妄想:華麗なるピカレスク(華麗最終回感想B)

March 24 [Sat], 2007, 1:32
しつこく華麗感想。毎回長くてごめんなさい。
ラストは妄想とSM性を動員し、前二回の感想とは違うことを書きます。

「華麗なる一族」の魅力は、悪い奴らが弱くて純粋なものを轢き潰していくところにあるんじゃないか。
鉄平死後の後日談に、このあたりを見て行きたい。

【庭の葬列】
万俵家の敷地内に鉄平の遺体が運ばれる。
雨が降ってはいるが、不思議と暗くはない。

大介が、「鉄平に最後に見せたいものがある・・・」
なんだろう(「将軍だろ」と言った家族は無視)と思っていたら、「あ、煙・・!」鉄平の遺児太郎が指を指す。「操業、再開!」と四々彦が叫んだ。

憂い顔の銀平だが、気がつくと万樹子がスッと寄り添う。振り向いて目立たず驚く銀平。
原作では正式に離婚した二人だが、二人は再スタートするかも・・・・。

静かに見つめあう三雲と大介。
三雲「あなたは新銀行と引き換えに、大きなものを失いましたね」
大介「一度歩き始めた道は、もう突き進むしかないのです」
三雲「命をかけた思いも、あなたには届かないのでしょうか」
大介「いえ、鉄平は大きなものを残して旅立ちました。私はそれを重く受け止めています」
相子がいたたまれないように踵を返す。

【万俵家の健全化はパワーの喪失?】

大介の憑き物が落ちていく。
相子に手切れ金を渡し、別れを告げる。
大介「君への気持ちは今も変わらない。だが、これが私の下した決断だ」

かろうじてプライドが相子を支える。
相子「・・・・本当は私の方から別れていただこうと思ってたんですのよ。体面を気にして小さくまとまった万俵大介になど、何の未練も感じませんから。これは、万俵家のために働いてきた退職金と思って頂きますわ。お気の毒ね。私が貴方を失ったんじゃない。あなたが私を失うの」
それでも大介の表情は変わらず静かで穏やかだ。
廊下でしのび泣くなんてこれっきりにしなよ。ガンバレ相子。

寧子が側に来る。
「これからは、私一人で万俵大介を支えて行きます。
相子さん・・・・・・お元気で」
原作の「あなたもお子さまがあれば、およろしかったのに・・」ほどではないがけっこうキツイ。(できるもんならやってみぃ!)

二子と四々彦が二人で米国に立つと、大川家で鉄平の遺影に報告する。
鉄平の遺児太郎を膝に抱く銀平には眉間のシワがない。もう、自分の子供をおろさせたりはしないだろう。
「結局お父様の思い通り」との意見に、
銀平「本当にお父さんの思い通りだろうか・・・志を失った銀行の未来は明るくないですよ」

TVに東洋銀行設立の映像が映る。こんな大事な日に、早苗の実家でTVを見ているとは、銀平はどういう立場になったんだろう・・・(立派に窓際族?)

【悪徳は死なず】

美馬「大臣、そろそろ東洋銀行の披露宴に行っていただかないと」
永田「美馬君、次の銀行局長の後任は、君、と考えてもらう」
美馬「(嬉しさを隠しきれず)ありがとうございます」

永田から美馬に下された新たな使命が、大介と万俵一族の残酷な未来を暗示する。
永田「そこで在任中にね、富国銀行に東洋銀行を呑み込ませてもらいたい」
さすがに驚く美馬。躊躇が顔に見える。
肩を叩き「さ、行くぞ・・・!」と永田。

東洋銀行設立のパーティで、卑小に見えるほどの笑顔を振りまく大介。遅れて現れた美馬に、満面の笑顔で「美馬次長!」と呼ぶ綿貫や大亀や芥川。
大介も片手を挙げ、愛想のいい笑顔を向ける。一時その顔を眺め、美馬の顔に突然奇妙な笑顔が浮かぶ。それを顔を隠すように下を向き、だんだんと大介に近づいてくる・・・。美馬を見つめていた大介のアップに、最後に緊張感が走る。

