コシノヒロコさま

2012年11月27日(火) 18時31分
 みなさん、こんばんは。

 先週の金曜日にお伝えさせて頂いた通り、現在山本能楽堂は改修工事を行わせて頂いておりますが、その応援団長を日本を代表するデザイナーのコシノヒロコ様がおつとめ下さることになりました。
 もう本当に、本当に有り難く、嬉しく、望外の喜びです。

 コシノさまは、日本人の方は誰でもご存じの日本を代表するデザイナーでいらっしゃり、日本の発展に長年にわたり貢献されてきた方です。
 もちろん、日本だけでなく、海外でもご活躍ですので、外国の方にとって、日本=コシノヒロコ様といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 また、昨年、NHKの朝の連続テレビドラマで放送され、毎回高い視聴率で話題になった「カーネーション」は、コシノ様のお母様でいらっしゃる同じくデザイナーの小篠綾子様がモデルでした。(みなさんご存じのことだとは思いますが)
 ちょうど先の震災で、日本中が本当に悲観に暮れ、明日への未来への大きな不安が漂う中、「カーネーション」のドラマは、真摯な気持ちで夢に向かって一途に生きられる小篠綾子様の姿が、被災地をはじめ日本中に大きな希望と夢を与え、何よりの「心の復興支援」の役割を果たしました。

 余談ですが、3ヶ月ほど前、大阪大学前総長の鷲田清一先生からお話を伺った中で、話題がこの「カーネーション」になったことがあります。
 鷲田先生はこのドラマをご覧になって、「カーネーション」が戦後の日本の経済復興の様子が伏線として表現されていて、それが震災後の復興へ向かう気持ちとリンクし、やるせない気持ちの中で、どうしたら復興できるか、日本中が絶望のどん底にいた時期に、気持ちを希望へと変換させる大きな役割を果たしたドラマであるのではないか、と仰いました。

 また、同時に、これは反戦をテーマにしたドラマであると。
 戦争で男の人が戦地に向い、残された女性達が自分たちの力で必死で力強く生き抜いた記録のドラマでもある。
 まさに、その通りです。




 コシノ様に、初めてお目にかからせて頂いた時に仰って下さったお言葉は、生涯忘れられません。
 
 「私の祖父は能楽師だったんです。
  能の「竹生島」のお謡を子守歌代わりに聞いて育ちました。
  本当なら、11歳から能の謡(うたい)と仕舞(しまい)をお稽古する事になっていたのですが、祖父が他界してしまいそのままになっていて、残念に思っていました。
  私は、洋服をデザインしてきたので、全て好みが西洋風だと思われがちなのですが、本当は、日本のことが大好きで、個人的な趣味はどっぷりと日本につかってます。
  日本の伝統文化は守っていかないといけないと常々強く思っていましたので、今回応援させて頂く事を本当に嬉しく思います」

 本当に嬉しく、山本能楽堂を創設した祖父に感謝しました。

 「カーネーション」の中でも、主人公の糸子さんが、新しい洋裁の技術を教えてもらう代わりに、糸子さんがその女性に、能の謡(うたい)を教えてあげるシーンがありました。
 何といったらいいのか、能楽の歴史の有り難さ、連綿と受け継がれてきてこその繋がりみたいなもの、を感じ本当に有り難く嬉しかったです。

山本能楽堂は、戦争で一度焼け、みなさんのお気持ちを頂いて昭和25年、焼け野原のがれきの中で再建させて頂いた能楽堂です。
 戦争で何もかもが焼けてしまい心が重く沈んだ中、自分たちで「社交場=能楽堂」を復興しよう!と、船場の旦那衆を中心に、みなさまのお力で再建して頂いた能楽堂です。

 舞台の檜は、戦前からの備蓄の今では手に入らない素晴らしい木材が使われていますが、他の部分は、物がない時代に、廃材や古材をかき集めて作られていて、そこに、戦後間もない時期に希望へ向かって建てられたみなさんの思いを込めて再建して頂いています。



 今回の改修工事は来年までの3年間ですが、コシノさまが第一声で仰って下さったこのお言葉を真摯な気持ちで受け止め、能楽が日本人の心の中に果たしてきた役割を今一度捉えなおし、では「今」の時代には、この能楽堂を通していったい自分たちは、社会に向けてどんなことができるのか、考え直したいと思いました。

 
 どうやったら「カーネーション」のドラマのように、お越し頂いたみなさまに、ほんの少しでも「あたたかい気持ち」や「新しい気づき、ワクワク感」みたいなものを感じで頂き、明日を生きる活力や夢や希望を感じて頂けるのか。。。それを模索しながら、改修工事を行わせて頂きたいと思います。

 今回、コシノさまに応援して頂く事は、単に日本を代表する有名な方にお力添えを頂いた、ということ以上に、私たちにとっては意義深く、大きな意味を持ち、本当に有り難いことであると、心より感謝申し上げております。

(とくい)

 

