山本磐音は殺さないかも・・・!「陽炎の辻」第2回

July 28 [Sat], 2007, 11:47
さてさて、一昨日になりましたが「陽炎の辻」第2回、「絆」良かったです。第1回よりずっと。

第1回はどうしても、あの悪夢のような豊後の悲劇を描かねばならなかったので苦しい部分もありましたが、第2回、いよいよ新しい時代劇の舞台が整って、それもいきなり「一見さんにも納得!」の出来だと思いました。

その日の朝刊TV欄に写真入で紹介されていました。暖簾を上げて上目遣いに内部を見遣る表情。つぶらで凛々しい瞳。公式にもあった写真ですがこういう形で新聞に載ると感慨深いものが・・・。
耕史君でずっと、こんなドラマを見たかった・・・・ような気がする。

何で絆なのか、新しく結ばれたものか、故郷でのことか、おこんに厳しく糾弾された奈緒とのことなのか・・・・それとも全部?

江戸での暮らしが軌道に乗り始め、うなぎ割きの朝仕事の他に、いよいよ用心棒稼業も始まる。今回は田沼時代の南鐐二朱銀をめぐる好エピソード。原作でも商人の現実感覚たっぷりでしたが、ドラマもそれを損なわなくて良かった。
双葉文庫書き下ろし「居眠り磐音」の第一巻「陽炎の辻」は、ほぼ前回と今回で終わっています。次回は飛んで、五巻にあった老婆に身をやつした女の話かな?

【脇役上等!】

脇役陣(主に市井の町人達)がとてもイキイキしてるのを見て、このドラマの成功を感じました。

今津屋吉衛門・渡辺いっけいさんもいいと思うけれど、特に味わい深かったのは近藤正臣の老分由蔵さん。
商人の意地と食えなさをよーく現していたし、表面物腰丁寧な昼あんどん風でいて一筋縄では行かない。
「私はケチで有名だそうですが出す時は出します」
相手をしっかり見抜いているようで、キョロっとした目で鋭いことを言う。
近藤正臣って、松平容保とか浅野内匠頭とか、真面目で線の細い役が多かった気がしますが、これはいいですよ! 本人も気に入ってやっているようで、実に丁寧な演技。

どてらに首巻をした小松政夫金兵衛。出色でしょう・・・・!このドラマが終わったら、小松政夫が千葉真一の如く引退宣言しても私は驚かない。
フニャフニャとらえどころのない金兵衛は、原作のイメージと若干ずれますが、コミカルさといちいち気になるセリフの余韻がなんかたまらない。それでいて居そうな感じ。オリジナリティありますね。
近藤さんとともに日本芸能界の遊休資産を生かしました。

佐藤B作さん、与力笹塚役がピッタリですね。
思い出しちゃう「組」の永井様。
「ひじかた、」と一語一語含めるように語り、「ごめんなさいでいいじゃないか。それで怒るような近藤さんじゃないだろう」とか言ってくれた名シーンが甦り、この二人が対面しているとやたらと感慨深くて困ります。笹塚の見つめる磐音の胸元に、思わず「コルクの紐」を捜そうとしている自分に気づいてビックリ。(同じ人、いるよね)
それでもラスト、千両箱をゲットして大笑いして帰る姿は豪快で狡猾な笹塚孫一。

おこんちゃん、最初の啖呵「そうですかと引っ込むおこんさんじゃないんだよ!」はちょっとイタイかなぁ・・・と思いましたが、どうしてどうして後は可愛くてチャキチャキしてます。

啖呵を切った相手の毘沙門の統五郎、風林火山の高遠頼継役でつい先日「おのれおのれおのれ・・・」を決めてくれた上杉祥三。
「なんだこのアマすっこんでろ!」やはり薄いステレオタイプを気持ちよくハイに演じてます。こういう小悪役いい!
「もってけ泥棒!」の金貸しの権造(徳井優)とともに、是非準レギュラー出演して欲しいです。
「居眠り磐音」には許せない卑怯で非情な悪役と、許せるキュートな悪役が混在しているので、キュートな方はドラマにとって貴重。大事にしてくださいね!

品川柳次郎役の川村陽介のことは知りませんでしたが、なかなかよく相方務めてくれました。刀は強いとはいえないのに、弓を取っては巧い!
磐音以外若い男性がやや少ないのがちょっと物足りないです。終生のライバル的な強いイケメン武士が欲しいなぁ。

ところでもう一人の相方、竹村武左衛門出ないんですか?
あの子沢山浪人の崩れた生活感がすごく良かったのに・・・時々磐音に迷惑をかけて後悔するけどまたやってしまう・・・という「とってもいい役」。半端じゃない赤貧生活も効果的だしカットするのはもったいない。柳次郎はまっすぐ過ぎるんで、熱烈竹村コールしたい。イメージは竹中直人です。