美馬は不思議な体型に見える。背は高いのに肩幅は狭く薄っぺらく、奇妙な笑顔を乗せた首を微妙に傾けて歩く。

【悪いやつほどよく笑う】

葬儀からここまで十数分の短い後日談だが、非常に面白い。ワクワクした。

美馬の存在が際立つ。細い眼鏡のレンズに周囲を跳ね返し、何にも逆らわない振りをしながらどんな情緒も受け入れない。ここで美馬まで「鉄平君・・・」と涙を見せ、自分のこれまでの生きかたを反省したりしたら、何も面白くないのだ!!
ラストで大介を見る目に笑いが浮かんだのも、大介がもはや「狩られる側の人間」に見えたからに違いない。

「華麗なる一族」は、悪玉が水際立っている。
人を食った話し方の永田大蔵大臣。
慇懃な笑顔に酷薄さを覗かせた和島帝国製鉄所長。
いつも陰に控える穏やかな大亀も実は徹底して悪事をやっている。
綿貫専務も悪さ卑小さがチャーミング。

悪役であったものが、負け際に善人になるパターンも多い。
闇の世界にも権力を振るっていた大川一郎。
銭高も変わり、操業再開の場で作業着を着て感動に震えている。
そして自分の野望のためには子供たちを閨閥結婚させ、息子の会社を潰し、ついには自殺に追い込んだ大介も。

他人を蹴落とし呑み込むことをやめた途端、ぱっくりと奈落の底が開き、蹴落とし呑み込まれる側になる。
「華麗」の世界は、悪が栄え、善が滅びることになっている。

善は、精神的救済を見つけたりするが、そんなもの勝ち組の悪にとっては、何の関心もないことだ。
いじましい「ささやかな幸福」の物語を作って、社会の歯車となってくれ、利益は我々が吸い上げさせてもらう。

【悪魔の座談会】

前記事で「人の不幸は蜜の味」と自分で書いて「あ、」と思った。「華麗」に引かれる心理の中にはサディズムも混入している。

「華麗なる獲物」万俵一族に求められるものは、死ぬ時に、落ちる時に、呑み込まれる時に、どんな美しい声を聞かせてくれるか、じゃないだろうか。

公家出身の寧子の苦しみはしゃぶり甲斐がある。
鉄平の叩かれても叩かれてもあきらめずに立ち向かってくる姿がどれほど「そそる」ものだったか。
いや、鉄平は美味なる生贄となることに最後まで抵抗し、大介の憑き物を落とした。だがそのために喰う側だった大介が喰われる側に回ったというわけだ。
(悪の高笑いが聞こえる)。

それにしても万俵家の女どもは、美しく着飾ってはいるけれど、不感症が多くてつまらなかったのぉ・・・。夫との心理的な鎖もちゃっかり切り離しちまった・・・・・実につまらん!!金や権力に魅せられ、欲望に身を任せることのエクスタシーを、君たちは何にもわかっておらん・・・。
スーパーの特売に並ぶ人生を送るがいい。

美味しかったのはあの兄弟だな・・・。美しくて色っぽくて衝撃を与えてやれば根っこから壊れてくれる・・・敏感すぎて身悶えするのだ。

銀の方は憑き物が落ちたのか・・・?いや、東洋銀行が富国銀行に呑み込まれたら、東洋側代表として、もと大同頭取の三雲と、万俵銀平を引き上げてやろう。また人間関係の地獄の渦の中で、あの綺麗な顔をキリキリさせてやるのだ。
あいつは兄を殺し、父を蹴落としたと思い込む性質だからな・・・・。

あのパーティで卑しげな笑いを見せていた万俵大介も、綿貫も大亀もみんな失脚だ。息子の会社を潰して自殺に追い込んだ人非人が・・・。
女房と二人で、昔の殷賑を思い出して寂しい余生を送るがよい。

