『そして生活は続く』を読んで/星野源

January 06 [Sat], 2018, 23:19
 著者のことは、くも膜下出血から復帰後に映画雑誌に載っていたインタビュー記事で初めて知った。私自身、彼の芝居も音楽も正直なところよさが余りわからずにいたが、それでも昨年の『逃げ恥』で彼の演じる平匡さんは好きで録画して見ていたし、今では人気も幅広く、ライブチケットも秒で完売と聞く。本エッセイ発行当時の2009年は恐らくそこまでの知名度はなかったと思うが、それでもテレビに出るような人がここまでだめ人間っぷりを赤裸々に書いてしまっていいのかと、大丈夫か星野源? と思ってしまうほどのさらけ出しように笑ってしまった。

 引いてしまうところもある反面、共感できるところも多い。乳幼児にでも敬語で話してしまうところ。一人が好きで変なテンションになるところ。視力がすごく悪いのにたまにあえて裸眼で出かけるところ(特に夜中に裸眼で歩き回ると楽しい)。そして何より生活が苦手なところ。生活が嫌いという表現は何とも言い得て妙だなと感心してしまった。悲しいことに私も間違いなく筋金入りの「残念な人」仲間だ。まさか星野源さんにここまでシンパシーを感じてしまうとは思わなかった。

 ばかばかしくてくだらないのに、急に哲学的なことが書かれていたりする。浅いところから深いところまで印象に残るエピソードが満載で、彼の人気の理由の一部が垣間見えた気がする。

 美人のようこちゃんのユーモアセンスもしっかり受け継がれているようで、今後ますます御活躍されることだろう。