演出ノート・空間2

2004年12月29日(水) 4時01分
私は様々な「出向いて得る」表現の中で、演劇がいちばん受け入れやすい。
美術館に絵を観に行く、ライブを聴きに行く、ということに比べていちばん客席が安全だからだ。受信している自分を、基本的には誰からも見られる危険がない。
そんな私なので、お芝居を観に行ってヘタな客いじりをされると泣きたい気持ちになる。

それで小心者の私は、なかなか上手はけについてのアイデアに自分でオーケーを出せずにいた。決めてしまえばそれは私のプランになる。
でも、思いついたことは何でも言ってみようとする稽古場を目指しながら私が何か言えないなんてよろしくない。作品と全員を信じる。自分も含め。

とか思いながら稽古場で「上手はけ、ぐるっとまわって客席のうしろ通ってもらおうかと思ってる。その方がかっこいいから」と言ってみる。
役者たちは困惑する様子もなく納得していた。

客席は多少の曲線を描くが一方向を向くようにしたい。でも、後ろを見たら役者が歩いているかもしれない。これけっこう面白い(あと安全だ)なあとぼんやりと思った。
世の中的に見たらちっとも新しくないことでも、私にとっては大冒険だ。

美術館に全員で見学に行った時に、「やっぱりなるべくこのままの状態で使いたい」と思った。
そのことを伝え、そういうつもりで稽古を進めた。通し稽古をする時は演出家席の後ろにスペースを確保し、そこを舞台の一部と考えた。私から見えなくなると「はけた」ことになってしまう役者の日常の癖をやめてもらい、後ろももちろん芝居して通ってくださいよ(後ろは見れないけどね)と伝える。

本番の前日ゲネプロをやってみてようやく自分のプランが間違ってなかったと安心できた。

いつもみたいに舞台と客席が一本線で分かれているのではなく、ドーム状に使っている舞台空間が客席を内包しているかたち。
今までやったことがなく私らしくもないことをしているなあと思った。
思って、嬉しくなった。
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ご紹介
三谷麻里子

府中第6小学校卒業 天神町在住 AB型
児童書は岡田淳が好きです。最近ケストナーの面白さを知りました。
もちろん府中市の図書館で借りて読んでいます。

よろしくお願いします。



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