【「華麗」続編妄想:美馬篇】

最終回に続編的なものを思い描くのなら、残念だが銀平ではなく、次のダーティーヒーローである美馬中が主役に違いない・・・。(以下妄想)

美馬は銀行局長として鬼の如く謀略を駆使し、義父を追い落とし、「あなたのやってきたことを思えばこのくらい可愛いものです」。
次々と力を失った「わるいやつら」が落ちていく中、案外長く栄えそうな悪の重鎮が永田大臣。総理就任も果たす。
美馬「(笑って)私は永田総理についていきますよ」
永田「私に、力があるうちは、ね・・・」

里見教授的善玉とならざるを得ない三雲と銀平。東洋銀行側の中心として、富国銀行との争いに激しく抵抗する。
銀平「これでは、兄さんがなぜ死んだかわからない!」
三雲「落ち着くんだ、銀平君。どんな目にあっても、最後には銀行家の理念を忘れたほうの負けだ」

「腰が抜けちゃった」以上のBL的香気が期待される・・・。
永田大臣の私邸に呼びつけられ手玉に取られる銀平様も見てみたい・・・。

すべての戦いに勝ち抜いてきた美馬は、多分、身体を壊して死ぬ。
「白い巨塔」の財前教授のように。進行癌に気づいたときには手遅れで、壮烈に痩せ、妻や子供は遠く離れている。
死の床に相子がやって来て、ハイヒールで美馬を踏みつける。
そしたら美馬は幸福そうに笑うんだろう・・・・。

そして美馬は、病院を抜け出し、鉄平たちと猟に来た丹波篠山に入ってあの樹を見つけ、そこで眠るように死ぬかもしれない。

ピカレスクに他人を押しつぶしながら生きてきた美馬も、そして大介も、多分自分が死と向き合った時に、雪山の鉄平の死のイメージが頭をよぎるんじゃないだろうか・・・・・。
誰を恨むこともないけれど、自分が生まれてきたことだけは否定したくない。

多分悪人は孤独なのだ・・・・。誰かのせいにしたり、誰かを信じることができないから。
弱い善人が組合を作り共済に入り、同じオレンジ色のツナギを着てタオルを巻いて、他人が死んだときも自分が死んだときも同じように人が集まってくれるだろうなんて幻想を持てるのと違う。

多分相子は笑わない。涙まで溜めて真剣に怒りながら美馬を踏みつける。
相子は万俵家を出た後も、意地だけは衰えない。「普通の女には真似できない、特別な人生を私は選んだの」・・・だが次の取り憑き甲斐のある悪男は、なかなか現われない。相子も落ち目だ。
しかし惨めな姿になっても、自殺だけはしない。
鉄平さん、私は貴方とは違うのよ。

【昭和の欲望・平成の不能】

華麗なる一族は、欲望の物語であろうと、以前に書いた。

正式発表!「華麗なる一族」の記事ですね。11月だ・・・。1970年代を舞台することに驚いたものです。

>権力、金銭、出世、名誉、併呑、支配・・・・愛欲、セックス・・・。
昭和の欲望ムンムンのこのドラマは、セックスレスすら蔓延した今の日本にはコレステロール値が高すぎるので、「銀行合併」というタイムリーな動きと絡めて当然のように2007年を舞台にするんだろうと思い込んでいました。
>キムタクも山本耕史も生まれていない、携帯もWINDOWSもない世界・・・!
>しかし正式発表なった豪華絢爛なキャスト陣は、昭和の欲望渦巻く世界に十分すぎる「濃さ」や「匂い」のする面々。植物的というより野生動物的なフェロモンが立ち上ってくるようじゃありませんか。


