夜桜林檎(追記あり)

March 31 [Sat], 2007, 2:08
【夜桜林檎】

今夜は宴会のあと夜桜見物でした。
この頃温かかったのに、朝大雨、午後から強風で、夜は冷え込みました。
寒いので外での夜桜宴会は苦手ですが、ほろ酔いで七分咲きの桜の下を歩くのは気持ちがいい・・・。

坂本冬実の「夜桜お七」を口ずさみつつ大股で歩いていると、一昨日の夜見た「椎名林檎お宝ショウ@NHK」(再放送録画)を思い出しました。この曲は椎名林檎が歌ったらすごくいいかも・・・とふとひらめいたりしたのでした。(「桜」→「さくらん」の安直な連想かも)

坂本冬実を一般的な演歌歌手と思っている方もいるでしょうが、彼女はソウルフルなポップスもいけるのです。RCサクセションと共演した「Secret Agent Man」なんか、清志郎に勝ってたくらいです。

「夜桜お七」も名曲ですが、これを林檎スタイルにすると、この曲の「あやかし」的魅力が始めて理解されるかも・・・。カヴァー曲を多く手がけている彼女なら、これを林檎流の世界観で素敵に歌い上げてくれるでしょう。

【椎名林檎が好きだった】

いや、椎名林檎の話をちょっと・・・。

私の愛するアーティストの一人ですが、ファーストアルバム「無罪モラトリアム」、セカンド「勝訴ストリップ」をエンドレスで聴きまくったあとは、どういうわけか彼女の活躍は続いているのに興味が薄れてしまった。
出産休業のせいもありますが、あまりに二作で燃焼し、完全対称的宇宙をなしてしまっていて、私ならここで死んでもいい・・・!と言うくらいの出来栄えだったため・・・・、「真夜中は純潔」や「絶頂集」になんだか食指が動かなくなった。

そのあとも、あいかわらずこの二枚を聴き続け、もっぱら自分のカラオケ持ち歌として、「歌舞伎町の女王」「罪と罰」「本能」などを歌ってきました・・・。
歌うというより、「演ずる」感覚になる。
「罪と罰」は特にやられた曲で、これが「Mステ」で放映された翌日は、荒川静香金メダルの翌日のように、世界が一変してるんじゃないかと真面目に思った(実は何も変わっていなかったが)。

冒頭部から絶叫、
2メロでは動かぬ身体をようやく前に出すような疲れ感、
「ドイツ車とパトカー」の部分には甘い幼さを入れて、
ラストのメインメロディーは冷え切った感じで、その後のフェイクは嘔吐を偽装して・・・

・・・・と、時々演技計画を練って(?)来るという、はた迷惑女でございます。
(でもだいたい爆笑してもらえるのでホッとします・・・シーンとしたらどうしよう・・・)

【お宝ショウトーク】

今回のNHK特番は、そういう意味ではあの頃以来始めてまともに林檎と逢う・・・くらいの感じがした。
トークは、脳科学者茂木健一郎と、住吉アナウンサー。
普通のオトナな応対に少々驚いた。
林檎「自分の好きな要素が入っている仕事についていることほど幸福なことはないです」
「好きな」ではなく「好きな要素が入っている」だからオトナだ・・・。

 
茂木さんは、脳科学についての著作を何冊か読みました。「クオリア論」など興味深かったのだけれど、エッセイ風の読み物は対談した有名人をヨイショしているばかりで少々つまらない。
茂木「すごく強い。コントロールしてるから求められることをきちんと出せるんだね」
正しいけど、アーティストに言うセリフとしては、つまらないんじゃないでしょうか。

一番興味を引かれたのは、19歳でデビューした時、持ち歌のほとんどは自分の過去の少女時代のものだったので、「既に当時の自分とはギャップがあった」・・・・という話。

全人類中特異な、研ぎ澄まされた女子中高生の感性・・・拒否感、人恋しさ、現状打破への願い、脆さみたいなものが痛々しいほど全編に感じられました。
内なる強烈なマグマに突き動かされて、巫女のように彼女は歌ってるんだ・・・と感じたものです。
しかし林檎の歌に心動かされた年齢層は非常に広い。

10代のある時期の少女の才能は、後年の本人にも計り知れないものがある。
(・・・愛する宇多田ヒカルなどをみても、つくづくそう思う)

【お宝ショウナンバー】

TVで見る現在の林檎は、明らかに過去と隔絶しているように感じられる。
悪い意味ではないが・・・・。十代の彼女は失われ、二度と戻ってこないのだなぁと思った。
そこにいるのは、気鋭のプロのミュージシャンだった。
オーケストラとも合体し、映画(さくらん)の音楽監督をしっかり勤められるような。

「錯乱」「この世の限り」は、聞いただけで映画のシーンが違和感なく想像できる。

音階の一部を抜いたような、特長ある「林檎音階」は健在。

ミュージシャンとしての実力は、私などにはわからないほど高くなっているのだろうと思われる。「今後もこの道で食っていく」したたかな自信のようなものすら感じられた。

才能を認めてくれる先輩や仲間や支持者に支えられ、彼女はもう「幸福論」や「正しい街」に見るような「根源的なほどの孤独」とは遠く離れた場所にいる。
「記号になった椎名林檎」から抜け出すために自分を変える事を厭わず、愛する音楽で生きていこうとする彼女の姿は正しい。案外優等生気質なのかな?

嘘八百を求められても、「お酌していると思えば」というようなところは、デビュー当時の彼女にあったのだろうか。
・・・・あったのかもしれない。ただし曲を作った中高生の頃には、そうは言わなかったような気がする。

誰もわかってくれなくともいいと、思いの丈を吐き出したような初期の作品群、女子中高生の尻尾をつけた青く過激な作品を愛しているけれど、そこに彼女を留めておくことはできない。

歌唱スタイルも意外だった。ミニスカートのイメージはなかった。あるとしても、黒い皮のスカートから細くて長い足を大きく開き、目を剥いて挑発的に歌うようなイメージだった。
今回見た林檎は、両膝をつけて甘く歌う。目を剥いて歌詞を叩きつけるようなところはない。「パパイヤマンゴー」など、シャンソン歌手のようだ。もはや地の底から響くような「浅川マキ」的なものからは離れてきている。

さよなら林檎ちゃん。こんにちは林檎さん。
「歌舞伎町の女王」「罪と罰」のオーケストラバージョンは、私には要らない。

ただ、「意識」には心惹かれるものがあった。一部抜粋。

「嘘ヲ吐クナヨ」
君が慕ふ思春期と 僕が用ひる反抗期
泣いたらどんな法も覆して考えどうり
答へなら残忍だ 騙しあってる
お母様 混紡の服を恥ぢていらっしゃいますか


デビュー当時に私が惚れた、メロディラインも歌詞も情念もそのままにあるような気がした。久々に彼女のアルバム「平成風俗」を買ってみようかな。

(追記)椎名林檎を歌うのに、あの巻き舌がなかなか出来ない・・・とお悩みの方へ。
私もできなかったのですが、次の方法が効果絶大です。
「サッポロラーメン」と繰り返してください。
「サッ」にも、「ポ」にも唾を飛ばすくらい力を入れて、
「サッポロロロロルルァーメン!!」

2日くらいでできるようになりました!
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