昨日うれしかったこと。

2012年11月25日(日) 22時49分
 みなさん、こんばんは。
 今日は3連休の最終日。
 私は相変わらず連休とは関係なく働いていましたが、今日は用事があって午後から京都まで。
 
 夜、阪急電車の四条河原町から電車で帰ろうとすると、ホームがラッシュ時以上の混雑。。。 
 河原町の駅で、あんなに大勢の人を見たのは初めてです。
 最近の京都人気、すごいなぁ、と思っていましたが、紅葉も相まって観光地はものすごい人だったんだろうなぁ、、と思います。
 余談ですが、聞くところによると、東京の方では紅葉が京都ほど赤くは紅葉しないとか。
 大阪の紅葉も赤いんですが。(笑)

 さて、昨日の大島保克さんのコンサート。
 久しぶりにゆったりとした気分になって楽しませて頂きました。
 
 大島さんが、山本能楽堂で「島唄会」を開催して下さるのは、「生歌(なまうた」で演奏できるから、つまりマイクなしでお客様に直接、島唄をお聞き頂けるからだといつもおっしゃって下さいます。
 なかなかそのような劇場はないらしく、昨日も公演中に、「山本能楽堂でコンサートができて、直接”生(なま)”で聴いて頂けて嬉しいです!」とお客様にお話下さいました。

 私も昨日は客席から聞かせて頂いていて、大島さんののびやかなお声、本当に艶があって、気持ちがいいなぁ、、、と思い、お客様も楽しんで下さったご様子で、無事コンサートは終了しました。

 そして、楽屋に戻ると、大島さんが開口一番、「音、変わりましたね!」
 一瞬、音が悪くなったってことだったらどうしよう、、、と思い、「えっ!どうゆうふうに変わったんですか?」とお尋ねすると、「すごく、響きがよくなりました!!改修で何が変わったんですか?」
 「舞台横に、プリント合板が貼られていたのをはずして、昭和25年の再建当時と同じように漆喰に戻しました。それが原因でしょうか。。。」と申し上げたら、「たぶんそのせいですね。三線の音の跳ね返りが全然違います。僕ら、三線を弾きながら唄うんで、すごく敏感にわかるんです。いやぁー、改装されてよかったですね!」

 今ではどちらかというと、あまり良い建築材料でないと思われがちなプリント合板ですが、初めてプリント合板ができた当時は、新しくてかなりおしゃれな素材だったとか。
 たぶん、その理由で山本能楽堂の客席にもかなり多くのプリント合板が貼られていて、でも時代の経過で今回の改修前にはあまりいい雰囲気ではありませんでした。
 
 今回の改修では、できる限り昭和25年の再建当時のきりっとした雰囲気に戻そう!というコンセプトがありましたので、客席や舞台の壁は、プリント合板をはずし、すべて漆喰を塗って頂きました。
 この漆喰の真っ白な壁。
 それだけでも客席の雰囲気ががらっと変わり、能舞台の”静謐な”雰囲気がより色濃くなり、また何より美しく、同時にモダンさも加わって、漆喰を塗ってくださった時は、本当に嬉しかったのですが、劇場としての音の効果にもそんなに大きな変化があるなんて!

 当たり前で書かせて頂くのも恥ずかしいですが、大島さんは演奏家としてプロ中のプロの方です。
 音にももちろん細やかなこだわりをお持ちです。
 そんな方に、2年前に演奏した時と、音が全く違って、すごく響きがよくなっていると仰って頂けるとは!
 しかも、コンサートが終了して、一番に本当に驚きました!とお話下さったのは、望外の喜びです。

 山本能楽堂は、国登録有形文化財ですので、できる限り自然な素材を使って、できる限り建てられた当初の姿に戻していこう、と今回の改修に関わって下さった安井建築設計の方々、grafの服部さんと佛願さん、施工の金剛組さん、いろんなアドバイスを頂いている数寄屋建築の田尻工務店さん、みなさんが、同じ気持ちで取り組んで下さっています。
 それが、見た目だけでなく、あらゆる面でベストで本当に大切なことだったのだと、昨日の大島さんとのお話を通して改めてわかり、関係者の皆様に感謝の気持ちで一杯になり、まだ残っている工事が本当に楽しみになりました。
 みなさま、本当にありがとうございます。

(とくい)
 
 

 

本日6時から〜大島保克さん 島唄会

2012年11月24日(土) 14時51分
 本日6時から、山本能楽堂で 大島保克さんの「島唄会」のコンサートがあります!