時間があれば、大きく「昭和後半」を描いたドラマにして欲しかった。
強い人間や大きな企業が弱い人間・小さな企業を押しつぶし、吸収していく。
効率やもうけのために、田畑が潰され、山が切り開かれ、大気が汚染されていく。
90年代初頭のバブルの崩壊まで。
時代が内包していた欲望(エロス)のエネルギーが、日本企業を海外にまで発展させ、自然のみならず家族も、地域社会も解体された。失ったものも多いが、それによって時代は前に進んだ。

このドラマ全体に、異様な「過剰感」と「不均衡感」が溢れている。
テーマ的整合も、人間の欲望の八岐大蛇のような絡み合いによって混沌としている。

意図的なのかわからないが、ドラマの存在自体に「華麗なる混沌」が満ちていて、満を持したドラマの割りに、常に「大コケ」の不安感を伴うのがなかなか良かったかも・・・。

しかし・・・娯楽として「華麗なる一族」の没落を楽しんでも、鉄平の孤独死の光景だけは、心に残る。
欲望に狂奔されながら躍るように生きても、最後には人間は一人だ。

あの雪山のあの斜面の、あの樹に逢いたい。
ジェームズ・パーディは持たなくても、イノシシは現れなくても、みんなを許して死んでいった鉄平の魂が、静かに降りて来てくれるんじゃないか・・・そんな妄想が、抱ける場所。

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恥ずかしながら、鉄平にだんだん共感していきました。特にラストは、自殺の原因はいまだにわからないながら(原作でははっきりしてますが、ドラマでは難しい)「雪山の斜面と樹と銃を抱えた鉄平とあのイノシシ・・・」の場面も印象的で、もう最後は鉄平にドップリ抱きくるめられてしまうことにしました。
「早苗・・・メリークリスマス」の早口には、ブワッと涙が溢れた私です(爆?)。鉄平の弱さが愛しくて。

共感度が低かったのは、相子の宿敵、万俵家の正妻戦隊です。着飾るしか能がないんなら、大人しく閨閥結婚しておれ!といいたくなる。

高炉爆発の際の銀平様の無力な叫び、良かったですね!酔いどれ姿もたっぷり観られたし、夜な夜な兄の下に忍んで行く姿も愛しく。セリフは少なくてもカメラさんは「銀平の表情に語らせる」手法をずいぶん使ってくれてましたね!
ヘドウィグもすごく良かったし、耕史君の次の仕事に期待です!!

by きのこ April 01 [Sun], 2007, 2:30

華麗感想お疲れさまでしたー!
まぁ、鉄平を主人公にした時点で、
ドロドロのダークサイド路線は消えていたも同然でしょう。
しかもあの爽やかっぷりオーラ全開だと、
あまりに「作られてる感」がしすぎて
どうしても鉄平に共感はできませんでしたね…。
しかも最期の会話が「メリークリスマス!」ですよ?(爆)

>スーパーの特売に並ぶ人生を送るがいい。
わはははは!ウケた!ウケたよ〜きのこさんっ。
貴重な相子女史まで切ってしまった万俵家は、
表側は健全になったとしても、裏側では逆に荒んでいきそうですよね(苦笑)。
実はにーちゃん好き好きオーラ全開だった銀平も
見納めですねぇ…それが残念。
高炉爆発を見て、泣き崩れるこーちゃん素敵だったのにー!

by Aki_1031 April 01 [Sun], 2007, 0:23

今朝はヤプログ!がなんかおかしかったです。つながりにくかったのでは?
かわうそさん、ご長男の手術成功と退院おめでとうございます。家に帰ってからが母の大変さの始まりだとは思いますが、大きな子供と心を触れ合わす良い機会でもありますよね。新学期も近いですが、ゆるゆるとリハビリに励んでください。

で、かわうそさんの将軍の話、
>気の付かなそうな寧子さんや使用人に放っておかれて、土に埋められることなく、他の鯉たちにつつかれて、骨になって池の底に沈んでいくことでしょう。
そうそうそう!と大受けでした。もったいないですね。「食べる気満々」にも笑いました。(骨まで柔らかく煮た鯉こくは美味しいですね。)
寧子さんはとにかく気の付かない奥様だと思います。相子が去ってから家の中はなんとなく荒れてきて、大介もなんとなく垢じみてきて、子供たちが自由勝手な人生を歩めるようになったのはいいけれどどんどん万俵家も傾いてきて・・・。

