井の頭公園に下見

2008年10月28日(火) 2時08分
 今日、吉祥寺の井の頭公園に行ってきた。「金魚姫と蛇ダンディー」を、ラフレシアごと東京へ持って行くためだ。
 公園局の人はすごく熱心で、いろいろと説明を受けた後に案内してもらう。そこはジブリ美術館のすぐ裏で、「野戦の月」が仕込み中だった。桜井大造氏に挨拶。学生の頃もっとも感激した曲馬館の「風喰らいさかしま」で肥溜めかついで登場した人だ。あの芝居を見て、私は劇もスゴイと体感した。ラフレシアが収まりそうな場所だった。なんと言っても公園局の人の熱さが身にしみた。使われなくなったプールもあって、ここで上演してくれたらもっと嬉しいとのこと。プールに浮かんだラフレシアを想像するのはすごく楽しい。水上劇場が私の夢で、よく夢想するのだが、はじめてラフレシアを大阪以外に持っていくのに、それはとてつもない話だった。オイラに暇と金が無限にありゃあね。搬入を考えるだけで、もうノックアウト。

 じつは今回の金蛇には、すごく大きな不評があって、今回のものをそのまま東京へもって行こうと思っていたのだが、今、もう一度再考せざるを得なくなっている。
 私の劇には深い虚無があり、それが魅力だったのだが、金蛇は再演するたびにそれが薄くなっていき、魅力がなくなっているというのだ。笑いや楽しみであれば、その方面でいくらでも魅力的な劇はあるし、そこではそのための必死の研鑽もしている。私の劇はそれに比べて中途半端でしかない、と。
 それはもっともな話で、今まで自分の劇に出てきてしまう暗さ、やりきれなさがイヤでイヤで、しかも私自身はもっとバカバカしくのどかな劇が本当は好きで、そういう自分が見たい芝居に近いものをなんとか作ろうとして、やっとできたのが金蛇なのだ。だからこそ、再演をして改作してきた。決して私は気をユルめて、中途半端なユルさになっているわけではない。けれども、何かを人に見せるということは、そこまでの厳しさが要求されるかもしれない。30年くらい劇をやってきて、その方向性について、恐ろしい問題に突き当たった。(このことは、また改めて書こう)

 その後、今夜は中学の同級生たちと飲んで楽しかった。二人ともいつも大阪まで芝居を見に来てくれる。二人は今回の劇を楽しんでくれたようだ。
 劇はその時のほんのつかの間の印象でしかない。それが全てであるともいえる。そのつかの間をめぐって、様々な言葉が飛び交う。いくつかの原則論は確かにある。けれども、劇の奇跡は、なんらかの反転にある。その反転こそが芸能なのだが、なかなか予測がつかない。

お客

2008年10月27日(月) 5時20分
 うちのネコは白地に黒のブチでソラというのだが、マンションに帰るとなぜか数が増えている。中には同じような子猫もいる。どうも近所のノラネコでほぼ同じような姿かたちのネコ一家4〜5匹が引っ越してきたようなのだ。これはあかん。いくら気楽な一人暮らしといっても、こんなにたくさんは飼えない。しかもどれがうちのソラかもわからなくなっているので、ウチワをバンバン叩いたり、「ハッ! ハッ!」とか大声上げたりしたら、全員がまたドアの外に出てしまった。やっぱりどれがソラかわからん。ああ、もう知らんぞ。ドアしめるぞ。夢の中で騒いで、目が覚めてしまった。たぶん、こんなこともまた、生き延びる口実になるのだと思った。

室生犀星「杏っ子」「或る少女の死まで 他二編」

2008年10月21日(火) 22時16分
 なんとなくちょっとした室生犀星ブームが自分の中であって、公演をはさんでいくつか小説を読んだ。他二編の中の「性に目覚める頃」はたぶんタイトルに惹かれて中学生頃に読んだと思う。そもそもは「蜜のあわれ」という金魚とのエロティックな交流を描いた幻想小説を読んだのがきっかけだ。「蜜のあわれ」に比べれば、これらはスゴイというものではないかもしれない。でも、期待していたエロスはいつもあった。なんなんだろうな、この室生犀星のエロスは。妙に生活感のあるなまめかしさ。悲しくて暖かく、そしておかしくもあり、優しくもある。詩集も読んだが、今の私には小説がおいしい。そう、おいしいのだ、彼の小説。歯ごたえといい、舌触りといい、味といい、ノド越しといい・・・。そして、会話が抜群にいい。
「杏っ子」は、育てた娘が結婚に失敗してボロボロになっていくような長編なのだが、それでも暗い話にはならない。これはスゴイことだ。しかも、これらの小説は、ほとんど私小説でもある。彼にかかると、あらゆる一瞬が、ダメな奴が、いとおしくてたまらない。

