必見!「Chilledren」制作裏話!僕らにほんの少し、愛という添加物を。

May 17 [Fri], 2013, 16:10

「僕らにほんの少し、愛という添加物を。」


投稿してからたくさんの再生・マイリスをありがとうございます!



「Chilledren」、無事に投稿完了しましたー!
今回の動画担当はえみりお氏!幼いけれど、鋭さと悲しさを併せ持ったレンくんを描いていただきました
えみりお氏の活動詳細は、上のリンクからぜひどうぞ!

そしてお待たせしました、舞台裏に密着した記事を書きましたよ〜。
楽しんでいただければ幸いです。

注意!:内容に動画のネタバレ部分もあるので、動画を未視聴の方はぜひ一度動画をご覧下さいませ。
また、この記事にあります画像・リンクされている画像は黒澤まどか・えみりおの著作物になりますので転載・二次使用を固くお断りいたします。


●動画のコンセプト


(黒澤まどか画)


毎度お見せするのもとても恥ずかしい初期設定資料。
タイトルの「Chilledren」は、「Chilled(冷えた)」と「Children(子供)」をかけた造語です。

テーマは、"冷たい子供"。
現代社会に生きる、どこか冷めた子供達を風刺した楽曲です。
キーワードは「冷たい」・「子供」・「冷蔵庫」。
そして社会問題とされる「万引き」「いじめ」などのいくつかのワードも添えて。

楽曲内では、子供達の代表としてレンくんに歌ってもらい、また、感情を削がれたように表現してみました。
この冷たい子供達を、どうか助けて。という小さなSOSソング。

黒澤まどか本来のコンセプトである「ポジティブダーク」を表してくれている楽曲でもあります。


●楽曲について
●なぜか壮大になったオケ
前述しましたように、今回のキーワードは「現代社会」「冷蔵庫」などの今現在の日本の内情を表すものばかりだったので、編曲も今風っぽく電子音をメインにしようとか考えていました、最初は。
そのデジ音を主体とした無機質なオケにレンくんの無機質な声を乗せようと思っていたんです。


でもいつの間にかこんなんなっちゃった\(^o^)/まあいいや!


音楽にも重みを持たせたいな、というイメージや、4分3連の曲にしたいからちょっと中世っぽい雰囲気にしようかな?とか考えて、そっちに引っ張られた結果なのでしょう。
打ち込みを始めたしょっぱなから、デジ音ではなくオーケストラ音源を使っていました。
結果的に私がもともとすごく好きなサウンドになりました。こう、ストリングスやティンパニが鳴る系のね◎


●歌詞について
今回の歌詞は、ちょっと捻くれていたり、痛いところをつく部分があります。
子供の発想だったり、今の社会に異を唱えたり。

「大人が罪犯すことは当たり前なの?」

これは、私が幼少の頃からニュースを観て常々不思議に思っていたことでした。
「中学生がまさかこんな犯罪をするなんて!」
年少者の犯罪が取り上げられると、こんな風に言われるのです。ちょっと待って。どうしてそんなに大袈裟に驚くの?では大人が悪いことをするのは最早当たり前で、誰も驚かない世界なの?

そんな幼い頃の疑問がこうして年月を経てひとつの曲という形にできた事は、感慨深いです。

他にも、昔も現在も引き続き問題となっている「いじめ」。「じゃれ合い」のつもりと軽視したその発言は、言い訳の為に出た言葉なのか。それとも、本当に「じゃれ合い」だと思っていたのか。後者だとしたら、余計に大問題です。

"子供だから"と大人と区別してラインを引く。その場所が、とても難しい。

インターネットが日常にあることが当たり前の現在、発言する言葉も軽く見られてしまう傾向があります。
簡単に「◯ね」と書いてしまったりとか。


子供ら自身も様々な痛みを抱えているでしょう。でもそれらの解消の仕方がわからない。助けの求め方を知らない。攻撃しかできない。
そうやって、自身の殻である冷蔵庫の扉を閉め、じわじわと冷えてやがて腐っていってしまう、そんな子供達のSOSに、周りの人が気づくことができたなら。あたたかい居場所を用意することができたなら。
その時、冷えた子供の心は溶けるでしょう。


●手がかからず、すごく優秀だったレンくん
今回の使用ボーカロイドは鏡音レン。
「Chilledren」で「チルド"レン"」だから、この曲は絶対にレンくんに歌ってもらおうと決めていました。
そして、年齢も14歳とこの曲を歌って表現するに大変相応しく、まさにうってつけの存在でした。
使用したソフトを正確に挙げますと、鏡音レンAppendのpowerを使いました。

「ゲーセン上のアリア」では楽しく歌っているようにミクの声を、「サクラのカオリ」では優しく歌っているようにIAの声を調声していたのですが、今回の曲では、"無感情な冷たい子供"を表現してもらうべく、できるだけ機械的に、むしろあまり調声をしない方向で考えていました。
そして結果として、歴代の私のボカロ曲の中では一番手がかからなかった子、という感じになりました。

