「エンド・ゲーム」恩田陸

2006年01月27日(金) 19時10分
エンド・ゲーム―常野物語
恩田 陸
4087747913

「権力への志向を持たず、穏やかで知的な一族」常野の人々の物語「光の帝国」の中、ひとつだけ「裏返す」か「裏返されるか」やられたら終わりという殺伐とした印象だった「オセロ・ゲーム」のその後の物語。

高校生のとき初めて自分の能力に気がついた時子は大学4年生になった。父親は10年前に「裏返された」きり音沙汰なし。研修旅行に出かけてる母が旅行先で昏睡状態になったっと連絡が入る。母も「裏返されて」しまったのか?冷蔵庫にいつも貼り付けてあった父親が残した電話番号がない。電話するべきか散々迷った挙句電話をし、「洗濯屋」の火浦と出会う。「洗濯屋」とは「包む」ことや「洗って乾かして白くする」事をするらしい。こんな状態から救ってくれるという火浦の手伝いをするため長野に行った時子。

人が沢山集まる場所に極力行かないようにする。呼びかけられても容易に目を見ない。目が合ったときには「裏返す」用意をする。瑛子と時子の二人は一族に距離をおき、「あれ」におびえ、そして「あれ」は自分が作り出した妄想なのでは?と疑い暮らしています。二人が交互に時間も行きつ戻りつする前半部分は「オセロ」のように「白」と思ってたものが「黒」になり、だけどやっぱり「白」…と目が離せませんでした。雑誌の連載だったんですよね。1章ずつ次の号まで「おあずけ」なんて考えられない。

「あれ」が腐ったイチゴに見える母と銀色のボーリングのピンに見える時子。そんな「あれ」や火浦と出会ってから「家」に行く場面は、全然わからない世界なのに目の前に映像が見えます。恩田さんの頭の中にある映像が文章になって、そして私の頭の中にその空間が出来上がる。すごい事です。

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