武富士 会社更生手続開始決定

2010年10月31日(日) 23時04分
 東京地裁(渡部勇次裁判長)は、31日午前10時、武富士の会社更生手続開始を決定しました。共同通信 ブルームバーグ
 管財人には、申立代理人である小畑英一弁護士を選任。過払金債権など更生債権等の届出期間は2011年2月28日までとなっています。更生債権等の届出について、管財人の「お願い」によれば、すでに弁護士等を代理人として選任している件については、11月中旬ころに代理人宛てに送付されるとのことです。
 他方で、管財人によれば、利息制限法による引直し計算をして過払になっている顧客に対する個別の通知はしないとのことです。もっとも、「Q&A]によれば、ATMでの弁済ができなくなるほか、利用明細に過払金が発生している旨を表示するとのことです。しかし、これだけでは、完済して過払が確実に発生している元顧客が更生手続に参加する機会を確保しているとはいえないでしょう。管財人は、武富士と取引をしていることを知られたくない顧客への配慮といいますが、更生を知らされることなく届出をしなかった場合でも、更生計画認可決定の失権効により全額につき免責されるという強烈な財産権侵害(被害救済の無効化)を合理化する理由になるとは思われません。
 また、DIP型として(※)、申立代理人である小畑弁護士が管財人に「スライド」しました。しかし、果たして、武富士の利益を擁護する立場にある弁護士に、公正に管財手続を行い、創業家一族や機関投資家の責任を追及することを期待できるでしょうか。
 現在のところ、2011年7月15日に更生計画案を提出し、その2〜3カ月後に更生債権者等による投票が行われ、認可決定がなされれば、これに従って、更生債権等に対する弁済がなされる予定です。しかし、最初からこのような対応では、最大の消費者被害倒産ともいうべき事件にふさわしい公正さが欠けているといえ、過払金債権者からの厳しい追及が起きるでしょうから、予定は相当ずれこむのではないかと思われます。というより、過払金を免責・失権させて身ぎれいになった武富士を新たなスポンサーに売り渡して一丁上がりというような対応をさせてはならないと考えます。
(※11/13追記)
 どうも「DIP型会社更生」という概念自体があいまいなようで、DIP型ではないとの理解が有力です。
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