「FLY,DADDY,FLY」と「SP」周辺

November 07 [Wed], 2007, 2:50


【TVガイドで「SP」特集】

「SP」関連のTV雑誌花盛りで、いろいろ立ち読みしてしまいました。
「TVガイド」はつい購入。表紙の岡田君の視線にやられましたね!

「木更津キャッツアイ」「タイガー&ドラゴン」のファンでしたが、「花よりもなほ」の毛色の変わったお侍さんも「大化の改新」の中臣鎌足も・・・悪くなかったです。渡哲也さんとのドラマ「反乱のボヤージュ」も良かったなぁ。
岡田君は結構デコ助で、目力がすごくて横顔がシャープで、弟キャラで筋肉フェチなあたり、KOJI君と似てるかも・・・。

「SP」では岡田君の鍛えた筋肉を見せるため、タンクトップのシーンを毎回入れるのだそうです。
キャストのほとんどをオーディションで選出。同僚のキャストも小劇団出身者が多いとか。個性的でカッコよかったですね。新選組の尾形(と言っても俊太郎)さんを好演した飯田基祐さんも出るみたいですね!
第一回のシネコン場面で妙に記憶に残った「交渉人2」という大きなポスター。「踊る」スタッフが制作したそうです。ユースケの映像などはないですが、ネタ走りがあったんですね。

記事で一番嬉しく読んだのは、総監督本広克行の言葉。
>岡田=堤の関係は青島と室井の構造に似てますね
ほほほっ!

>堤さんが政治をコントロールしていく一方で岡田君が自由にアクションして・・・。これは「踊る大捜査線」の室井(柳葉敏郎)と青島(織田裕二)の構造に似ているんです。当初は似ていてイヤだなあと思ったんだけど、最近はあえて使おうと思ってます。“踊る”の続きを作ったらこんな風になるのかなと思いますね。それから、青島と室井で徹底的に研究した“男の格好いい立ち方”を今回全部投入して撮影をしています。

「踊る」はプチマニアになるほど大好きだったけど、映画第二弾の終わりあたりの青島君のセリフ「上司がよければ、組織も悪くない」でなにか「終わった」モノを感じました。
それを言ってしまったら、青島君と室井さんが「火花を散らしつつ背中合わせに立つ」意味がない。もう、若くないんだ・・・。スピンオフ企画も悪くはないけれど、「SP」に取り組む方が前向き。

【三丁目のSP&「匣」】

巷で話題になってるらしいのに、なかなか捕獲できなかった堤さんの「ALWAYS・SP」映像。
ようやく見つけたのはこれだけど、「その瞬間」の写真があればよいのになぁ〜。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071104-00000063-sph-ent

実はこのシリーズは好みじゃないんです。辛口感想をこちらに書いてます。
http://yaplog.jp/kinoko2006kun/archive/138
でもやっぱり大ヒットするのかな・・・。

堤さんの映画として、絶対見に行くつもりなのはもちろん「魍魎の匣」
http://www.mouryou.jp/
関口君が永瀬正敏→椎名桔平になってるのが心配ですが、「匣」のキー、久保峻公が宮藤官九郎、美馬坂幸四郎が柄本明というのがなかなか楽しみ。
クドカン、これは純シリアス、お笑いではやれませんよ!

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限定数ですので、お早目にお求めください。


わわわ・・・!欲しかった「脳良の匣」(魍魎版ルービックキューブキーホルダー)付き前売り券、もう発売中なんだ!
・・・と思ったけど家の近くの映画館はまだ前売り開始前なので・・・大丈夫かな?

