カトク

August 03 [Fri], 2018, 12:40
カトク読みました!よく出来てる、と率直に思います。ディーセントワークガーディアンに比べるとほっこり度が薄い気はしますが、カトクだからシビアにならざるを得ないですかね。

ラストはやはり悩ましい。労働者が経営者的感情を持つこと、経営者を敬慕すること。やりがいの搾取と切り捨てたくはなるけれど、そんなに割り切れるものではない。だからカトクなのでもありますが。敬慕を否定する必要がなくても、だから経営者にこそ、そして労働者にも、節度と正しい知識が必要。ひとは死ぬほど働くと死ぬ。毎年何百人も、そして統計(労災請求)に上がらないところでもっと多数が。


やりがい、敬慕と健康を両立させる。そのための枠組みは不可欠。踏み込んでいえば高プロのせいで上限規制がつぶれなくて本当によかったと、いや高プロ賛成ってわけじゃないけど上限規制潰れていたらどうなってたか。願わくば、高プロをどう使うか(使わないか)も同じ節度と正しい知識によれるよう。

キャロリング

June 12 [Tue], 2018, 8:21
有川浩。出張のお供に駅ナカ購入。梅雨だというのにクリスマス本。
愛されている子供ほど、親を傷つける力がある。傷つけられたら傷つけたくなる。
だから子供に、というのではなく大人に、間違えないでと願うものがたり。

烏に単は似合わない/烏は主を選ばない/黄金の烏/空棺の烏/玉依姫

June 09 [Sat], 2018, 18:35
一気に読んだので一気に。阿部智里。
転勤になって職場近くに本屋があるようになり、これまで通販で買ってた本を探しに立ち寄り。お目当ての本がなく、くやしくて?買ったのがこれ。JRの車内広告で気になってはいたんだけれどいまさらかなあと思っていたのをとりあえず1冊。


やられました。ファンタジーと思っていたらばミステリかよー!って。そう叫んだ人がいったい何千人(何万人?)いるのかしらん。ファンタジーとすればもう一声かなあと中盤思っていたのが、何とまあ。
その分第1作では読後感はよくはない。それが魅力なので仕方がないのではありますが。
どんでん返し要素は巻を追うと薄れていき(それでもどれにもちゃんとあるけど)、ファンタジーとしての魅力も増していきます。ミステリ派には申し訳ないかもですが私は嬉しい。


本を読むことが幸せだと思い出させてくれたしっかりと深刻な世界が築かれています。文庫分は買い漁ってしまったので、図書館で単行本を探すかな〜。

労働時間制度改革

May 21 [Sat], 2016, 14:14
副題「ホワイトカラーエグゼンプションはなぜ必要か」ということで大内伸哉先生。しばらく積ん読になってましたが、読みにくいわけではなくこのたび読了。
大内先生は(そしてほとんどの労働法学者は)本質的に規制強化論者なんですよね。この本も半分ちょいはそういう話、絶対的な上限とか、インターバル規制とか。そしてホワイトカラーエグゼンプションは残りの半分、だけど…大内先生、理想主義だな...。
裁量労働制がなぜ使いにくいものになったのか。そして裁量労働制適用者がどれほど長時間労働をしているか。それを考えたらホワイトカラーエグゼンプションがそれより使いやすいものになるとも思えないしすべきともあまり思えない。いや、使いやすくすべきかもしれないけうれど、そのためには大内先生反対の年収要件が不可欠だと思うのです。
年収要件は、当然「年収が高いから労働時間管理はいらない」なんて理屈が立つものではない。けれど年収はある程度やはり交渉力の表徴で、これを言っていいかどうかはわからないけれど労働者の(労働力の取引に臨むに当たっての論理的・経済的思考)能力の表徴でもあると思うのです。「エリート」の表徴でもある。そして、外から見て明確で、かつ使用者の言い値になることもない。企画裁量も専門裁量も管理監督者も年収要件でエグゼンプション&健康確保措置に一本化すればいい、といいたいところなのですが、これもまた非現実的な理想主義だよな。
エグゼンプションとのバーターでなく、健康確保措置ができればいいんですけどね。


後書きに代えてショートショートが巻末に3つ。前2つは「労働者が残業代を当てにしている」ことを解決しなければ労働時間改革は困難、ということかと思いますが、最後がわからない。年収300万の労働者にエグゼンプションが適用される、それは私も含め反対派が本気で心配していることで、かつ、年収要件がなければ直ちに大いに現実化することだと思うのです。(年収要件が設けられればそこまでは下がらないだろうと思う。)年収要件なしにそれを防ぐには、裁量性並みに使いにくくなるしかない。先生はそうならないとお考えなのか、もう少し書き込んでもらいたかったなぁ。

日本人はなぜ無宗教なのか

May 16 [Mon], 2016, 9:31
阿満利麿。2016読了らしい。