ヨーロッパの個人主義by 西尾幹二 

September 02 [Sun], 2007, 21:26
1969年に出版された古本だけど、内容はとても良かった

*日本人にとってヨーロッパの自由、平等や民主主義の精神は借りものなので、背景の実社会と釣り合いが取れていない→ヨーロッパでも理想でしかない思想
*完全な自由はけっして自由とはいえない。
*日本は確かに戦後目標としていた先進国になり、ヨーロッパよりも進んでいるかもしれない。
平等の意識が普及していて、古い因襲や習俗や権威からの解放が行われている。
*日本人は個人の権利だけを主張して、義務や責任が要求されることが少ない。
 欲求不満だけが加速して、不満やいら立ちがつのり、幸せではないように見える。
*民主主義は完璧ではなく、そもそも人間同士のエゴイズムを解決する妥協の方法として生まれた。*日本は他国を見本として、その良いところを習い、自分のものと改良してきた。
*日本では個人主義や国家主義が育たない=単一国家が自然に生まれ、闘争がなかったから
*日本人はなれあい、自分の所属する小集団の価値を絶対化し、外枠への想像力や構想力がない
*ヨーロッパの個人主義は、多様な文明、闘争、混乱の中、自我を確立しようとしたから生まれた。
*日本は和を大切にするという長所を保護しながら、西洋の精神の本質をきちんと見ていくべき

経済学を学ぶ by 岩田規久男 

August 18 [Sat], 2007, 18:39
初心者のために基本からわかりやすく経済学を説明していて良かった。
アメリカで習ったeconomicsとかぶるところがあっていい復習にもなった。
*重要ポイント*
・価格弾力性が大きい=変わりがあまりないので価格が変わってもあまり需要量は変わらない
・価格弾力性が小さい=ほかに変わりがたくさんあるので価格が変わると需要量が変わる
・シニア割引や学生割り引きは差別価格=善意のものではない。
 老人や学生の需要の価格弾力性が大きいので価格を下げて需要をあげる
・アダム・スミス→「分業は労働の生産力を増進させる最大の原因である」
         →自由な市場は個人が利己心や自己愛に基づいて行動した結果が、
           利他心や仁愛に基づいて行動した時よりも、より社会の利益を増進する
           利己心=人間の理解が狭い範囲に限られる    (予定調和説)
・トーマス・モア→ユートピア思想(市場原理は混乱をもたらし、社会の秩序を破壊する)社会主義
・カール・マルクス→市場経済は働かない→社会主義→共産主義
・エンゲルス→マルクスの相棒
・ケインズ→政府の管理によって完全雇用を達成できる
       世界恐慌の時に不況の原因を理論的に解明しようとした「一般理論」
       完全雇用=働きたい人はすべて働いている
       >理想→企業が低い賃金の人を雇おうとする→賃金の低下→生産費用の拡大
            →発展→雇用の拡大→完全雇用
       完全雇用が働かないのは@労働組合の強さA賃金の低下は容易ではない(労働の質)
・市場経済の失敗
 @独占A外部不経済(公害など)B公共財C不完全情報
☆ゴミ問題→政府がゴミ問題を訴えて市民の理解を得て、有料指定ゴミ袋制
        不法投棄の減少
       →デポジット制(ペットボトルとか
       →環境税(石油や石炭への炭素税)→見えざる手が働く!(経済的誘因プログラム)
☆規制も必要→土地の利用法、専門職や自動車の免許
・しかし規制緩和はできるだけ少ないほうがいい(消費者の利益)
☆高速道路の混雑→料金を引き上げて需要を低下させる
 一般の道路の渋滞→電子装置ERSを車に取り付け、一定の場所に入ると料金をとるシステム
 電車の通勤ラッシュ→ピーク時の混雑料金
・預金や株式投資から得られる所得や土地保有による所得=財産所得 >労働所得と区別
☆機会の均等→相続税と贈与税の強化、無償の義務教育や奨学金制度の充実
          職業の選択や移動の自由の確保
・効率性と公平性のジレンマ
・平成不況→80年代の過剰な企業投資→設備投資を控えるストック調整
・投資乗数効果→@投資の増大→生産の増大↑A投資の減少→生産の減少↓
・税政政策→財政政策の増大と減税
☆財政政策の欠点=対応の遅れ
 累進所得税で見えざる手の自動安定化装置に頼ったほうが良いのでは

市場は競争原理によって、作り手ができるだけ資源を最大限に利用し、価格を調整し、消費者に便利になるように働く便利なシステムだと再確認した。特に、環境問題でも、環境税の導入によって、神の見えざる手が働き、省エネなどを喚起しながら自動的に最善の方法で解決することができるという理論は素晴らしい。
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