタイプですが、その中でも人気だったのは火水光の3色をメインに扱うトリコバスターでした。
第12回岡山CS準優勝 カレールー(トリコバスター)

殿堂により《勝利のアパッチ・ウララー》《プラチナ・ワルスラS》を失ってもなお勢力は衰えず。
トリコ型は《絶対の畏れ 防鎧》によりデスザークやミラーマッチなどのトップメタに勝ちやすくなっているのが特徴で、その代わりに多色化による事故のリスクが上がっています。《月光電人オボロカゲロウ》の安定を取れる赤青型とどちらが良いかは環境によって選択していくことになります。
今回の岡山CSで予選突破したのはトリコ型が多く、ミラーマッチを意識したこの形が環境の解答かと思われました。
しかし、トップメタゆえバスターに対するマークはとても厳しく、母数に対し予選通過者は非常に少なくなりました。
3勝2敗ラインにバスターの使用者が多く、あと一歩で苦戦した印象です。
しかし、様々なカードを取り入れて進化していくのがバスターというデッキです。
赤黒バスターは4人中2人が予選突破するなどその片鱗が見えます。メタゲームの変遷に合わせて必ずや戻ってくることでしょう。



続いてジョーカーズはトップ8に4人進出とその力を遺憾なく発揮しました。
第12回岡山CSベスト8 ゆうや(ジョーカーズ)

《キング・ザ・スロットン7/7777777》《ポクチンちん》と強力なパーツの追加もあり、《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》の殿堂を乗り越えて今が全盛期かもしれません。
ゆうやさんのデッキでは《卍デ・スザーク卍》を超えるためのカードとして《サイコロプス》が取られています。トリガー《灰になるほどヒート》から《サイコロプス》で相手の攻めを止めるプレイも見受けられました。
ジョーカーズの弱点はカードプールに制限があることで、構築で差をつけにくいところを火文明の力を借りてしっかり仕上げてきました。
この基盤は今後も大会でよく見ることになるでしょう。



面白いことに、デスザークは地域によって構築に差があると言われています。
ここ中四国ではぎゃる男さん発祥の《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》をフィニッシャーに据えた型が流行っていました。
実際に参加者のほどんどはそちらの型を選択しており、サブイベントの優勝もゲキカラさんのユニバース型デスザークとなっています。
しかし、そんな中で入賞を果たしたのは兵庫からやってきたmarugaさんのラビリピト型デスザークでした。
第12回岡山CS4位 maruga(デスザーク)

《追憶人形ラビリピト》と《卍デ・スザーク卍》《卍ガ・リュザーク卍》による手札破壊コンボがデッキの軸であり、一度手札を枯らしてしまうとほぼコントロール成立です。
《ガヨウ神》の手札ため込みに対して強いのが特徴で、《追憶人形ラビリピト》が場にいる限り除去+フィニッシャーで攻め込むプランを取らせません。
コンボデッキ的な側面も持つため、パーツを探しに行く要素として《堕魔グリール》が3枚取られているのもポイントです。
《サイコロプス》のような非破壊除去が採用されだすなど、構築段階でデスザークを意識したデッキが生まれてきました。
大型大会ならではの他地域交流があり、今後の中四国メタゲームにどのような影響を与えるのか楽しみです。



第12回岡山CS3位 PARU(ブライゼシュート)

ブライゼシュートはクロニクルデッキから《トライガード・チャージャー》を得ています。
《フェニックス・ライフ》と同様にシールドを操作しながら《黒神龍ブライゼナーガ》の6マナに繋げることができ、シンプルに基盤が強化されました。
殴ってくる相手にはトリガーを踏ませ、コントロール系には《黒神龍ブライゼナーガ》1枚で勝ちにいける大振りな強さが魅力です。
特筆すべきは《龍装者 ジスタジオ》で、《偽りの王 モーツァルト》や《古代楽園モアイランド》などの強力なロック効果持ちが場を離れなくなるのがえげつないです。1枚刺しておくだけで《コクーン・シャナバガン》などから探しにいけるため、構築に負担をかけないのも良いですね。
相手がこのデッキなら《黒神龍ブライゼナーガ》からの爆発力を弱めるために早い段階でシールドをブレイクしておくべき、というセオリーもあります。
使う側も使われる側も細かいプレイが出るデッキなので、大会上位を目指すならしっかり練習しておきたいところです。