レンくん、ベタ打ちの無調声の状態でも子音がハッキリしていてロングトーンの伸びも良く、そのまま投稿しても問題ないくらいにしっかり歌えていたのです。


●子音を残して母音を削ることがメインの調声に
レンくんは最初から綺麗に歌ってくれていたので、今回は変に感情をつけさせたりするような調声はせず、その上でより人間の発音に近く聴こえるよう調声してみました。

「いなす」の「」や「見つからないの」の「」「Mr.Chilledren」の「みすたー」の「」など、母音を削って子音だけ聴こえるようにし、でフォのベタ打ちでは「すぅ」と聴こえるのを「S」の発音にしました。

巡音ルカの有名な楽曲「トエト」にあります「ウソです。」の「す」は子音だけ聴こえてとても綺麗です。
あんな感じに聴こえるように頑張ってみました。

最初から「S」発音を入れる無声音化という方法もあったのですが、自分はそれよりも「す(SU)」と入力してその母音を削るという手法の方がやりやすかったです。


レンくん調声画面。「す」の音符を少し後ろに下げて、母音を削り、「いなすぅ」という発音を「いなs」と聴こえるように。

前々回の「ゲーセン上のアリア」のセリフ部分、「この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りします」の「します」の「す」の部分も同じ方法で、母音を削りました。

今回、あとはほとんど調声を細かく行っていません。PITやPORをいじったりはしていますが、そうですね、「ゲーセン上のアリア」の調声にかかった時間と比べると、それの10分の1くらいでしょうか。


●イラストや動画について
●えみりお氏と知り合えたきっかけ
えみりお氏を知るきっかけとなったのは、とある動画でした。
これがその問題作。


【ニコニコ動画】【鏡音レン】テクノブレイク【カバー】


な、なんと私の問題曲「テクノブレイク」(しかもなんとカラオケJOYSOUNDで歌えるよ!)が、鏡音レンくんカバーとなって新しく投稿されていたのです。

そのイラストと動画を手がけていたのが、えみりお氏だったんですね。

こんなひょんな出会いから、動画を投稿することとなりました!


●えみりお氏のレンデザイン


えみりお氏の持ってきてくれたデザインはとってもカッコよかった!
「オケが壮大だったので」と敢えて厨二っぽいデザインにしてくれたのです。
ゼンマイをモチーフに、冷たいイメージなので寒色系で。

「普通のパーカーとかの服装の方が良いでしょうか?」という彼女の問いかけに、私は「いえこっちがいいです」と即答しました。
単純にデザインが好かったことと、音楽が 中世っぽいオケ←→現代的な歌詞 と相反していたので、イラストも 現代社会の背景←→異世界の存在のようなレン という風に相反させ、そのギャップを楽しむという趣向にしてみようと思ったのです。

なので、初期段階ではレンを「現代社会に生きる少年」という風に現実的に描いていただこうと考えていたのですが、このデザインの決定により、もう少し彼を第三者的な立ち位置にしようということになりました。

このような経緯から、このマントを羽織ったレンくんを「子供たちの念が具現化したもの」「観測者」「精霊」「彼自身も、Chilledrenのひとり」そんなニュアンスの存在として捉えられるように動画も制作していただきました。


●ラフ動画を元に進めていくという手法
前回までお世話になっていたハルタロ氏は、作品の絵を描いて動画を組み立てる、動画の流れはコンテをもらい、それに沿って相談し制作を進めていく、という手法でした。

えみりお氏は先にラフ動画というものを作り、それを確認しながらこちらの希望を伝えたりして細かく固めていき、そこから絵のカット数を割り出し、イラストを描いて動画にしていくという手法でした。
いただいたラフ動画のキャプチャをいくつか。









このように、主に線画で動画を先に作ってしまい、全体を見て決めていくという方法は新鮮でしたが、すごくやりやすかったです。

動画を確認しながら「1番サビはサムネイルに使用したい部分で、あと、例えばMステやCDTV、それからぼからんや歌らんで曲が紹介されるのはだいたい1番サビの部分だから、えみりお氏がそれをイメージした時に、視聴者に一番魅せたいレンくんを描いてください」とお願いしたりしました。


そして描いていただいた1番サビのレンくん。ここをサムネイルにしました!
冷え固まったこの表情をほぐしてあげたい。



そしてこのレンくんを用いてえみりお師がpixivに一枚絵を上げてくださいました!
大きな画像はこちらからどうぞ★


↓こちらからもDLできます☆



●フィーリングの一致!?
そのいただいたラフ動画では、レンくんはほとんどフードをかぶっている状態でした。
とある日のSkypeチャットにて。
私が、「フードをかぶってないレンくんも見たい」と希望を出すと、えみりお氏も「そうなんですよ!かぶっていない方が髪型もレンくんだとわかりやすいし」となりました。
でもかぶっているシーンも出したい。なら2種類登場させよう。では、どういう時にフードをかぶり、脱がせるべきか?という論点になりました。

えみりお氏が
「街とか、ほかに人間がいる場所のときはかぶる」
と打ったのとほぼ同時に、私も
「周りに誰もいないときはフードを脱ぐ」
と打ち、ふたりの意見がぴーったり合って満場一致。
この瞬間はドキッとしちゃった!

