妻と二人三脚で近江・京都を巡る旅(76)   

September 13 [Fri], 2019, 5:55
昨夜は・・・誠に涼しいものでした。
タオルケットにすっぽりくるまって寝ていました。
秋の到来を感じさせましたね。


さて・・・『天行健』と大書された犬養毅の書。
『てんこうけん』と読む。
書の出典は、中国の古代書物『易経』にあるのだという。
先に私が勝手に書の意味を解説したが、本来の意味は、そういうことではないようだ。
天地は、とても健やかに廻っていくということ、途切れることなく、規則正しく、健全に運行されていくとということで、そのように君子も、自ら努め、学問に励み,人と交わり、職務を全うし、怠ることはなく規則正しく健全に行われなければならない。
ここでいう君子は、本来の君子だけでなく、人の上に立つ者はという意味合いでの心構えを説いたのであろう。


この書を書いたのは犬養毅だが、犬養毅は暗殺事件の被害者として名を残した人物である。
1932年(昭和7年)5月15日。
記述によれば・・・犬養は総理公邸でくつろいだ休日を過ごしていた。夫人や秘書官らは外出していた。犬養は往診に来た医者に「体中調べてどこも異常なしだ。あと100年はいきられそうじゃわい」と冗談を言っていた。
17時30分ごろ、警備も手薄の中、海軍の青年将校と陸軍の士官候補生の一団がピストルをふりかざして乱入してきた。襲撃犯の一人である三上卓は犬養を発見すると即座にピストルの引き金を引いた。
しかし、弾が入っておらず不発。それを見た犬養は、有名な文句「話せば分かる」を口にして将校たちを応接室に案内した。応接間に着くと「靴ぐらい脱いだらどうだ」と述べ、彼らに煙草を勧めたが、三上は「何か言い残すことはないか」と返した。その言葉を聞いた犬養は何かを言おうとしたが、興奮状態にあった山岸宏が「問答無用、撃て」と叫び、別働隊であった黒岩勇が応接間に突入して犬養を銃撃した。同時に三上も発砲して弾丸は頭部に命中した。
襲撃者たちは犬養に重傷を負わせるとすぐに去って行った。女中たちが駆けつけると、犬養は顔面に被弾し鼻から血を流しながらも意識ははっきりしており、縋りつく女中を制して「いま撃った男を連れてこい。よく話して聞かすから」と述べたという。


日本の歴史を一層暗転させることになった『5・15事件』は、ちょっと分からない話で起きた事件でした。
この事件の発端は、当時の先進国である欧米各国間の『軍縮条約』にある。
日本の政権も軍縮は欧米主要国の避けがたい流れという理解であった。
この流れに、実は反対していたのが後に首相となる犬養毅でした。
そもそも犬養は、軍縮条約に反対する軍部に同調して、前の浜口内閣を攻撃し、軍部に感謝されていた側の人間でした。しかし、その政府のトップに犬養が就任したため、襲撃事件を計画していた青年将校の標的になってしまった。
犬養毅にすれば、見当違いのとばっちりであるが、ある種自業自得とも言えなくはない。


教科書の中で、犬養毅を有名にしたのは、暗殺事件で乱入した青年将校らに向かって『話せばわかる』という言葉を残したことである。
だが・・・この言葉は多少の誤解をも残した。
事件の経過が正しく語られてはいないために、犬養が軍部に同調していた人間であったことは殆ど不問に付され、犬養が軍部と対極にあったかのような印象を残すことになった。
学校の教科書も、そのようなものであったと思う。

何はともあれ、この事件『5・15事件』は、日本国民を苦悩、苦痛のどん底に叩き込んだ日本の歴史暗転の記念日でした。



(第10991回)
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