>もう一度ゆっくり見直して、またコメントさせていただきます。
是非是非お待ちしております。鉄平は、大介のセリフを聞いた時から死んだと同然なのか、一人山中で「考え抜いた果ての結論なのか(だと重い)、自分の運命と戦うために自分で自分を仕留めたのか、こういう死に方を選ぶことで、家族の心の中で永遠に生きていたいと思ったのか・・・。その理由もですが、頭に焼きつくあの雪山の象徴的な光景についてもまだこだわっていたいものがあります。またよろしくです。

by きのこ March 29 [Thu], 2007, 23:06

御免なさい、二重投稿になってしまいました。
お手数をおかけしますが、一つ削除お願いします。
鯉のあらいは好きです。
鯉こくは、出産後散々食べさせられたので、もう堪忍。
お乳が良く出るようになるそうですが、私には効果ありませんでした。
将軍はどんな味がするんでしょう?
(食べる気満々)

by かわうそ March 29 [Thu], 2007, 17:27

なおみさま
残念ながら、将軍は餌も貰えず、最後には鉄平から石つぶてを喰らってお亡くなりになりました。(死因は別にあり?)
万俵家を差配していた相子さんが出て行ってしまったので、気の付かなそうな寧子さんや使用人に放っておかれて、土に埋められることなく、他の鯉たちにつつかれて、骨になって池の底に沈んでいくことでしょう。

私信
きのこさま
おかげさまで、昨日、長男が退院しました。
まだ両足ギブスで動けないのですが、家に帰れてほっとしているようです。
『華麗なる一族』最終回、生で観る事が出来ましたが、用事をしながらでしたので、落ち着いたらもう一度ゆっくり見直して、またコメントさせていただきます。
ただ、鉄平の自殺の理由が、大介から『お前など生まれてこなければ良かった』(意訳?)といわれたことだったので、納得がいかないというか、しっくりこないというか。
木村さんも、そのようなことインタビューで答えてみえてましたね。
再見して、そこら辺もじっくり考えてみます。

by かわうそ March 29 [Thu], 2007, 10:33

「ハゲタカ」の文太さんのセリフは気づきませんでしたが、ヘドつながり、又誰もが注目した「風林火山」とのテーマの重なり・・・どんどんつながってリンクしていく感じがしました。鉄平が「みんなのために自分を自分で殺した」、ということ(弾一発だけで自分をしとめたのですね)を、調子に乗って「キリスト的」と言いたくなったんですが、星の王子さまからヘドウィグまでなんでもその影を見てしまうので、ちょっと自粛。

>子供をあやす様にどこか不気味なものをこちら感じ。

ラストの一連のセリフは、やはり木村さんが希望して入れたとか。「なぜぼくは明日の太陽を見ないのだろう?」はいいんですが、その前の「人間はちっぽけな存在だ・・・・(以下)」は、正直、くどいな(くさいな)、と思ったものです。しかし、そういう抵抗感を起こさせても彼は言いたかったんでしょう。ドラマで持ったバタフライナイフが流行して事件の原因になったり、自分のやることなすこと世間に影響を与えてきたキムタクならではかも。

>なにか一つのドラマが幕引けば、そこへ集うた者達は、またそれぞれの街へ帰って行く図、

吉田拓郎の「祭りのあと」というすごく好きな曲がありますが、それを口ずさみつつユルユルしています。しかし、「組」後のような深刻な喪失感はありません。銀平が死ななかったし、いい叔父さんになったからかな?

