再びの「L5Y」 《印象編》

September 16 [Sun], 2007, 1:55
観てきました!
山本耕史ジェイミー再演、井手麻理子キャシーのミュージカル「ラスト・ファイブ・イヤーズ」(以下L5Y)。

ジェイソン・ロバート・ブラウンの脚本、作詞作曲というオフブロードウェイミュージカル。日本で初演されたのは一昨年、耕史君とNaoさん。

その時初めて耕史君の舞台を見に行き、その底力と輝きにビックリしました。
当時の感想はここ

この時の舞台DVDは、どうやら完売のようですね!少したったらまた観てみよう・・・。

以前は28歳の耕史君でしたが、今回は30になった耕史君と年上32歳のシンガー井手麻理子さん。芝居は初めてだというので、耕史君の相手役はつくづくそういう人ばかりだなぁー、と思いつつも、大好きな作品ですからとにかく一枚、チケットをゲット。

ここでも美麗舞台映像が見られます。キャシーを優しく情熱的に抱擁する耕史ジェイミーの手に、理性を失わないように・・・。

【かぶりつきの至近距離・・・!】

さて、前夜のおきねちゃんの悲劇がじっとりと尾を引く日でしたが、気持ちを入れ替え、仕事帰りに舞踏会にでも行くような気分で東京グローブ座へ。

東京グローブ座は、新大久保にあるという感じがしないような(失礼)、瀟洒な劇場でした。
舞台を丸く囲むような座席配置。客席は三階までありますが一体感もあり、600〜700席くらいだけど大きすぎる感じもない。

新宿FACEが、場末感プンプンでパイプ椅子・・・というのもヘドウィグのライブらしくてなかなか感動したけれど、珠玉のミュージカルL5Yには、こちらが絶対似合う。

一階席の後ろから劇場に入った途端、舞台を一目で見下ろし、まあ素敵・・・。

しかし・・・・!!私の座席はなんと前から二番目の中央やや下手(左)寄り!!
ここは、主にジェイミーの定位置ですよ。
ああ嬉しい!全体を見ることは今回どうでもいい!

・・・必ずしもどうでもいいとは言えないのですが・・・例えば前回もうちょっとしっかり確認したかった映像効果、真ん中に浮かび上がる時計や丸い月や、英文の効果など、確認したい演出も少しありました。

それでも、至近距離で耕史ジェイミーの一挙手一投足を見上げ、あの表情の微妙な動きまで全部見える僥倖の方が、ずっと嬉しい!!

開演時には目に入る席はほとんど埋まりきっていました。すごいなあ・・・。
観客の9割9分以上は女性ですね・・・ほとんどが耕史君ファン?

L5Yは、お皿の底のように奥と両側が傾斜している、木床の感触豊かな舞台。上手の皿の縁の下に、バンドボックスがあります。この部分もほとんど見えなかったのですが、もちろん不満はなし。

これから観られる方も多いと思いますので、今回は、主に演技や歌について心に浮かんできた印象を綴るに止めたい。
内容や演出面についていろいろ思ったことは改めて。

(追記:書いてみたら、つい全体にわたるレビューになってしまったので、ネタバレや先入観を避けたい方は、ここまでに)












【開幕です・・・・】

役者の登場に先立って、この舞台の基調と言うべきピアノのシンプルなメロディが流れ始めます。
乾いて、悲しくて、無邪気で、アイロニカルなワルツ。
シンプルなようでいて、メジャーコードとマイナーコードが微妙に交錯する感じ。
この曲大好きです。帰りの電車の中でもずーっと、頭の中でその音が鳴っていた。

★★

やがてスポットが灯り、キャシー登場。胸と背中の大きく開いた衣装で舞台中央に立ち、悲しく美しく「ジェイミーはもう旅立った・・・」(STILL HURTING)と歌い上げます。
声量はあるし、Naoさんよりはずいぶん大人っぽい。

ややあって、舞台後方上手から、待ちに待ったジェイミー登場!
二年前もそうだったけど、突然舞台全体が躍動し始める。

白いコットンジャケットを脱ぐ、その仕草だけでもうノックアウト。
その下は前立てに花のステッチをあしらった白いシャツ。ブリーチの細身ジーンズはちょっと普通すぎると思ったけどまあいいか。

髪はかなり短髪。ピンピン立てて、前髪はぱらっと下すくらいなので額も結構出してて、これは、土方姿に惚れた私が始めて「普段の山本耕史」に接した頃の髪形に近い。23歳のジェイミーそのものです。