というわけで、フードの有無は動画内のレンくんの状況に応じて描き分けることとなりました!


えみりお氏「ただ、凍るレンくん(大サビ最後の部分)はかぶせたいような気も!」

まどか「あれはすごく良かった
殻に閉じこもるような感じが
フードを冠っている=周りに人がいる=SOSに気付いて欲しい
という解釈もできますし>凍るシーン」

↑チャットだと私こんな感じなんです(´Д`;) 日本語不自由な人みたいや…。





ということなので、最後の凍てつくレンくんの周りには、実は人がいるんです。でも凍っていく自分を助けて欲しいということを声に出せなくて、誰かに気づいてほしくて。そしてあたためてほしいのです。
Chilledrenを助けるには、まず気づかなくてはならないのです。


●厨二的冷蔵庫とバターのデザイン!


ボカロ曲には珍しい(?)冷蔵庫ソングということで、えみりお氏が冷蔵庫のデザインも手がけてくれました!


モチーフのゼンマイと、それからさりげなく取っ手がレンの「L」になっています。
しゃれおつ!!


そしてバターも。心なしか添加物がたくさん入っていそうです。
"「僕らに愛というほんの少しの添加物を!chilledrenバター」定価2100円 オリジナルステッカー付き 全18種類+シークレット1種 パッケージイラストはえみりお先生描き下ろし!"
とか発売してくれたらうれしいなあ…。(遠い目)
もちろん愛という添加物たっぷりで!!


●なんでみんなタイトルロゴつくるのうまいん?



なんとタイトルロゴも作っていただきました!
歯車を入れて、少し機械的に。なんでみんなロゴつくれちゃうの…。絶対難しいでしょこういうの…。


●多彩なセンス!動画のエフェクトも凝っています

えみりお氏が動画も担当してくださり、作業効率も高くなるので助かるということと、それから彼女の動画制作のセンスには驚かされました。細かい描写がすごく凝っています。
ここでは、私が特に気に入っている演出を挙げていきますね。

例えば、「僕もおんなじだと呟いて」のカットから「再び扉を閉じてしまう」のカットに行くところは、実際に冷蔵庫の扉を閉めているかのようなエフェクトが施されています。


子供の犯罪の匿名性を表すかのようなモザイク。


バターナイフとレンくんのフォーカスを敢えてずらしてみる演出。
ナイフを凶器と見立てるという見解もできる。



大サビでは、冷気が画面いっぱいにまとわりつく。



この最後のレンくんの目のアップ。瞳に埋め込まれているゼンマイが、


アウトロのゼンマイと重なる。


動画師は難しいお仕事だと思います。限られた素材の中で、そのムービーの魅力を最大限に引き出す演出を考えなければならなくて。
この「Chilledren」、動画の凝った細かい演出によって、ひとつひとつの絵が更に魅力的に写っています。




こうして、思っていた以上にスムーズに全体作業が進み、予定より早いタイミングで投稿することができました!
今回は、私自身が曲を作り上げるのも早かったですし、そしてえみりお氏の作業スピードもとても早かった…!
このくらいのスパンで作品を生み出していけるよう、これからもがんばります!!

そしてイラストと動画を制作してくださいましたえみりお氏、本当にありがとうございました!
今後も作品に携わりたいと仰ってくださったので、また一緒に動画を制作できる日がくるかも…?
皆さん楽しみにしていてくださいね。

えみりお氏も、この作品についての裏話を書いてくださっています。
ぜひぜひ読んでいってください!☆彡
リンク:Chilledren裏話とかとかを(●´ω`●)


最後に。

あなたの周りに、Chilledrenはいませんか?
ほんの少しでいいから、彼らに愛を。そして、あたためてあげてください。

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プロフィール
  • プロフィール画像
  • ニックネーム:黒澤まどか(Kurosawa Madoka)
  • 誕生日:1985年9月6日
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黒澤まどか:シンガーソングライター兼ボカロP。
弟の姉:歌い手。オリ曲「黒髪少女」「Chilledren」「ゲーセン上のアリア」等カラオケ配信中、「giga戯画witch」収録アルバム全国発売中。2018/9/8(土)ワンマンライブ開催『ゴスロリ噺家見参!』。



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2015年10月28日(水)リリース!
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2016年9月6日(火)@代官山NOMAD
黒澤まどか単独公演
「†黒窓教集会†」
満員御礼!御来場ありがとうございました♪

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2014年4月20日(日)@代官山NOMAD
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「彼等と私の冥土の土産」
御来場ありがとうございました♪

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