「姑獲鳥の夏」には、萌え萌え感想をこちらに書いてます。
http://yaplog.jp/tosizukin/archive/233


【フライ、ダディ、フライ】

「SP」で萌え上がる岡田准一と堤真一コンビ(プラス金城一紀原作・脚本)「フライ、ダディ、フライ」をさっそく借りてきて見ました。

「SP」みたいなクール&スタイリッシュというわけではないけれど・・・映像がポエジーで、2人の魅力がぎっしり詰まった一本でした。

岡田君の美しさ妖しさはとんでもないですね。鍛えた身体といい、シャープで優雅な動きといい、キリリとした美麗な容貌といい・・・芝生の上に寝転んで目を閉じたあの顔には、ヨーロッパ映画の女優さんみたいな無垢な色気を感じます。ただの高校生役のはずなんですが・・・。


 
堤さんは共感度の高いお茶目演技全開。喜ぶ、妙に張り切る、疲れ果てる、情けなくヘタレる、決意する、などなど、雄弁すぎるほどの演技力でした。

「FLY」というタイトルに呼応する、途中の岡田君の「勝利の飛翔パントマイム」は美しく静謐。堤さんのラストの飛翔は滑稽だけど明るく幸福そう。

全編風がはためいている。多分寂れた千葉の湾岸ニュータウンあたりの高校みたいな感じだけれど、海も空も広々としていてとてもきれい。

【基本感想は辛口】

基本的には好きな話じゃないです。「おじさんマゾヒズム」モノの一種かとすら思えました。「父権の失墜」にはじまり、「家庭内暴力(の被害者)」「オヤジ狩り」まで普遍化した落ちていく一方の流れの果て。
長時間かけて郊外の一戸建てマイホームから通勤し、会社でくたびれ果て、ローンはまだまだ残ってるし、この先定年まで働く人生に反抗する気もなく。娘と妻だけが生きがいなのにあまり大切にされない(この映画では大切にされてる方)。
重松清の作品(ニュータウン舞台のほろにがホームドラマ)「ナイフ」「定年ゴジラ」などの世界を彷彿とさせます。

いまやもう、おじさんの正義は「耐えること」のみ。
「フライ、ダディ」はそこからの飛躍みたいな形になってます。同じようなくたびれ中年仲間(通勤バス友)から離れ、毎晩ランニングしてバスと競争し、しだいに「自分たちの中のささやかなヒーロー」とみなされるあの雰囲気もモノガナシイ。
無法な若者に一矢報いる団結したオヤジたち(「昭和歌謡大全集」のおじさん版)みたいな方向には行かない。

(以下、三分の二くらいまでのネタバレを含みますのでご注意を)

おじさん鈴木一(堤真一)が自己を変えるきっかけになってくれたのは、きままな男子高校生達。(自分の娘や娘を襲った代議士の息子と同じ世代であるが、その辺は気にならない)
そこにいたのがスンシン(岡田准一)。スンシンとその仲間は、ダメおやじだった鈴木さんを夏休み全て使って闘うおやじに鍛えなおし、戦いの舞台を整えてやる。

クールなように見えて、名トレーナーさながらに鈴木さんを精神から鍛えなおしてやるスンシン、遊びだ賭け勝負だと言いながら、心から楽しげに鈴木さんのサポートをしている他の四人の少年達。
彼らはいっぱしの不良でもあるのだが(隣の高校の始業式を教師達を縛り上げてめちゃめちゃにするくらい)明るくてどこか悟りきっていて、村上龍的な鬱屈は抱えていない。出会ってすぐから鈴木さんに何の警戒も疑惑も嫌悪も異物感も抱かない。「ぼくたちはお父さんのともだちです」だ。

鈴木さんにとって理想的なサポーターだが、リアル感がまるでない。というより、まるで鈴木さんのメルヘンの世界の王子さま(スンシン)と小人達だ。「スンシンはアルジェで傭兵をやっていた」なんていうホラを信じ、一介の高校生を何の疑問もなく「師」として忠実な「弟子」になってしまう。
敵役のインターハイボクシング選手、代議士の息子石原も、リアリティのまったくない暴力ゴリラ。亀田兄弟だってもうちょっと人間的だよ。

この鈴木さんの素直さ、従順さ、疑いのなさ。堤さんの演技に説得力があるから「カワイイ」という感想が出るのかもしれないけれど、息子世代に完全に白旗を上げきった父親世代。もはや葛藤も対立を生むほどのものもなくなり、「息子世代に認められるカッコいい親父になるべく努力したい」という、もう卑屈としか言いようのないような感覚に落ちてしまっている。もはや右の頬を打たれたら左の頬も差し出す心境?