白いジャケットを脱いでクシャッと椅子の上においただけで、特別なもののように見える。至近距離だからなのか、シャツやジャケットの皴も、とてもとても美しいもののように見える。

ジェイミーの1曲目、「SHIKSA GODDESS」でもう客席は最高潮。前回と同様、舞台を軽やかに飛び回るジェイミー。恋の始めの歓喜を全身で表現する。

軽やかに机に飛び乗っては飛び降り、オーバーアクションで舞台狭しと軽やかに動く。こんな近くで見てもなんの「ドサッ」とした音も振動もない。
知られざる特技、ムーンウォークもたっぷり。

それでいて歌はすごい。全く音程も外さず、息が苦しげに切れることもない。歌詞が聞き取れない部分もほとんどない。どれも難しいナンバーなのに、そう思わせないくらい自分の歌にしている。

これらは前回の感想と同じだけど・・・水面下ではどんなに努力しているんだろう。
肉体って、ちょっと甘やかすとすぐたるむじゃないですか。

表情も歓喜をベースに、おどけたしかめ面や目をつぶった恍惚や、小憎らしいキラースマイルとクルクルと自在に変化する。

続く2曲目「MOVING TOO FAST」も、小説が認められ、恋も順調なことを喜ぶハイなナンバー。

耕史君、舞台中央でバク転しかかってやめたようにみえたのはフェイク?
ナルシーに携帯で自分を撮るところなどでは大いに笑いを取っていました。手品っぽい仕草も鮮やか。指の動きに見とれてしまう。
★★★

その歌の周りで、心が離れ始めた時期のキャシーが、必死で怒りと嘆きをぶつける歌声。

キャシーのコミカルなナンバーも登場。ジェイミーの世界の、「私はその一部」と箒を持って踊りながら歌うのは私の好きな曲。
かわいい動作が、オバサン入った井手さんにはちょっと似合わない・・・。たぶたぷした白い上腕も、至近距離だとなんとなく気になる・・・若いNaoさんの方が、このあたりはちょっと得かな。

井出さんは、歌唱力は十分で、眼をつぶって聞けば完璧なのだろうと思うけれど・・・なにしろ演技初心者。1曲につき1種類づつの表情と動作(この歌は嘆き、この歌はコミカルなど)をつけるのが精一杯なのか、少しばかり見ていてしんどい。

何しろ相手が、一曲の中で表情でも動作でも舞台上の位置取りもクルクル変化させて見せる。もう自分の「演技の引き出し」をひっくり返すが如く放出していますから・・・おまけに時間軸は逆だし、こんな難しい役、曲がりなりにもやってのけた井出さんはすごいですよ。

一つのハイライト、自作の短編を朗読するジェイミーの「シュムールの歌」では、ああ、これが世に言う「三つの声」なのか・・・と思った。地に近い声と、セクシーな裏声と、そして年寄りのような声を使い分けている。

耕史ジェイミーに関しては、初演時点ですでに完璧に近いものを感じていました。

だから、「耕史ヘドウィグ」に更なる進化を願う気持ちと違い、ジェイミーにはあの輝きを失って欲しくない・・・という気持ちの方が正直言って強いのです。

しかし「シュムール」に見るあたりは二年前より磨きがかかったようで、私は20年後、30年後もしっかり舞台に立っている山本耕史を想像できました。

そして、大昔見た江守徹の「ハムレット」を思い出した。
セリフ回しが古典とは思えぬほど早口で軽い。トリッキーで躁鬱で、それでいて悲しいハムレットだったけど、耕史君ならさらに躍動的な動作を付け加えてくれそう。
耕史君に似合うシェイクスピアはハムレット!
もう決めたよ!いつか実現して欲しいなぁ・・・。(脱線しました)

★★★★

さて、一曲だけ二人が時間を共有する「NEXT 10 MINUTETS」・・・私は前回、ここがどうしてもピンと来なかったので今度こそしっかり見たいと注目していました。

キスをして、優しく抱きしめて、手をとって未来へ行くように二人で歩く。ここの耕史君は、前半のような躍動感も、後半の悲哀もなく、自然体のやさしさそのものです。シャガールの絵の恋人達のようなシーン。

情熱的にキャシーを見つめる耕史君の瞳は、美しすぎる。苦しい・・・・!