第12回岡山CS予選全勝 ちび(赤白ゴゴゴ)

今回、ベスト8には残らなかったものの《”轟轟轟”ブランド》を使った速攻デッキが活躍しました。
赤白ゴゴゴは光文明のメタカードと《ヘブンズ・フォース》が強みで、《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》《単騎連射 マグナム》を揃えることも構築上は可能です。
速攻デッキは踏むか踏まないかしかないと言われることもありますが、実際はブレイクするタイミングやアタックを我慢し溜めるタイミングなど細かいテクニックがあるデッキです。
相手のシールドトリガーにはどんなものが一般的なのか、それを最も効果的に踏み越えられるタイミングはいつなのか、そして踏んだら負けると分かっていても突っ込むべきタイミングなのか、様々な分岐点を楽しみましょう。
構築段階でも工夫できる点は多く、今回は1コスト枠に《転々のサトリ ラシャ》を採用している人がいました。
ブロッカーの無力化やトリガー《ヘブンズ・フォース》から出して《閃光の守護者ホーリー》のように扱うなど面白い使い方ができるカードです。
玄人向けのシブいチョイスしてくるねえと感心しました。


改めて振り返ってみると優勝は赤白バイクだったりルネッサンスが予選通過率が高かったりと、《奇石ミクセル》系のカードを上手く扱えるのが今回の勝ち組デッキだったように思います。
しかし、それは結果論でしかありません。
勝利に向けて必死に考えたならそれはどれも正解なのです。

勝負の世界は残酷で、でも、だからこそ面白い。
栄光を掴んだライオネルさんに改めてお祝い申し上げます。




さて、最後に運営陣が選んだ素敵なデッキを3つお届けしたいと思います。

第12回岡山CSピックアップデッキ トロワ・バートン(星龍ブライゼニスデリート)


デッキの半分が10マナ以上と狂ったマナカーブをしています。いや、カーブさせる気ないか……?
しかし、残り半分は全て重量級カードを踏み倒すための要素で埋め尽くされています。ただのおもちゃで終わらない爆発力が憎い。
《オールデリート》の欲深さがまた味を引き立てていますね。
予選1回戦で《伝説の禁断 ドキンダムX》を搭載した赤単ゴゴゴ相手にSトリガー《天運ゼニスクラッチ》《超絶奇跡 鬼羅丸》《オールデリート》を決めたこのデッキが文句なく今回のベストデッキ賞です。



第12回岡山CSピックアップデッキ ao(白黒デュエにゃん)


かつてデュエにゃんの聖地と呼ばれた岡山も、徐々にその使用者は減ってきて最近ではめっきり姿を見る機会が少なくなりました。
しかし皇帝はちゃんと爪を研いで捲土重来を狙っていました。
最初の異変は予選3回戦、対戦が終わったテーブルから「これ実績解除じゃないですか!?」。
何かと思えばデュエにゃんデッキ同士が2-0卓でミラーマッチをしていたのです。
世にも珍しいデュエにゃんミラー、これにはパック進呈です!
そのまま4-1で予選を通過したデュエにゃん使いに拍手。
面白いことに会場にはまだデュエにゃん使いがいて、それぞれが独自のチューンを施したデッキとなっていました。
トップメタに流されない、好きなものを徹底して磨き上げる姿勢は一つのお手本かも知れません。


第12回岡山CSピックアップデッキ とうちゃん(チェンジザサッヴァーク覇道)


運営を唸らせるデッキというものが存在します。
大抵話題になるのはやたらピン投が多いオボロティガウォックだったり《オールデリート》が入った5cバスターだったり、やりたいことがとっ散らかったクソデッキです。が、時折そんな中にキラリと光る面白いものがあるんです。
このデッキはとても綺麗に纏まっていて、やりたいことがビンビンに伝わってきます。
一見《斬隠蒼頭龍バイケン》なんかを入れたくなっちゃう見た目でもぐっと我慢し、《勝利龍装 クラッシュ”覇道”》《煌龍 サッヴァーク》《龍装艦 チェンジザ》全てを甘えず投入。この削ぎ落しの技術は感心するばかりです。
シンプルに欲望だけを詰め込むこの思い切りの良さは芸術と言って良いでしょう。



それでは、次回の岡山CSでも皆様の素敵なデッキが見られることを楽しみにしています。