以前華麗への問題提起をしたときの一つが、「万俵家の悲劇において、一番罪深いのは誰か?」と書いて、これは一番簡単に「敬介」で決まりそうでしたが、「戦時中の血液検査官」に、悪戯好きの悪魔が混ざっていたのかもしれません。
血液で証明されていれば敬介への怒りはともかく、鉄平へはもっと愛を注げたのか?これはわかりません。だって、自分の子だってわかっていても、「どうも上の子はおじいさん似で今一つ好きになれない」ってことあるでしょう。血液なんて自己正当化の理由付けですよね。

ヘドウィグ話は、4月に入ったら又よろしくです。

by きのこ March 28 [Wed], 2007, 5:37

モルさん、はじめまして、のご意見は、自分もうなずく事しばしばでした。木村さんの最たる力技の一つとして、最後の台詞、明日の太陽が・・もあるんですよな?そこで、、こり。

>(悪の高笑いが聞こえる)。
 この台詞が期せずして、純然たる善、すなわち純然たる悪の囁き、とも受け取れる。銀平は、皆様が仰るとおり、大変感受性の鋭い優しい人物としてありました。その彼の聞き取った声として、この混沌とした囁きがあるなら、彼のその後の対処もまた違った色味を帯びてくる。
 子供をあやす様にどこか不気味なものをこちら感じ。そこで自分に聞こえてきたのは、別番組ハゲタカにおける、文太@青空?かいちょ、のお声=”どうにかしたいのなら(?)なにもせんことだ”、的な台詞。そしますと、銀さんの、”ほんとにそうだろうか?・・・”といいつつ、会社勤めも見切ったげな、大介の凋落を示唆する台詞と、つながりがよくなってしまい、ありり・・・となっておりました。
 鉄の無意識の”さが”でもあり?また、それを無意識に汲み取った?銀、二人、唯一の懸念とも言うべきは?残された鉄の子供に禍根がくすぶってはならぬぅ〜〜とばかりに、この叔父は甥を大事に見守るっていくのだろう・・っともな。

大人達は、血液型問題で、対大介へのうらみつらみ、ふっとんでいた。こりがなければ、どう転がっていたやら。鉄の遺志も虚しく、その死が残されたものへ与える”さが”は、決して災いを断ち切る術にならぬことは、今も昔も変わらぬとも思われる。原作は、鉄のうらみ節が描かれていたということで、なるほろ・・でした。
 血液型など関係ない!というきのこさんのそれもまったく道理ですが、一方でその血の幻想が不思議な作用を及ぼす。フサコの情を押し込める様もこの血の幻想故っすもな。

欣也さんは演技として善悪を表現し、木村さんはおそらく無意識だったと思われますが?擬似本能的に、善悪を表現した結果になったのか、はてさての微々たる謎であります。

ではきのこさん、お疲れのご様子。ゆっくりお休みくだされ。

by ま March 27 [Tue], 2007, 2:18

改めて、華麗感想あっぷ三連発。ごくろさまでした。
なにか一つのドラマが幕引けば、そこへ集うた者達は、またそれぞれの街へ帰って行く図、そのものでひょか?

先日貼りましたアダジョ・きのこさんコメント:安らかな音楽、って・・いや・・どいたしましてですが、きのこさんが鉄平役だったら、あの音楽背負っただけ、安らかになるんだべか?と、何やら可笑しくなっておりました。
余談ですが、このアダジョ、合唱曲に編曲されたものを「アニュス・デイAgnus Dei」(神の子羊)といい、ミサ曲のアニュス・デイは、ヨハネ福音書に基づき詩がついているのだそですね。さりげなくヘドつながりでもあり、ほぅ・・・でした。