 大島さんのコンサートをご開催頂くのは、2年ぶりで今回が3回目!!!
 1回目は、2010年。
 私自身は、本格的な島唄のコンサートを聞いたのはその時が初めてで、本当に感動しました。
 目の前に、沖縄の自然が、海が広がり、風がふいてくるような気がしました。
  (実は、沖縄にはご縁がなくてまだ一度も行ったことがないのですが。。。それでもそんな気持ちになりました)

 2回目は、残念ながら、別の能の公演が入って、見せて頂けず、でした。(確か、九州での能の公演と重なったように思います)



 そして、今回の3回目。
 いつも能楽堂の舞台設営など手伝って頂いているアートコーディネーターの古谷晃一郎さんに2日前に能楽堂で別の用事を手伝ってもらったら、玄関のチラシを見て「大島さん、今度の土曜日来はるんですね!行きたいなぁ、、行けるかなぁ、、、」と、結局予定を調整して、参加されることになりました。
 他にも私の周りのいろんな方が今日の夜を楽しみにされてます。

 昨日、お伝えさせて頂いた通り、現在山本能楽堂は改修中。
 実は舞台の照明を全てLED照明に変えさせて頂いたのですが、今夜早速、薄い水色の照明で演奏して下さるかも、です。
 新しくなった(まだ工事は終わってませんが)山本能楽堂で、「イラヨイ月夜浜」を演奏して下さったら、、、と、期待を込めて、本日は私も客席で、参加させて頂こうと楽しみにしてます。

(とくい)

国登録有形文化財・山本能楽堂改修工事の記者発表ーコシノヒロコ様をお迎えして

2012年11月23日(金) 15時46分
 みなさん、こんばんは。

 夏にブルガリアとスロバキアで公演をさせて頂き、その様子を毎日ブログでお伝えさせて頂こうと、PCも持参で海外公演に行っていたのですが、ブログに画像を載せさせて頂こうと思い、何度も試みたのですが、何故かどうしても掲載できず、その後もやってみたりしたのですが、調子が悪く、忙しい毎日とも相まって、ブログを更新させて頂く事ができませんでした。
 いつも読んで下さっているみなさまには本当に申し訳ありませんでした。

 今日は祝日ですが、久しぶりに少し時間があり、朝から能楽堂の事務を手伝ってもらっている中西さんと事務所でいろいろ話していて、「なんでブログを書かないのですか?」という話になり、「書かないと、、、!!!!!」という親身のアドバイスを頂きました。
 いつも一心同体で、山本能楽堂のことを考えて下さっている本さんからも、同じアドバイスを頂いていました。

 「確かに。。。」と思い、 反省しました。
 「すぐに書きます!」と、今、事務所でブログを書かせて頂いています。
 いつも読んで下さっているみなさま、ご心配を頂いたり、気にして下さったり、本当にすみませんでした。

 本当に”言い訳”ではありますが、ブログの更新をさせて頂けなかった理由の一つが、今、能楽堂の改修工事をさせて頂いていて、本当に忙しい毎日が続いていました。
 中西さんには、「改修の様子こそ、ブログでみなさんにお知らせするべきです!」とおしかりを受け、これも「確かに。。。」全くその通りで、今日から工事の様子を色々とみなさまにお伝えさせて頂ければ、と思います。
 
 今回の山本能楽堂の改修工事は、文化庁が平成23年に始めた「重要建造物等保存活用事業」の採択を、全国で初めての事例としてご採択頂いた事に始まります。
 文化庁様からのご指導で、工事は3カ年計画で実施させて頂く事になっており、今年度はその2年目に当たり、能楽堂の舞台周りと客席などの一番大きな部分の改修をさせて頂いております。
(ちなみに、来年度は、楽屋部分など、舞台の裏側の改修をさせて頂く予定になっております)

 工事の内容はまた、追ってご報告させて頂きますが、実はそのプレスリリースを昨日、山本能楽堂でさせて頂きました!

 また、今回本当に嬉しく、心強く、有り難いのが、日本を代表するデザイナーのコシノヒロコさまが、今回の改修工事の応援団長を務めて下さることになったことです!



 昨日のプレスリリースにもお越し下さり、ご挨拶を頂戴しました。
 お話下さると、華やかな笑顔で、会場の空気が一変しました。
 日本だけでなく、海外でもご活躍で、本当にお忙しい合間をぬって駆けつけて下さり、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 昨日のプレスリリースは本当に大勢の方にお越し頂き、毎日放送の報道の方もご取材下さいました。
 ニュースなどでご覧頂いた方もいらっしゃるかもしれません。


http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE121122222000632494.shtml

 また、コシノ様のご挨拶、そして記者の方からのご質問にお答え頂いた内容は、本当に有り難く、素晴らしく、心から感謝申し上げるとともに、敬服致しました。
 その内容はまた明日、お伝えさせて頂きます。

 これからまた頑張ってブログを更新させて頂きます。
 みなさま、どうかよろしくお願い申し上げます。

(とくい)

 
プロフィール
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  • アイコン画像 ニックネーム:山本能楽堂
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大阪の谷町4丁目にある大阪で一番古い能楽堂です。
2006年に国登録有形文化財になりました。
昭和25年から続く定期公演「たにまち能」、初心者向けの夜の公演「とくい能」、初心者向けの体験講座「まっちゃまちサロン」、4種類の伝統芸能のいいところだけを一度に楽しめる「初心者のための上方伝統芸能ナイト」などを開催しています。
「初心者も楽しい能楽堂」をめざしています!
ぜひお気軽にお越しください。
詳しくは山本能楽堂公式ホームページをご覧ください。
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