しかしはかない。もろい。美しくて、壊れやすい感じがする。結婚というより、一夜のカーニバルに見える。

どうしてでしょう・・・他のナンバーの、違う時間軸にいながら同じ空間を占めている、すれ違い続ける二人の方がリアルなものに思え、一つの時間と空間に居る二人の方が幻影のように思えた。

長い長い宇宙の時間の中に浮いた、ありえない奇跡のような気がした。

★★★★★

後半はどんどんジェイミーが変化していく。
銀平?と思うようなダークスーツに着替え、瞳ももう明るく輝くことはない。イライラと嫌悪を持った表情でキャシーを見たり、「二分だけ黙って僕の話を聞いてくれ!」と大声を上げたりする。
(「それがし、鬼になり申す」と酷似した表情を目の前に見上げた時は、ドッキリしました。)

後半はキャシーの方に好きな曲が多い。
「あなたの帰るときにはスマイル 笑顔でいたいの」の歌詞を、オーディションに絡めるナンバーは演劇的で大好き。(AUDITION SEQUENCE)

「どうしてこの服この靴!やり直さなきゃ、みんな若くて細い・・・!」と、千々に乱れる思いを凄まじいテンポで独白しながら、明るいナンバーを歌う、あの忙しさは演じ甲斐、歌い甲斐がすごくあるでしょう・・・。

その次には、さらに遡り、高校時代の友だちが妊娠したけど、私は専業主婦にはなりたくない。翼が欲しい、違う人生が欲しいと歌う。(I CAN DO BETTER THAN THAT)

その傍らには絶望したジェイミー。
鋭くキャシーを見つめて彼女の心に切り込もうとしても、通じるはずはない。彼女は違う時間、もはや娘のような時代にいるのだから・・・。
それでも「すれ違う二人の心」だけはありありと我々の目に映る。不思議で、残酷な設定。

一箇所、舞台中央前端に腰掛けて、悲哀のこもったナンバーを歌う部分があるのだけれど、その耕史君は、ほとんど涙を流さんばかり。
ほんの二三歩歩いて(一列目がなければだが)耕史君の肩に手を置いて慰めたい・・・という衝動に駆られました。

★★★★★★

ラストのナンバーは、二人で歌う。
ジェイミーは永遠のグッドバイとして、キャシーは明日までのグッドバイとして。

上手と下手から二人は歩いてくる。一瞬、抱擁するかのようにすら見えるのに、顔を擦るようにしてすれ違う。

流れ出すテーマ曲、ピアノのワルツ。黄色の薔薇が枯れた花のようにスクリーンに映るのにある種のショックを受けるが、その次の瞬間には、L5Yの象徴であるむせ返るような赤いバラの花。
スクリーンいっぱいに、動かぬ美しさのような一面のバラの花。

そして、ピアノのワルツがアンニュイに時を刻む中、私は再び時間を逆にたどり始める。若くて元気と希望でいっぱいのキャシーが、愛するジェイミーとめぐり合い、ケンカしたり仲直りしたりしながら、一緒に暮らすようになり、そして・・・。

何度も何度も、繰り返す。まるで夜のメリー・ゴー・ラウンドのように。
摩擦のないお皿の中で、2つのガラス玉が慣性の法則だけで、永遠に縁から縁へと運動を続けるように。

バンドのピアノ奏者はもうとっくに居ない。
それなのにテーマのピアノ曲は、頭の中で、永遠に続くオルゴールのように聞こえてくる。

L5Yは、詩みたいなミュージカルですね。
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ルイスさん、話題つながってるからまったくOKですよ!

ゲネプロのインタビュー、見つけてないのですが、そうですか・・・記者の質問て、仕事とはいえホンットーーに!つまんないこと聞くものですね。
サト○リのことは考えないようにし、耕史君の否定発言が出てくれてからはもう、何の疑いも持ってません。
耕史君のことだから、本当に熱愛相手ができればはじめッから認めてしまいそうで・・・・実はニセスクープよりその方がずっと怖いです。(自分がね)


by きのこ September 18 [Tue], 2007, 22:09

こんばんは。
耕史氏が舞台で完全燃焼に向かって頑張っていらっしゃるそうで、非常に励みになります。最後まで頑張って欲しい、ファンはいつも思っています!!

ただ、今回のゲネプロで数ヶ月前の話題をしつこく聞くマスコミには腹が立ちました。

元々元凶が某歌舞伎俳優でしょ????それに加え相手のサト●リにも凄くムカつく。オトコ相手にいい様に利用していそうで、偉そうにしているのが・・・、バカにしているのか!!大ッ嫌いですね、あの女は!!(大激怒)

耕史氏には純粋に仕事を貫いて欲しいんですよ。マスコミに否定発言を仰っており、信用したいと思いましたから!!

舞台の話題なのにこんな言を書いて非常に申し訳ありません・・・。(ペコリ)

by ルイス September 17 [Mon], 2007, 19:02
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