「新しい社会主義」が合い言葉
2009.11.10 [Tue] 23:46

「マルクスは生きているセミナー」第二回目。社会主義の過去と現在について話した不破さん。世界を見るもう一つの問題として、アジア・アフリカ・ラテンアメリカのことへ話を進めました。

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「いまや人口38億人、世界の6割近くを占めるアジア・アフリカ・ラテンアメリカの国々が台頭してきた世界。かつて世界はキリスト教文明が中心だった欧米に仲間入りするというところから、世界の姿は変わってしまった」

「これらの国々は、いろんな体制の国があるが独立・平和・非同盟・大国の覇権主義反対で大多数の国で共通。独自の価値観をもった文明があることも大事な特徴」

不破さんはアジア・アフリカ・ラテンアメリカの国々の動きについて、主に、イスラムとラテンアメリカのそれぞれの変化について詳しく話しました。

はじめに「イスラムの国のこと」として「日本共産党がイスラムの主だった国をだいたい訪問」した体験を通じて実感をしている世界の変化について話しました。

「私たちがイスラムを訪問して歓迎されることが3つあります。一つは文明の共存ーー考え方は違うが、この世界に共存しようという綱領もっていること。二つは日本共産党がソ連のアフガン侵略に反対貫いたこと、3つ目は覇権主義に反対して世界の平和秩序の確立をめざすこと。これがイスラムと私たちの深い関係の基盤になっています」

それを示す体験として、サウジアラビアとの関係について紹介した不破さん。

「サウジアラビアは、スターリンのときにソ連と断交して以来、1991年前後までソ連とも中国とも国交もたない、反共に徹していた国でした。私たちが、湾岸戦争ときに反対声明をもって大使館を訪問したときは、大使が会ってはくれたが日本共産党の代表に5メートル以上近づかない、というほど(笑)ところが、イラク戦争間近の頃に同じようなメッセージをもっていくと、すぐに近寄ってきて『あなた方の手紙は国王に届けた。アジアの心は一つです』という。イラク戦争の前の年に、中東訪問したときは、日本共産党を徹底研究したうえで受け入れてくれました」

「世界観をこえた共存は、その立場が明確で、異なる文明を受け入れる用意があれば、広がりうる世界なんです」

「もう一つ、ラテンアメリカの変化が最近はさらに大きいですね」

不破さんは、まずラテンアメリカの歴史的特徴について、二つふれました。

一つは、もともと、早い時期に独立共和国になったラテンアメリカ諸国ですが、実際にはアメリカに支配されていても独立共和国という形をとっていたことで、むしろアメリカの支配が長く続いてきたこと。

もう一つは「『ラテンアメリカの闘争はゲリラ武装闘争』『ラテンアメリカ一つ、革命に国境はない』というゲバラ主義が影を潜めたこと。とはいえ、「もともと共和制の国ですから議会で多数をとって政権をつくるということが日程の上ってきますが、ある国では、選挙に勝つと暗殺集団がいて勝った政治家を殺すという国があって、なかなか進みませんでした」

「転機になったのは、ベネズエラのチャベスなんですね」

「1999年大統領選で当選しました。実は前は彼はゲリラ派だったんです。クーデターをやろうとしてつかまったことがあるんですね。釈放されたときに、これはまずい、選挙でやろうということで切り替えた、最初の選挙で勝っちゃったんですよ。1999年2月に政権ができ、これが転機になるんですね」

「ベネズエラ自体はいまでも革命反対の勢力がものすごく強固にあります。一時は逆クーデターがあって、チャベスが孤島に流されたりする。そうすると民衆ががじわじわと立ち上がり、逆クーデターが失敗する。こんなことが何回もあり、それからいままでずっと選挙で政権を維持して改革をやっています」

「当選して11年になりますけれども、国政、大統領、国民投票など国民的投票が21回ありましたが、革命の一歩一歩を、選挙で民意を確かめながら革命をやるということをベネズエラでやっちゃったんですね。その後、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、ボリビア、チリ、ニカラグア、エクアドル、ガテマラ、パラグアイ、エルサルバドルこういうところでも、選挙で左派政権が生まれてラテンアメリカの半分以上が左派政権になりました」

「しかも、どこでも主力は、共産党でない革命派。ちなみに、チャベスという大統領はキリスト教、カトリックなんです。その共産党でない革命派のなかから、最近はアメリカ資本主義にひどいめにあわされた、資本主義はごめんだと言い出した国が生まれているんですね。ベネズエラ、ボリビア、エクアドルなどは社会主義をめざすといっています。こういうことも、新しい動向なんですね」

つまり、どういうことか。

「ある時期までは、植民地から解放されたら、資本主義の道をとおって発展水準を高めようとした国がありました。アメリカもそういって、資本主義になったら遅れた状態から離脱できるーー「離陸理論」なんて唱えた人もいました。でもそのなかで、離陸できた人はほんの少数なんです。みんな失敗しているんです。新自由主義の言いなりになったらヒドい目になった。だから、資本主義の道には行かない社会主義にいこう、こういう新しい流れが生まれているんですね

「チャベスは、ソ連は社会主義じゃなかった、新しい社会主義をめざそうじゃないかと言っています。『新しい社会主義』が、こういう国々の合い言葉になっています。そのなかで、ブラジルは人口が多く、G20にはいっている国ですが、ブラジルの政権党たる労働党の大会に行きますと社会主義について盛んに議論しています」

「いまの時代は、マルクスとは縁がない、共産党とも違う勢力が、真面目にアメリカの大国主義・覇権主義とたたかい、国内改革をやろうと思うと社会主義ということがすぐに目標にうかんでくる、そういう状況にあることをラテンアメリカの例は非常によく示していると思うんですね」

「そういう世界に私たちは生きているわけですが、そういうなかで日本はどうなっているのか」

そういって、不破さんの話は資本主義国・日本のことへ移りました‥(つづく)
 
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