【案外複雑・・?】

そういう、一見平板な印象すらある映画だが、ちょっと見方を変えると案外複雑な構造を持っているかもしれません。

ディスコミュニケーションが常態な世代同士、「フライ、ダディ」はやはりメルヘンだとは思うんですが。

鈴木さんがスンシンたちに見る夢は単純。ちょっとその気になれば誰だって、若者と触れ合うことも友人同士になることもできるし、自分を変えてもらうことだってできる。ネットで知り合い、自分の息子よりも若い友人達と虫取り旅行に行ってる人もいるし、珍しくなくなっている。

ところが、スンシンが鈴木さんに見る夢は、かなうことが絶望的に見える。スンシンの方がはるかに孤独そうに見えるのはそのため。この国の子供たちはいつの頃からか父親を失ってしまった。給料運搬人はいて、マイホームパパはいるけれど、自分を守ってくれる父親なんかいない。
スンシンが強くなったのもそのため。韓国姓だというだけでリストラされたサラリーマンの恨みを買ってしまい、心底怖い思いをしたから。

大人も保護者もない世界で、みなしごのように生きていくしかない少年達。スンシンは、気まぐれに手近な素材で「家族のために闘える父親」を作ってみた(早く強くなって、ぼくを守ってくれ・・・)。他の少年達と一緒に。ひと夏かけて頑張っただけあって、なかなか上々の父親ができた。しかし彼にはちゃんと守りたい家庭や娘がいて、喜色満面でスンシンの元を去っていってしまう。
最後まで姿を現すことのないスンシンの母親(夕食に「温めて食べてください」のメモを残すだけだが、奇妙なほどリアル)。

おじさんの作った映画だと思うと心底が見えて貧しいが、スンシンの側が作った映画だと思うと、とても切ない。

金城一紀は1968年生まれと言うことで、2人の中間ですね。どちらの視点で作ったのかなあ。コリアン・ジャパニーズだからとこだわりたくはないが、スンシンを在日にする必要はあったんだろうか。「GO」は見たけれど、他の作品(「レヴォリューションNO.3」「対話篇」など)は見ていない。

コンパクトに書くつもりが、やっぱり長くなってしまいました・・・。

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ルイスさん、「踊る」に関するその思い、とてもよくわかります。TVシリーズ当時、それまでの刑事ドラマとは全く違った地平を切り開いた、あの新鮮で若々しかった「踊る」すごかったですよね。あたらしい「リアル感」がありました。いかりやさんやスリーアミーゴスとの絡みも大好きでした。「本庁のエライ管理官」が出てくるとピリピリするあたりも・・・。
数々のスピンオフ企画も、ユースケの交渉人は良かったけれど、室井さんのも、木島さん灰島さんのも、今一つ・・・「若さ」がなくなってしまった。
織田さんの青島君、当時はいかにも耕史君言うところの「悟空みたいなヒーロー」でした。普段はフニャフニャして、いざとなるとカッコよくて、シリーズが終わると島のお巡りさんに左遷されたりして消えていく。
SP第2回、全後編だったこともありあっけない感じに終わりました。カッコよくてもやっぱり小粒かなぁ。

>自分としては『風の果て』に落ち着いてますねー。
同感です!!今季一番見応えがあります。内容も演技も深いですね。
(急遽帰省しておりまして、レスが遅れましてスミマセンでした。)

by きのこ November 12 [Mon], 2007, 0:48

付け加えですが、織田さんが俳優としての自覚ナシでは『踊る3』の続編も無かろうかという訳です。織田さんがああいう浮かれモードをみているとファンとしては本気で残念になりませんから。

by ルイス November 11 [Sun], 2007, 18:13

>今の織田裕二には残念ながら往年のキラメキトキメキは感じられません。「県庁の星」「冗談じゃない!」とか、見るほうはガッカリなのに本人は絶頂期のつもりでいるあたりがイタイです。

