「さよなら妖精」米澤穂信

2006年02月26日(日) 22時40分
さよなら妖精
米澤 穂信
4488017037

1991年4月。高校3年生の守屋と太刀洗は、雨宿りをしてたユーゴスラヴィアからきた17歳の少女マーヤと出会う。日本の事を勉強する為に知人の所に滞在するはずだったのだが、その知人が亡くなっていて途方にくれていた。守屋たちの同級生、白河のところに居候をすることになったマーヤ。マーヤが去った1年後、消息を知りたいと集まった守屋達はマーヤと過ごした2ヶ月を思い出す。

主人公の守屋は熱中するものもなく淡々と生活する高校生。女を感じさせない気楽な話ができるセンドーこと太刀洗や弓道部の友達以外、友達と呼べる人は数少ない。そんな守屋が出会ったマーヤ。自分たちの国「ユーゴスラビア」を作ろうと世界を旅して回り、日本に滞在する2ヶ月の間に日本について知ろうと、メモを片手に色々質問します。夢中になれるものを持っていない守屋。ちょっと冷たい雰囲気のセンドー。「自分の手の届く範囲の外に関わるのは嘘だと思う」と言う文原。優しい白河。ちょっと高校生にしては知識豊富で大人っぽい部分もあるけど、みんな一生懸命なのが素敵。これ青春物ですよね?ラスト、こうなるんだろうなぁと予想できる範囲でしたが、それでもじんわりと哀しかった。

設定が1991年から92年。携帯は金持ちの持ち物、インターネットもなかった。そんな時代が懐かしくなる物語でした。設定が現代だったら「はぐれた時には携帯で連絡」だなぁとか「調べ物するにはネットで検索」だなぁとか「手紙書くねじゃなくてメールするね」になるんだろうなぁって思いながら読みました。


マーヤの出身地・ユーゴスラビア。91年にユーゴスラビア紛争が始まったそうですね。91年と言えば社会人でしたよ。それなのに全く知らない。ボツニア・ヘルツェゴビナだとかサラエボ。クロアチアにスロベニア…単語は知ってました。だけどそれがどこにあって、何が起こったのか全く知らなかった。アメリカに留学してた96年。1クールだけクロアチア出身の男の子と一緒に勉強した覚えがあります。「クロアチアから来た」って言われ、「クロアチア?どこ?」って雰囲気になったのです。下を向いたその子の代わりに先生が「最近国がわかれたのよね」っていったような気がします。「まぁ。シャイな男の子」なんてさらりと流したんだけど、下を向いた訳はもっと奥が深かったのかもしれません。今考えると無知な私がうつむくべきでした。この本読んでよかった。




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