ヘドでも大事な要素である、性、を、”さが”、なんてみると、この”さが”の塊を現す何ものかに、人間の、善・悪、強さ・弱さ、なんて概念もあるでしょかの。きのこさん的エロスの要素すべてでもあるんでひょ?きのこさんの「退行する王子たち」記事、欣也さんのコメントにもあるとおり、華麗の欣也さんは、まったくもって、このような人間の”さが”を意識して演じておられたよに見受けられ。役者さんってのはほんに、凄まじくも、因果な商売ですなぁ・・・

by ま March 27 [Tue], 2007, 2:11

モルさん、再訪感謝です。
耕史君と木村さんの演技についての意見、とっても頷きながら読みました。
山本さんは三谷さんに技巧派と言われていたけれど、確かなテクニックより魅力的なのは、、共演者とのシンクロ度でテンションも役自体も変わっていくことかな?だからこそ「組!」の歳三と「華麗」の銀平がこれほど愛しい存在になったのかと思います。一度はまったら耕史君から目を離せなくなるような・・・。媒体としての香取君と木村さんも相性抜群だったのでしょう。
>木村さんは、型を作るのは苦手?な反面、決め所では脚本や演出の矛盾もなぎ倒して単体で光り輝くパワーがあるなあ、
そうですね・・・なんかすごく納得しました!ありがとうございます。

by きのこ March 25 [Sun], 2007, 23:10

>耕史君の演ずる銀平は、鉄平を慕う姿が愛し過ぎて
確かにそうですね。山本銀平の兄さん好きっぷりは、脚本家の意図を遥かに超えてるんじゃないかと時々感じてました(笑)。でもそれが良かった。山本さんはその役の「型」を作るのは常に上手だけれど、型を超えた輝きは、役や共演者とのシンクロ度に結構左右されている気がします。(磐音が心配なのはその点で、「魅力を感じない」と書いてしまったのは原作そのものの評価ではありませんので…すみません。)
逆に木村さんは、型を作るのは苦手?な反面、決め所では脚本や演出の矛盾もなぎ倒して単体で光り輝くパワーがあるなあ、と最終回を見て感じ入りました。それでも私は巻き込まれまいと抵抗しちゃったんですが(笑)

またこっそり覗かせて頂きます。レスありがとうございました。

by モル March 25 [Sun], 2007, 15:11

なおみちゃん、新年の目標も虚しく長くなる病はひどくなっていたようでスミマセン。これでも制限字数に縮めるのに小一時間かかっているのですが・・・。
最終回見ていないのに付き合いに来て下さってありがとうございます。ついでに、「イノシシ」と「樹」と「ジェームズ・パーディ」の象徴するものは何か、について、鋭いヒラメキを口走ってくださると嬉しいです。

相子は・・・・やっぱりかつて言ってた通り愛されてなかったというか、大介の野望の無二の戦友という感じでしたね。鉄平に死なれて家族を縛る気力もなくなってきた今は、二人の妻を持つだけの有り余る精力もなくなったのでしょうか。
でも、あえて「ガンバレ相子」と言いたかった。華麗の登場人物でガンバレと言いたくなるのは最後は相子だけだなぁ・・・(負け組になっても、他人にもたれあわないからかも)。新しい「パパ」を見つけて欲しいけど、美馬は利用価値の低くなった相子を敬遠しそうだし、永田大臣級の爺さんに取り入るしか相子勝利の道はない。
(現代なら、女が成り上がるのに必ずしも男が必要じゃないんですけどこれも時代性かな・・・)

by きのこ March 25 [Sun], 2007, 10:42

モルさん、はじめまして!「ほぼ日」とともに拝見・・・身に余るお言葉です。

>正直、最終回は木村さんの力技で色々ねじ伏せた感があり、
鋭いですね!私もチラッとそう思いましたが、あの流れの中では、もう砂の中の蟻地獄に飲まれるように鉄平の死に抱きくるめられるしかない・・・と思って抵抗はやめました・・・。欠点を挙げれば数多い作品でしたが、それを超えた魅力があり、最終回は木村さんが意地を見せてくれました。

私も一番の目当ては銀平耕史君・・・ラストの3回くらいは出番もめっきり減りましたが、それでも原作よりずっとふくらませた役柄。セリフのないちょっとした表情が、銀平だけ追っても心理の変化が良くわかり、耕史君の力によるところも多かったと思います。

