「みずうみ」よしもとばなな

2006年01月08日(日) 21時05分
みずうみ
よしもと ばなな
4902943123

高校卒業と同時に逃げるように親元を出てきたちひろ。アパートの窓際に座って外を見ると、いつも外を見ている男の人がいる。会話はなくてもいつも気にしてる不思議な存在。その彼、中島君がうちに来るようになった。

登場人物はちょっと変わった親に育てられて、母親を亡くすのと同時に父親とも疎遠になったちひろ。とても聞けないような暗い過去を持っていて、今にもこの世から消えてしまいそうな中島君。そして中島君がすごく会いたいけど、会いにに行こうと思うだけで具合が悪くなってしまうみずうみの近くに住む兄弟、紅茶を入れるのが上手なミノくんと寝たきりで人の未来が見えるチイちゃん。

いつものように「スピリチュアル」な世界です。ピンと張り詰めた空気。寒い冬の朝。そうお正月の朝って感じでしょうか。今回の物語は好きです。

過去に起こった出来事にとらわれてしまい、今にも死にそうな中島君。ちひろと出会って、一緒にいるうちに、「大丈夫になるんだろうなぁ」と安心する私。その途端、「だけど長くは生きないと思う」とか言う中島君。ずっと、最後まで不安定な状態。恋愛感情というより、ひっそりと恐る恐る一緒にいる二人。中島君にずっと生きていて欲しいって強く強く願います。

よしもとさんの物語に出てくる人ってなんだか真正直。主人公がぐるんぐるん脳みそを回転させて言う言葉が相手にしみていき、「いまこの言葉をきちんと言えてよかった」って安堵と自己満足が感じられる。

ハッとさせられたのは「お母さんという生き物は、状況も関係なく、なず冷えた人をあたためて、お腹が空いている人に何か食べさせようと思う。」という言葉。私はまだまだお母さんになりきれていない。
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