神無月の宴事、その真意を知る勿れ

December 14 [Thu], 2006, 14:21
「人間を神とするなど・・・・!」
 青龍が目を剣呑に煌めかせた。侮蔑を含んだ口調で吐き捨てる。誇り高い彼からすれば、神と人間が同列に扱われるのが気にくわないのだろう。
 対照的な瞳を持つ勝先が、鼻で笑って呟いた。
「ふん・・・その人間の元に下った神がよくもまぁ偉そうに」
「何だと・・・!?」
 それははっきりと青龍の耳に届いた。青龍はいきり立ち、その気で纏う布が翻る。紅玉の瞳を冷たく光らせる勝先はそんな青龍を一瞥して、フッと口元に冷笑を浮かべた。
「神将とはいえ、まぁ所詮は、神の末席」


 神となった人間の、足元にも及ぶまい。


「貴様ッ・・・・!!!」
「やめなさい!」
 はっきりとした、強い大神の制止。立ち上がった青龍も挑発した勝先も、その行方を怯えながら見守っていた神将も月将も、その声に大神の方を見た。
 優しい目に光るのは強い力だ。
「勝先、私が招いた客人に無礼は許しません。下がりなさい」
「・・・・・・ッ」
 毅然と言い放たれ、勝先は頬に朱を上らせた。グッと睨み付けるように大神を見た後、衣を翻して足早に去る。
 足音が遠のいたのを確認してから大神は嘆息して、悲しげに目を伏せた。
「申し訳ありません。招いておきながらこの体たらく。誠に恥ずかしい」
「勝先は悪い者ではないのですが・・・・・・まったくしょうがない」
 小吉も困ったように顔をしかめ勝先が去っていった方向を見る。もう一人も無表情なその瞳にチラリと、呆れた色を見せた。
「何故か神に対抗心を持つ神でしてね、勝先は。元が人間だったのがどうも強い劣等感らしくて。私はそんなことどうでもいいと思うのに」
 優しい主神は心痛に顔を歪ませた。額のところで両手を組んで、頭を抱え込むようにする。
「まったく・・・・せっかく一年に一度だから、楽しい宴にしようと思っていたのに。これでは台無しだ」
「いえ、大神。お気になさらず。こちらにも非はあります」
 天空がそう言うと、青龍の鋭い視線が飛んだ。だが気圧されて悔しげに唇を噛む。
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