 ところで、今日、私はじつはあまりよく知らないある人のお葬式に行ったのだが、涙というのは美しいものなのだなと思った。
 臨終というのは、もしかすると人生を完成したり、成就したり、また旅立つことでもあり、ひょっとすると誕生とか結婚のように「おめでたいこと」かもしれないとも思うのだが、また、そういう自分の考えは観念的すぎるかもしれないとも思うのだが、死を悲しんで涙を流すというのは、とても美的なことなのだと思う。
とくに日本では、源氏物語の「もののあはれ」を持ち出すまでもなく、もっとも美的なことの一つなのかもしれない。そして、涙を受け取るというのも、拍手や賞賛を受け取るのと同じくらいありがたいものなのだろう。あたりまえのことかもしれないが。

 このことと、室生犀星のスゴイところは、ちょっと近いものがあるかもしれない。

「金魚姫と蛇ダンディー」2008年公演終了

2008年10月18日(土) 20時23分
 今年で3回目の「金魚姫と蛇ダンディー」が終了しました。毎日書き込みもせず、すみません。火曜に全てをバラシ、水曜に公園の掃除をし、今日もまだぐったり。役者ほど体を使ってないのに。まだほとんどヌケガラ。ほっともしています。
 3日目、楽日は寒くて観客の方々には辛い思いをさせてしまいました。しかも3幕芝居、休憩2回を含め、合計3時間になり、雨もガンガン降らせたし。それでも最後まで観て頂き、たくさんのアンケートまで書いて頂きました。ありがとうございました。芝居のラストにも、たくさんのお客に一緒に踊って頂きました!

 出演者のチームワークも良く、初日からしっかり演じてもらえました。感謝しきれないほど感謝。皆出番も多い上に、開演1時間前からパフォーマンスもするし、寒い中泳いだりずぶ濡れになったり頑張ってくれました。スタッフにも途中何度も助けられ、なんとか楽日まで一人の怪我人も出ずに終わることができました。感謝、感謝、感謝、感謝!
 バラシは一日中雨でしたが、ちんどん通信社さんから協力な助っ人が何人も来てくれ、おかげでいつもより早くバラシ終わり、これまた感謝〜!
 フシギなことに、舞台上に屋根のないラフレシアにして今年で6年になりますが、そのあいだ一度も本番中にはたいした雨が降っていない。初演のとき、雨漏りがするシーンでなぜかパラパラと本物の雨が来ただけという奇跡。これも天に感謝。今年、ゲネは雨だったけど。

 始まる前は、書きかえた部分、うまく劇がつながるか心配でしたが、初日のお客さんの反応で、これはうまく行っていると確信しました。少しだけまた深いところに潜って行けたような気がします。ちょっとした進歩もいくつか。三味線にも初挑戦したし。雨を降らす装置も進化したし。客席の組み方もより円形に近づいたり。なんと言っても寺門氏のメイクと衣裳プランが強烈で、ビジュアルが刷新。艶やかな舞台になりました。

 楽日に近づくごとに、夜空に浮かぶ月が満月に近づき、休憩中に何度も見上げました。大阪城公園は虫の種類も多く、キリギリスがサブテントのテーブルにやってきたり、ダンゴムシやコウロギが木材の下にびっしりだったり、アオスジアゲハが目の前の水溜りを行ったりきたり。

 皆さん、ほんとにありがとうございました!!

明日は初日!

2008年10月10日(金) 1時34分
本日、なんとかゲネが終わり、いよいよ明日は初日。
ああ、あそこも・・・そう、そこも・・・。
と言っても、幕は(幕はないけど)待たない、夢芝居・・。
お客さんの反応次第というのが芝居でもあるので、初日をやってみないとなんとも手がかりがない。いや、手ごたえかな。
明日の今頃は、どんな酒を飲んでることやら〜。
席にはまだ余裕があるようです。
当日も前売りと同じ料金。ぜひぜひ〜!
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