「医師不足」は真実ではない?・・・追記に記載補充

April 24 [Sat], 2010, 21:59
「医師不足」はよく言われることです。
松戸市立病院の経営状態の停滞、悪化は、医師などの不足に起因していると、市当局も述べています。自分達は一生懸命やっているのだが・・・と聞こえます。
政府も医師不足をいい、医師を1.5倍に増員していく政策に大きく舵をきり、診療報酬の見直しなどを行っています。
このように、誰もかも、みんな医師の不足をいうものですから、素人は確かに医師は不足しているのだと思うのが当然です。
私も当然、そのように思っていました。

先日、東大の橋本先生のお話をうかがう機会がありました。
橋本先生は、ご自身医師であると同時に、サービスや制度としての医療も研究されている方なのですが、医師不足というのは俗説?という。たとえば、
人口10万人当たりの医師数は
1974年 113人
2006年 218人
減っているどころか、倍近く増えているのです。実数としてはどうなのですか。
1974年 125,000人
2006年 277,000人
これは欧米でも似た事情にあるようで、高齢化社会での必然的な傾向のようです。いや、でも勤務医は少ないのでしょう、との疑問をもつが・・・
病院勤務医
1974年  54,000人
2006人 168,000人
不思議ですね、勤務医も減っていません。3倍くらいに増えていますね。
ああ、診療科目によって違うのでしょう、例えば小児科医はどうですか?小児科医も増えている、そうです。
もっとも、産婦人科医は減っている。減ってはいるが、多少の減少というレベルだという。ただ、子供も減っているのだから、子供の数一人当たりでみると必ずしも減ってはいない。この科目での事情として女医さんが増えているそうですね。患者自体が女医を希望するケースが多いため、男の医師で産科を希望するものも少なくなっている、のだそうです。
このように医師不足はある種の俗説ということもできるが、全くウソかというと、そうでもない、例えば首都圏では千葉県や埼玉県は人口比では医師数は少ない、ようです。人口が急増したということでしょう。

橋本先生は「統計自体は不十分ながらも存在するが、そうしたデータが公開されていない。様々な考えや立場の人たちがそのデータを共有し、分析し意見を戦わせることで、開かれた、国民みなが納得できる政策決定ができる」と指摘されています。
こういう統計が公開されていないんですって、驚きですね。国民を目隠しにして議論させている、ということでしょう?
不十分な情報しかないなかで、国民は何となく俗説を信じさせられ、診療報酬の改定などが特定の利害集団の立場で決定されていっているのではないか・・・・ということでしょう。
医師の増減は医療費に直結している、そうですから、単純に増えればいいというものではありませんね。金権医師ばかり増えてもね・・・。その実態、方向性はもっと公明正大に議論してもらいたいものです。
(第292回)

追記 「千葉県がん診療連携拠点病院現況報告」によると
●スタッフの状況は
・松戸市立病院
  720人(うち、医師数は常勤98人、非常勤44人、常勤看護師407人等。事務職は含みません)
・船橋市立医療センター
  677人(69人、36人。常勤看護師317人)
●病床数
・松戸市立病院 613床(うち一般病床613床)
・船橋市立医療センター 426床(426床)
●新規入院患者数(平成19年の一年の間に入院した患者数)
・松戸市立病院 5,675人(うち新規入院がん患者数707人) 
・船橋市立医療センター 9,645人(2,089人)
この違いはどこからくるのか、市や病院当局から説明を聞きたいものです。

※自治体病院の税金投入の第一位は松戸市立病院、船橋はそれでも第3位です。第2位は福島県いわき市の病院といわれています。 
  • URL:https://yaplog.jp/matsudo/archive/470
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転院患者
松戸と船橋を比較すると、松戸が職員(医師、看護師とかの専門職。事務職は含まれているのですか。)が多い、また病床数が多いにも拘らず、新規入院患者が少ない、即ち病床稼働率が低い、また外来患者も比較すると松戸が低いのでしょう。船橋ですら経営状態が必ずしも良いと言われていませんから、松戸は、もっと深刻なのでしょう。
April 30 [Fri], 2010, 22:43
一患者
トヨタの従業員について触れるインターネットデータを収集してみました。このデータは、2,006年2月29日付け週刊東洋経済の記事です。トヨタで年々リコールが増え、従業員の残業が恒常化しているという記事で、今回の米国リコール問題を予測させる記事で、ジャーナリストの鋭さに感心します。
年度  国内生産台数 従業員数(単体) 従業員数(連結) 
96年 350万台    65,224人  150,736人
05年 386.3万台   65,798人  285,977人
96年の従業員(単体)一人当たりの生産台数は、53.7台、05年の従業員(単体)一人当たりの生産台数は、58.7台で、残業が恒常化していることを危惧しています。連結従業員数の詳細は分からないが、グローバル化に起因するものでしょう。
医者は増えているが、トヨタの国内従業員は増えていないことをデータは示しています。「通りすがり」氏のコメントは、「トヨタ自動車の総人員数は30年前と比べて増えていますが、それは扱う車種や関連商品が増えたためで現場の忙しさが緩和されたわけでないようなものですね」と書いています。30年前について記載がないが、10年で574人増ですから、30年前と比較すると1,722人増ですか。勤務医の3倍増とは異なります。そもそも、製造業トヨタの従業員数と医師数を比較すること自体がおかしい。また「30年前とは医療の高度化により必要人員が増えていますから単純比較はできないのでは」とも異なる。医師不足は、過疎地での地方財政の縮小による病院経営中止、千葉、埼玉などの人口増、老齢化社会での需要に医師供給が追いつかない。または勤務医が給与の高い都市病院、高度な医療技術を習得できる病院に集中することに起因するのではないか。それで、政府は、病院の保険点数を高くし、診療所と病院が連携する地域診療連携を推進し、集約的医療を目指している。 不確かな前提で意見を展開するのは、避けたいものです。
April 26 [Mon], 2010, 21:42
通りがかり
では松戸市立病院の経営状態の停滞、悪化は何に起因するものとお考えですか?また松戸市立病院はかなり患者さんは来ているようですが、にもかかわらず経営状態が悪化するのは何故なのでしょうか?←通常勤務するスタッフが忙しいくらいクライアントが来る企業なら経営状態が悪化することはない気がするのですが…。
あと10万人当たりの医師数で比較されていますが、30年前とは医療の高度化により必要人員が増えていますから単純比較はできないのでは?
例えて言えばトヨタ自動車の総人員数は30年前と比べて増えていますが、それは扱う車種や関連商品が増えたためで現場の忙しさが緩和されたわけでないようなものですね。
ブログ主さんの記事では本当は足りている人員を特定の利害集団(恐らく医師会あたりを念頭に置いてらっしゃるのでしょう。今時の医師会はそんな力ありませんよ)が「足りてない」と言っているように読めますが、現に医師不足による診療科の閉鎖はおこりつつあります。議会に傍聴に行く前に、当たり前の身の回りの変化を見に行ったらいかがでしょうか。
April 25 [Sun], 2010, 12:11
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