>万俵家の男達が誰一人なれなかった「良い父親」に銀平がなれる可能性が垣間見れたのは救いです
銀平が物語の希望の光みたいになってましたね。

>銀平も、兄の強さを愛したけれど理解はしていなかった。「実は強くなかった兄」はもはや怖れや憧憬の対象ではなく、喪失感よりも、罪悪感と「兄に敵わない自分」という呪縛からの解放の方が実は大きかった

これは難しいです・・・そういう話の方がスッキリするのですが、耕史君の演ずる銀平は、鉄平を慕う姿が愛し過ぎて、(局長副長の時も思いましたが)張り合うというより、自分がこの人に「敵わない」ことを嬉しく誇らしく思っているようにすら見えるんですね。
父の側に立って兄を追い詰めたことは辛いでしょうね・・・兄に断られても、証言すればよかったと思ったことでしょう。銀平のハンパさが悔やまれます。

>銀平は土方後の山本さんの仕事の中で一番好きなキャラでした。
私もそうです。ハンパで退行気味で、マザコンでブラコンなところも含めて・・・単純な正しい役よりずっと色っぽい。

「磐音」読もうと書店に行ったら一巻がなくて・・・あの冊数、一冊600円以上というのがちょっと引きます。耕史君にあんまり脳内変換できないという声が多いですね。「萌え所」見つかるといいのですが。

早くも銀平が恋しい…。
同感です!

by きのこ March 25 [Sun], 2007, 1:58

はじめまして。きのこさんの華麗考察、読み応えがあって、ほぼ日とともに毎週楽しみに拝見していました。
正直、最終回は木村さんの力技で色々ねじ伏せた感があり、ひたすら銀平目線で話を追っていた身としては消化不良…。銀行は辞めたっぽいですが、も少し成長描いてくれても…。ただ、万俵家の男達が誰一人なれなかった「良い父親」に銀平がなれる可能性が垣間見れたのは救いです。

あと、喫茶店のシーンを「鉄平の関係の切り方」と表現されていたのはハッとしました。証言を求めなかった件もそうですが、あの優しさは一種の「拒絶」だと感じてたので。鉄平は結局、父の愛を独占していた弟との間にはずっと壁を作っていて、最後まで取り払うことが出来なかったのかなあと。

一方の銀平も、兄の強さを愛したけれど理解はしていなかった。「実は強くなかった兄」はもはや怖れや憧憬の対象ではなく、喪失感よりも、罪悪感と「兄に敵わない自分」という呪縛からの解放の方が実は大きかったのでは…と、全て終わった今、鉄銀兄弟に対してやや意地の悪い見方をしています。きのこさんは、いかがお考えでしょうか。

色々不満はありつつも、銀平は土方後の山本さんの仕事の中で一番好きなキャラでした。磐音は3巻まで読みましたが、物語にも主人公にも全く魅力を感じられず、早くも銀平が恋しい…。きのこさんが磐音を読まれたら、是非感想お聞きしたいです。途方にくれている萌え所探しの参考にさせて頂きます(笑)。長文失礼しました。

by モル March 24 [Sat], 2007, 16:20

殿、面白いんだけど・・・長い・・・読んでるうちに書こうと思ったこと忘れちゃいましたよ。
えーっと、えーっと・・・まあ美馬が重篤になったところ相子がやってきて「ハイヒールで踏む」ってのはともかくとして、重い病気になるとか、過労死するとか、誰かに刺されるとか・・・ってオチは普通にありでしょうね。モチロン妻子も出て行ってるし、お友達もいなくてかなり寂しい最期でしょうし。
相子はね案外新しい「パパ」を見つけるでしょうね。大介は「将軍」のお造りを食べて食中毒になって・・・最期てのはいかがでしょうか?でもスイマセン「最終回」見てません。

by なおみ March 24 [Sat], 2007, 9:31
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としずきん妄想:「新選組!」再鑑賞日記
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