まほろ駅前狂騒曲、宇宙の匂い

July 28 [Sun], 2019, 10:01
最近読んだ本について。

三浦しをん著「まほろ駅前狂騒曲」。
便利屋を営む多田と、居候の行天の二人が
色んな騒動に巻き込まれていく様を、
まほろ市の個性的な人々を絡めて描く「まほろシリーズ」完結編。
既に映画化されたものを観ていたので
あらすじは知っていたが、
活字だとまた違った味わいがある。
特に多田のモノローグや仰天の何気ない一言が
胸に迫るのは活字ならではだと思う。
映画化が失敗とは言わないが、
僕はこちらの原作の方に軍配を上げたい。

混迷の現代、先行きの見えない状態で、
投げやりになりたくなる時だってあるけれど、
我々はどうにかこうにか生きていくし、
たとえ命が尽きてしまっても
誰かがその人のことを覚えていて、
かけらみたいなものが受け継がれていくのではないか。
シリーズの最後に相応しい大団円で、
希望を見出せる一冊だと思う。
あと個人的にはやっぱり僕はバディ物が好きだなあと思った。浅井健一著「宇宙の匂い」。
1991年のデビューから様々なバンドやソロで音楽活動を続ける
ベンジーこと浅井健一の、これまで発表してきた歌詞や
書き下ろしの物語、イラスト、そして日記がまとめられた一冊。

BLANKEY JET CITYからSHERBETS、
AJICOにJUDE、PONTIACS、そしてソロと、
形を変えながら一時も活動を止めないベンジー。
これまでリリースされた楽曲は膨大な数になるので
さすがに全曲歌詞やタイトルを覚えているわけではないが、
それでも歌詞を読んでいると
どこかで必ずフックとなる一節が出てきて、
「あ、この曲はあれか」と脳内で再生が始まる。
歌詞に添えられたイラストも味わいがあって楽しい。

ベンジーの日記、というのもレアだが、「あ、そうだったんだ」
とここで初めて知ったプライベートもあった。
ライブで緊張した、だとか声が裏返ってしまった、だとか
「ベンジーもそういうこと気にするんだ」
という新たな発見があって楽しい。

これまで彼が生み出してきた数々の作品は
暴力的なものからコミカルなもの、
静謐なものまで非常にふり幅があって多彩だが、
でも最終的には前向きというか、
希望を信じたい、という思いに帰結するんだと思う。
ベンジーの世界観を思う存分活字で味わえる良著。
  • URL:https://yaplog.jp/mayonakabodo/archive/2779
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