【人を殺したくない山本磐音】

一番嬉しかったことは、―多分多くの人に共通してると思いますが―、磐音様が原作ほど人を斬り殺さなくて済みそうなこと。肩の骨を砕くのも壮烈だけど、とにかく殺さなかった。「次は峰打ちとは限らぬ」とか言って。

柳次郎が殺されたかも・・・と思ったときの磐音殿の狼狽ぷりが良かったですね!
着物の裾をはだけて(赤い裏地がたくさん見えて)血相を変えて飛び込む。
「友に死なれるのが一番嫌なのだ」

実感があるのはもっともですが、ちゃんと故郷でのトラウマが生かされているのが嬉しかったです。(耕史君が言うと土方さんの「死んでいった奴ら」への気持ちまでオーバーラップするし。)

TV版磐音殿は、多分誰ももう殺したくないんですよね・・・。

○うなぎ割きの「手」の謎は解明されてないけれど・・・俎板を常に清潔に保つべく、ヘチマでせっせとまな板の手入れしているなどの演技は実に自然。

○きちんと正座で背中を伸ばし、ご飯を無心で食べる姿は可愛い過ぎですね。(母性本能ウズウズ)

○ちょっとハッとしたのは、おそめちゃんと幸吉がお天道様に祈るのを聞いてしまい、「どうしようかな?」と空を見上げる表情。

○今津屋襲撃時に傷を受けた際のちょっと歌舞伎っぽい表情も。
ピンチでも弱気は感じられず、かえって火がつくような感じです。

○今津屋、由蔵、笹塚のお供をして、門の外で提灯を提げて静かに立っている姿は美しかった・・・・。
この中年トリオ+山本磐音というスクエアにはミョウーーーーに心惹かれます。(求ム同感者)
その後父が辞職したことを聞かされ、リアルに苦しげな顔をしたところも共感。

○おこんちゃんに上半身をさらして怪我の治療をさせるのは、原作にあるけれど映像で見るともういけません(正視できなくてドキドキ)。そんなにリアルではなかったけれど。

しかし、第2回でもう全てを話しちゃうんですか・・・・おまけにおこんちゃんに「だからってそのまま置き去りにするなんてヒドイ」薄情さを責められちゃうし。おこんちゃんにはもう少し謎の存在でいても良かったんじゃないかなぁ・・・。
(いろいろあるんですよ)(個人的にも)(市井人情時代劇を成立させるためにも)

○原作より知能型かも。阿波屋つぶしの陰謀は磐音のアイデア・演出だなんてやるなぁ・・・。故郷に帰れば勘定方になるはずだった位だから、あんがい剣しかできないわけじゃないのね。

○ラスト、中ボス天童との一騎打ちです。居眠り剣法の真髄か・・・?短かったけれど、演出も「黄色いライトにスパニッシュ」、だけじゃないとわかってなんとなく安心。

○だけど、夕焼けを見て「また明日が来ると磐音は思った」というようなナレーションは、絶対いらないよ・・・いちじるしくコケました。

【「ニコニコ」と「ニヤリ」】

大きな特徴である磐音の笑顔について。
おこん「何考えてんだかいっつもニコニコしてるんです」
お艶「どこかの若様かもしれませんよ」
吉衛門「そういえば陽だまりの似合いそうな若者ですね坂崎さんは。だが少々屈託がおありになる」

山本土方の有名な片頬笑い「ニヤリ」とは違います。酔っぱらう演技だけで何十種類もこなす耕史君、笑い方の引き出しも多そうですね。

常に「ニコニコ」、他人に気を遣わせない。天性の育ちの良さから来る無邪気にも見えるけれど、その他に何か胸のうちに秘めているような・・・。時々見せる悲しげな、苦しげな様子が笑顔とのギャップでまたたまりません。
故郷ではもっとムスッとしていたり気まぐれだったりしていたんでしょうけど。

第1回、「故郷の悲劇」のリアリティに少々無理矢理目をつぶった話を書きました。
実は江戸に来ても「リアリティ」が増大するわけではありません・・・。
故郷に切り捨てたものが大きいのに、見知らぬ他人の不幸を放って置けない。
会う人会う人みんな磐音に好感を抱いていく。
あれだけ強いのに、失業状態が基本で、一つ事件が終わるとうなぎ割きしか残らないというのも変だし。

だけど・・・故郷の「物語」は見るものをいたたまれない気持ちにするけれど、江戸の「物語」は、見る人をシアワセにしてくれる。

故郷に対する想いと江戸での生活の間で揺れているところが、は、磐音の笑顔に繊細な陰影を与え、「ヒーローの香気」のもとになってるんだから・・・許せ!

文武両道、容姿端麗、温厚誠実にして知力胆力あり。
出来すぎヒーローだけどきっちり絵になるのはさすがの山本耕史です。


次回は第五巻あたりの老婆に身をやつした女の話ですね。朝湯のシーンもあるし、またまたドキドキ嬉しい木曜日です。


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