たしかにねー。(苦笑)
本人がああで期待していたファンにとってはもうなんの魅力も無いです。個人的に。

自分としては『風の果て』に落ち着いてますねー。
佐藤浩市氏の熟練された大人の男性の魅力がありますから☆

by ルイス November 10 [Sat], 2007, 21:36

なつさんこんにちわ!「匣」は私も一番くらい好きなんですよ。幻想小説という趣、乱歩の「押絵と旅する男」を思い出させます。
>榎木津はガクトさん説があるようですが、
榎木津にGacktを・・とは、私も想像したことがあります。「色素の薄い感じ」が欲しいんですよね。阿部寛はやっぱりイメージ違うんですが、最も難しい堤京極堂が良いので。
>木場は渋い人がよかったかな。背が欲しかったですね。

そうですね。「夏」では宮迫キバシュウも悪くなかったですが、「匣」では彼が中心的役割をになうので、ちょっぴり心配です。

「ガリレオ」一人勝ち状態ですね。この福山君を五年間もドラマ界がほっておいたのが不思議です。これ見よがしの「餌」だと思いつつも、スカッシュやフリークライミング姿に身を乗り出してしまう自分が居ります。

by きのこ November 10 [Sat], 2007, 3:58

「魍魎の匣」は読みました。うぶめが紹介編ならハコは活躍編ですね。
映画もDVDで見ました。榎木津はガクトさん説があるようですが、阿部寛さんは似合っていると思いました。(もう少し色白がいいとは思います)
木場は渋い人がよかったかな。背が欲しかったですね。

ガリレオは観ています。福山ファンでなくてもかっこいいと思います。木村拓哉さんとは違って好きでない人もひきつける魅力がありますね。

by なつ November 09 [Fri], 2007, 8:22

ルイスさん、「踊る〜」ファンだったんですね!又一つ共通点が見つかって嬉しいです
「SP」は「踊る」テイストかなり濃厚に感じます。犯人が高学歴でオタクがかっていたところや、「青島室井」の関係性に似ているところや、組織と個人の関係が緻密に描かれているところなど。同じ課のメンバーも味わいがあっていいですよ。「ガリレオ」も面白いです。メジャー向けに良くできたエンターティメントなので、感想を書く気分にはならないんですが。福山さんも好きだけど、香取君が犯人役の今回は特に良かったです。
この2つと「風果」と大河以外、今季は見てません(自分としてはごく少なめ)。

>自分はやはり『踊る〜』の復活を祈っているばかりですが、予想として無理なのではないかと。
「踊る」ですが、私も「青島君での続編」はもう無理だと思います。今の織田裕二には残念ながら往年のキラメキトキメキは感じられません。「県庁の星」「冗談じゃない!」とか、見るほうはガッカリなのに本人は絶頂期のつもりでいるあたりがイタイです。佐藤浩市や江口洋介みたいに、上手に若さからの脱皮を図ってほしいですね。
あれは、TV史上に燦然と輝くシリーズとして、過去のものにしても良いんじゃないかと思ってます。「SP」が後継機としてどうなのかは・・・これからこれから。

by きのこ November 08 [Thu], 2007, 23:49

こんばんは。自分は、『SP』や『ガリレオ』のようなドラマは興味を抱きません。

自分はやはり『踊る〜』の復活を祈っているばかりですが、予想として無理なのではないかと。

噂ではヒーローがやりたくないというのが厳しい現状なので。

それなのに新しい作品に前向きになれないのです。
自分はその続編をやらない限り『踊る』ファンを辞めます。

by ルイス November 07 [Wed], 2007, 22:22
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